陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

埴輪HANIWA展(東京国立博物館)に行ってきました。

2024年11月13日 | 展覧会

埴輪 [けい甲の武人]・古墳時代6世紀

教科書などでお馴染みの埴輪です。

まだ可憐な少年の面影をしていますが、体にはがっちりとした甲冑を付け頭には金属製の兜をかぶっています。手足にも武具を付け、一方の手には弓をもう一方の手には剣を持って、見るからに凛々しく若い兵士の姿です。甲冑を締める革紐の蝶結びが何とも可愛らしい・・・です。

会場には同じような埴輪が何体か並んでいます。

その身長はおよそ135cm、今の中学生ぐらいの身長です。私の想像を遥かに超えた実物大のリアルな兵士たちは、さながら日本版兵馬俑と言えそうな迫力です。

 

五体の「けい甲埴輪」が並ぶ会場風景

古墳時代は、およそ3世紀から6世紀頃までを指します。その後、仏教が入ってくると仏像や寺院が全盛となり、埴輪も姿を消します。その間の300年の埴輪文化を紹介したものが、今回の「埴輪展」です。

 

円筒古墳・古墳時代4世紀 

古墳時代初め頃の埴輪はまだ人の姿をしていませんでした。この土管のようなものを「円筒埴輪」と呼びます。

その後、時代を経るにしたがって埴輪の姿もさまざまに変わっていきます。

 

「家や舟や器材等の埴輪」古墳時代5世紀です。

王が権力を発揮する頃になると、古墳を彩る埴輪も権力の象徴になって行きます。埴輪は大量生産され、日本各地に船で送り出されました。

埴輪・捧げものをする女子

埴輪 踊る人々・古墳時代6世紀

   

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そんな埴輪文化の中で、私が一番面白いと思ったのが 動物埴輪 でした。

馬・鹿・犬・豚・猪 いろいろな動物が、かなりリアルな姿で作られていたのです。それらはどれも可愛いいのです。

 

狩人を見据える、牡ジカ

ふと振り返ると、人間と目が合ってしまい立ち止まる、そんな鹿のようすが生々しく伝わってきます。

その昔、人と動物は今よりずっと対等で、互いに尊重し合って暮らしていたのではないかしら?

・・・そんな勝手な想像をしてしまう程のどかではいわそうな動物たちなのです。

 

鹿型埴輪・狩人に追われ振り返る 古墳時代6世紀

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300年も続いた日本の古墳時代と埴輪文化。

そこには、日本人の気真面目で我慢強い精神性と共に、ユーモアとアーテイスチックな芸術性が感じられます。

 

青い空、緑の木々、豊かな水辺 美味しい魚や木の実、動物たちとの平和な暮らし、

なぜかノスタルチックな懐かしさを感じさせる埴輪展でした。

会期・12月8日(日) 場所・東京国立博物館 平成館

 

付録  utinohaniwaー2024

  先日作った家の埴輪です

 


2024年日展開幕

2024年11月06日 | 日記・エッセイ・コラム

長い長い夏が続いてなかなか秋にならない、おかしなおかしな年でした。

地震・洪水・大雨、異常気象が頻発して地球そのものの安否さえ問われる年でした。

そんな中でも人々は黙々とおのれの営みを続け、そんな中で迎えた日展でした。

 

 

2024年第11回日展      会場での展示風景 

炎濤乱【ほのおとうらん】

濤々と打ち寄せる波のようなブロンズの群像     

孤独な魂 燃え上がる命 炎のような情念 

孤高なるものへのオマージュ

そこには紛れもなくわたしがいる

 

【2024年度入選作品。会場での光線の具合が悪くブロンズが黒くなってしまいました】悪しからず