伊勢に行ってきました。
といっても伊勢神宮参拝ではありません。五十鈴川沿いのおかげ横丁にある五十鈴塾で、ETT(energy think together)の集まりがあり、それに参加したのです。(写真はおかげ横丁)
平家物語・壇ノ浦の合戦最期の場面から
戦いに敗れた平家の武者たちは、生きて恥をさらすまいと次々に海に身を投じていきます。波間に揺れる船の中では、8歳になる安徳天皇に「海の底にもきっと都はあるもの」と諭す二位の尼、黒いおかっぱ頭を揺らせながら、はるかな伊勢神宮の方向に手を合わせこの世の別れをする幼い安徳天皇、(この日、伊勢での演奏のために、伊勢神宮の出てくる場面を演奏曲目に選んでくれた)
あるときは激しくバチをかき鳴らし、ある時はささやくようにバチを爪弾き切々と物語る「琵琶語り」に、会場はし~んと静まり返って今にもすすり泣きの声が聞こえてきそうな雰囲気です。
私たちは、テレビや映画で日常的にリアリティ溢れるたくさんの場面に接しています。でも、実は自然の音にも自然の動きにも人の心の機微にも、とても鈍感になってしまっているのではないかしら・・・・・・・、あふれるような感情表現の世界に触れて、ふとそんな思いがしました。
古典芸能の奥の深さを垣間見た感じです。