昨日、 1月15日は、落合恵子さんの新春講演会の日でした。
あいにくの天候でしたが、会場は大盛況で、とても素敵な講演会になりました。
企画者としては、何よりうれしいことです。
素敵だったのは、とりもなおさず落合恵子さん、その人でした。ちょうどこの日、彼女は「60歳の誕生日を迎えた」と前置きして、講演は始まりました。60年前のこの日というと、1945年の1月15日。1945年というのは、終戦の年です。人の命も、日本の未来も、どうなっていくのかまったく分からない時代、信じるものを失って混沌とした、日本のいちばん暗い時代です。そんな中で、彼女の母親は激しい恋をしました。未来の見えない不安な時代だったから、余計に激しく燃え上がったのでしょう。その時、彼女の母は、20歳だったそうです。結婚もしないまま、女の子が生まれました。それが、彼女、落合恵子さん、でした。まだシングルマザーという言葉さえなかった時代のことです。
「何かを信じたい」、そんな20歳の女の子のひたむきな気持ちが、私にも、痛いほど分かる気がしました。
60歳を迎えたという壇上の彼女は、まだまだ若く、とても美しく見えました。語り口は穏やかでしたが、その心の裡に激しい情熱を秘めていることは容易に想像できました。そんな彼女を創りあげてきたものが、何であったのか、私は、彼女の最初のお話から、そのすべてが分かったような気になりました。
講演は、さすがにお上手で、聴衆の心をぐいぐいとひきこんでいくのが、舞台の袖すらもよくみえました。
講演最中に、楽屋裏がガタガタして、スタッフの誰かが、誕生日の花束を買いに走ったのが分かりました。
私はあわてて、講演の終わりに「特別プログラム」を入れました。花束を贈ると、みんなから「ハツピーバースディ」の歌声が起こりました。私は、司会をしながら、久しぶりに感動しました。
写真は、壇上の落合さん、会場の聴衆。