映画「ツヒノスミカ」をみて、 近頃の若者も、どうしてどうして捨てたもんじゃないじゃん、ちゃあんと育ってるよ、なんて思いながら、自転車をこいで家に帰ってきた。本日は満月。
映画はとてもおもしろかった。見終わって感じたのは、人をみつめる目のあたたかさ。それでいて奥行きも結構深い。(これらはカメラマンの力量もあるのかもしれない)
主人公は、監督の実の「おばあちゃん」とおとうさん。 舞台は羽鳥のおばあちゃんの家と呉服町の「ちぐさ」という店。 、田舎風景は、藁科川の上流の小島という。
羽鳥で一人暮らしをしているおばあちゃんが、妹がお風呂の事故で死んだのをきっかけに、「さびしい」から一人暮らしはいやだといいだした。それじゃ、家を建て直して息子夫婦と一緒に暮らそう、ということになって、いよいよ家の解体が始まる。その息子とおばあちゃんの70日間を、カメラマンがていねいに追いかけている、ドキュメンタリー。
静岡ってこんなにきれいだった? 静岡ってこんなに歴史のあるj町だった? 静岡って、こんなに人間関係のあつい町だった? 親子って、こんなにやさしいものだった? 映像をみながらそう思った。
したたかで、明るくて、陽気な90歳のおばあちゃんと、それをありのままに受容して、今でも呉服町の店の店番をさせているという家族、その姿に、思わずなみだがでてきてしまった。「一人暮らしは さびしい、さびしい」といって亡くなった、自分の母の姿と重なってしまったから。
それにしても、私の周りは、孤独でさびしい年寄りが多すぎるような気がする。