陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

うちのさくら

2015年03月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 

2015年3月23日夕方撮影・  我が家を覆うさくらです。

さ  く  ら

             さ    く    さ     く  羅         

              ち   る   桜                 

                                                                                        (山頭火)

             


貝母百合(バイモユリ)

2015年03月15日 | 野草

 

 

 2週間も前から咲くのを待っていました。ようやく咲き始めた家のバイモユリです。

 まだ寒さの残る頃、枯葉の中から芽を出し、日差しと共に背丈を伸ばし,蕾を膨らませ、

見守る私に「ああ春が来たな」と思わせてくれる、この花が好きです。

  貝の母という呼び名もどこか上品で懐かしく、うつむき加減に咲くこの花を見ていると ,

          「私の耳は貝の殻  海の響きを懐かしむ」というコクトーの詩を思い起こします。     

                      美しき  春はきにけり  亡き人の    植えし貝母に  白い花の咲く

 

 

 


春の歓び

2015年03月08日 | 野草

  なんとのどかでよい春の一日だったことでしょう。花々が宝物のような蕾を開き始めました。うれしくなって、終日を庭で過ごしてしまいました。 

 

リュウキンカです。

ショウジョウバカマです。

コブシです。

 

 写真は本日の午前中に開花した花。毎年繰り返される春のセレモニーなのに、何べん繰り返しても感動するのは、そこに人の手の及ばぬ神の摂理を感じてしまうからかもしれません。


春だより

2015年03月06日 | 野草

  ぽかぽかと春めいたかと思うと寒さが戻ってきて、三寒四温、まさに春の訪れは気ままです。 そんな事情もあってか「明日は咲くか明日は咲くか」と待っている花たちも、なかなか思うに任せません。

ヒトリシズカはこんな具合

長々と 首をもたげて咲き始めたのは春欄。

ずっと待ちぼうけをくらっているのはバイモユリです。

「いい子、いいこ、いい子だから早く咲こうね」

毎朝おまじないのようにそう言い聞かせているのに、なかなか蕾は開きません。今年は思いがけなく豊饒なできなのですが、開花は今しばらくおあっずけのような貝母ユリです。


ロベルト・クートラス展・夜を包む色彩

2015年03月05日 | 展覧会

 東京・渋谷松涛美術館で開催中のロベルト・クートラス展に行ってきました。 

      写真は展覧会のポスターです。一枚の絵画のように見えますが、実は12×6センチの携帯のカバーくらいの大きさのカードに描かれた作品で構成されています。

  展覧会の作品の多くが、小さなカードなのですが、油絵の具を厚塗りした上にユニークな顔や植物や動物や模様が描かれ、塗り重ねられられ削られ汚され、不思議な世界を生み出しています。しかも、この小さなカードが集まった時に、まるで詩人の言葉の集積のように、深い味わいのある世界が作り出されるのも不思議です。

 貧しさと孤独との戦いの中で描かれたという作品群ですが、その根底にあるやさしさ暖かさのようなものが感じられる、素敵な展覧会でした。

 ロベール・クートラスは、亡くなるまでのおよそ17年間、カルト(carte)というカード画の制作に没頭しました。縦12cm×横6cm程に切り抜いたボール紙に、油絵具で、人の顔をした蝶やうさぎ、足の間から顔を覗かせてこちらを見ている人、暗号のような文字など、彼の心の中にある物語を毎夜描き、それらを「Mes Nuits(僕の夜)」と呼んでいました。
 
「クートラスはロマネスク時代の存在なんだよ。今の時代はこうした孤独な夢想者、天才的な職人そして心底からの詩人なんか見向きもしない。われわれの時代は、詩人たちを必要としていない。」と彼の友人は語ったそうですが、きっと今もわずかに存在している、“アナーキーで哲学的で、内気で孤独な冒険者たち”のために・・・(引用)、とこの企画者は企画の意図を語っています。
 
                                          3月15日まで東京渋谷松濤美術館
                                           入場無料といのもうれしいです。