陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

お茶を楽しむ

2016年04月26日 | 日記・エッセイ・コラム

風も ひかりも みどりに染めて 夏木立

 

あっという間に花の季節が終わって、緑の季節になりました。花も木も風も光もみどりに染まっています。

庭のタツナミソウ(立浪草)が文字通り波打ってオブジェとたわむれています。

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 今日は、お茶のお稽古の日でした。「お茶」というと格式ばったお茶室のお点前をおもってしまいますが、

ここのお茶室は古びたアトリエの二階。床の花は季節の山野草で茶碗も水指も書もすべて自前の作品という、手づくりのお茶席です。

 

                                                                            山に咲いていた卯の花

                                                                                「春」の篆文

 

  毎月第二と第三火曜日が、お茶のお稽古日です。お稽古と言うよりお茶とお菓子を楽しんでいる、といった方が正しいでしょうか。

友人四人が交代でお点前をして季節を感じ季節を楽しむ優雅?なひとときです。

  

本日の主菓子は両口屋の蓬餅

 

古来、蓬の香気は邪気を払うとされ、薬草としてまたは餅に混ぜて春の香を楽しむ菓子として用いられてきました。

蓬と並んで山椒や蕗やタラの芽、そしてもうすぐとれる新茶の香。暮らしの中に季節の喜びを取り込む昔の人の知恵には、驚かされることばかりです。お茶の世界の良いところは、そういった日本文化の原点を大切に残していることでしょうね。

 

 

 

 


雑草はじゃまもの?

2016年04月20日 | 野草

 朝、ゴミ出しに行こうとしたら、家に隣接する空き地が何やら花畑のように華やいでいる。 

 

白とピンクの菊のような花が、50~60センチくらいの高さで咲いていて、思わずハッとするように美しい。 

 

 一瞬目を疑ったが、よく見るとそれは嫌われものの雑草「ハルジョオン」(ヒメジョオン?)に違いない。

春の雨と気温の上昇で一気に花が咲いたのだろう、昨日までは緑の空き地が花畑のようになった。

でも、雑草嫌いの近くの住人は、明日にもこの雑草を刈り取るに違いない・・・。

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「ウイキペディア」によると

「ヒメジョオン」は、1865年頃にアメリカから観葉植物として導入されたが、明治時代には雑草となった帰化植物。現在では全国に広がり、山間部にも入り込んで、在来種の植物の生育を邪魔する可能性があり、とくに自然豊かで希少な植物が多く生育する国立公園亜高山帯では問題となる。そのため、ヒメジョオンはハルジオンとともに要注意外来生物に指定されているほか、日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されている。

 なるほど、刈り取られるのにはそれなりの理由があるのだ。

繁殖しすぎること。生体系に悪い影響を及ぼすこと。

 でも、それって植物に限ったことではないよね。アメリカ文化はもはや日本文化の主流だし、ファッションや音楽にも国際はない。何をとっても純国産種を守るのは至難の技だ。家の庭の山野草を守るにはハルジョオンを締めだすしかないか!

 しかし、 懸命に命を謳歌しているこの花に罪はない。

  雑草は    所詮雑草    されど雑草


ユニークで楽しい器たち

2016年04月10日 | 陶芸

     あっという間にさくらが終わって、里山のアトリエでも「山笑う」季節を迎えました。

開け放した窓から緑の風が吹き抜けていきます。

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5月に予定している「陶芸工房 朝展」は、いつもの「オーソドックスに格調高く」? はやめて、

「ユニークで楽しい遊び心のある展示会」にしたいなと、今その作品の試作中です!!

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美しいお部屋で曳きたてのコーヒーをヨーロッパの磁器のカップで優雅に頂く・・・、

それもいいけど、当たり前をやめて、子供の遊びみたいなこんなキッチュなカップで、

ちょっと香ばしいベトナムコーヒーなんてのはどう?

 

 

 

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   何気なく「キッチュ」なんて言葉がでてきてしまったけど、「キッチュ」は「下手な」ということじゃありません。

本来のキッチュは「見たこともない異様なもの」とか「以外な組み合わせ」とか「ありえない組み合わせ」とか・・、見る者にとって異文化に属するもの、時代を隔てたりしているもののことをいいます。キッチュの観点からすると「見るもの」の日常性に近づきすぎると新鮮味のないつまらない存在になってしまうから「普通であること」は美的価値に不足するということになります(武下邦彦)

要するに、「普通はつまらないよ」ってことになるのでしょうか。

でも、その「普通」でないことがどんなに難しいことか!   身に沁みて分かるのですねー。

 

 

 

 

 


アトリエだよりー3・廿日会祭

2016年04月03日 | 日記・エッセイ・コラム

百花繚乱、春がピークを迎えました。草も木も人も朝からウキウキしているような日曜日の朝。

草取りをしていると、近くの公園から何やら賑やかな笛太鼓の音・・・ 

 

 

 「今日はしずおか祭だった」。覗いてみると近隣の町内の山車が行列を作ってぞろりぞろりと進行中・・

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「しずおか祭り」は、毎年4月1日から6日まで行われるお祭りで「大御所祭り」「桜祭り」などとも言われますが、正式名称は「駿府浅間神社廿日会祭(はつかえさい)」。旧暦の2月20日に行われたことからこの名称があります。駿府城のある駿府公園を中心に街の中でもいろいろな催しが行われ春を楽しむ人々で賑わいます。

 

   この祭りの中で行われる行事に「稚児の舞」があります。これは、「天下泰平」「五穀豊穣」を祈願して浅間神社の神前で稚児が舞を奉納するというもので、天冠には桜と山吹の枝をさし、額には白粉で月の形をつけ、葵の紋付の舞装束を付けて舞うのだそうです。今川時代以前から駿府に伝わる伝統の舞でした。この舞が廃れかけた時、大御所として駿府城に入城してきた家康が復活させたと伝えられています。                        廿日会祭の原型は、五穀豊穣を祈願する、このあたりにあったのでしょうか・・・。

そんなことを言いながら、私は未だにその舞を観たことがないのです。

 

 夕方、自転車で買い物に出たついでにお濠の近くまで行ってみました。お濠の桜は今が満開。祭りを楽しむ人々で賑わっていました。中には色とリどりのベールで髪を包んだイスラム教徒らしい人々の姿もあって、時代の流れを感じさせます。

 「駿府城」は1585年に徳川家康が築城し、晩年の大御所時代を過ごした場所としても有名です。 気候温暖、風光明媚、海と山に囲まれた自然豊かな城下町の空気が、晩年の家康の気に入ったのでしょう。最近は若者の東京進出で人口減少傾向にある静岡市ですが、穏やかな暮らしをお望みの方にはお薦めのいい街ですヨ。