今朝、鶯が鳴きました。ここでの初鳴きです。
谷津山から見たアトリエ風景です
春の光に誘われて谷津山に登ってみました。まだ木々は春霞の中で足踏みしているようですが、さくらの蕾は、ほんのりと桜色で、じきに開花しそうな気配です。
そんな中、元気な子供のような姿ではしゃいでいるのは荒れ地の雑草たち。お日様の光に呼応するかのように芽を出し花を咲かせ、大地一面を覆っています。どんな荒れ地でも、水と太陽のエネルギーさえあれば、 地球が消滅しない限り生き続けるでしょう。
「エネルギ」ーといえば、先週、鹿児島に行ってきました。「エネルギー」事情の視察です。
以前からかかわっていたエネルギー関連グループから声が掛かり、薩摩川内(さつませんだい)市の原子力発電所と、鹿児島の南の端にある小さな町・山川市の地熱発電所を見学してきました。山川の地熱発電所は、温泉でも有名な指宿の地下のマグマの熱を使って発電する、発電所です。こちらは誰でもが賛成する自然エネルギー利用のものです。一方、川内原子力発所は、3・11以来すべてが停止した日本の原子力発電所の中から、いち早く稼働を再開した日本で一つしか動いていない発電所です。
誰でも簡単にいける場所ではないし、何か報告らしきものを書こうと思ったのですが、巨大な怪獣みたいなエネルギー・原子力については、その一部分をつついても片手落ちに成りそうなので、稼働を再開させた川内の女性グループの方たちと懇談した時のことだけをレポートします。
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あの「ふくしま」の悲劇を目の当たりにした私たちは、原子力の稼働に「OK」を出した町のことも、人々のことも、正直、判りませんでした。生活者なら稼働反対の人も多かったはずだと思っていたのです。ところが、彼女たちは言うのです。
「危険を感じないかって? そりゃあ心配はありますよ。でも、電力会社の人たちを信頼しています。嘘をついたり隠し立てをしたりしない、本当のことをちゃんと話してくれる。そういう関係が電力会社の人と町の人との間にできてから、信頼がうまれました・・・」
「電力会社の人たちには、本当に良くしてもらっています。」
「お祭りの時でも運動会の時でも、町のことに積極的にかかわって、会を盛り上げてくれるんですよ」
「この町の活性化にはなくてはならない存在です」
「あの人たちのやっていることなら信じてあげよう! 応援をしてあげよう! そういう気持ちになったんですねー。そういう信頼委関係があったからこそ、今回の稼働につながったんですね」
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「何を信じるのか」 科学でも政治でもない 「人間を信じる」というのです。
たまたま私たちの出会ったのが、町のリーダーだったからかもしれませんが、彼女たちは、屈託なく「熊本地震の時も、発電は停止しなかったし、安全は保たれています」と笑って話します。
さすが 火の国 薩摩おご女! 「芯が通って気が強く男を立てるのがうまい!」、そんな言葉を思い出しましたが、小さな町の小さな発電所とそこに住む人々とのコミュニティの在り方は、地域の暮らしとの関係、しいて言えば、発電所が人々の仕事の場として大きくかかわっていることとを認識させられたのでした。
いつだったか、チェルノブイリの事故の後、「寒さは飢えより恐ろしい」 という見出しで、チェルノブイリで発電が再開された記事を読んだ時のことを、ふと思い出したのでした。
遠くに見えるのが川内原子力発電所1号碁と2号碁