陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

秋の宝石ー3 (シュウメイギク)

2018年10月23日 | 野草

ここのところ、仏像を彫りたいと思いたち、

その練習のつもりで、小箱に花の模様を彫り始めました。

その模様というのが、新羅時代  (奈良時代前期650年頃) のもので、

朝鮮半島で出土された瓦に彫られた、なかなかかわいいデザインなのです。

 

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(慶州臨海殿跡出土・発見された珠文帯縁複弁蓮華文) 

  

書き写して彫り始め、さて、中心からマッチ棒のように突き出しているのは何?  と気になったのです。

で、庭のシュウメイギクで調べてみました。(下の写真)

 

 

どうでしょう・・・、雄蕊を取り囲む雌蕊のようすも、それを取り巻く花弁のようすも、

なんと新羅の瓦の模様とそっくりではありませんか!

 

 

ウイキペディアによると、シュウメイギクは、古い時代に中国からやってきた帰化植物だとか。

それなら、当然新羅時代の朝鮮半島をも通過してきたでしょう。

そして、その間にも、たくさんの人に愛でられ、何かの模様になっていても不思議ではありません。

新羅の瓦職人が、じっと花を観察しながら図案を作っている様子が、目に浮かびました。 

1500年以上も昔の瓦なのに、親しみがわいてきて、古代人と握手をしたような気になったのです。

 

遠い日に   仏とともに渡り来し   秋明菊の  花の明るき

 

*(ところが、仏像に使われる花はハスの花に限られ、寺院の瓦の模様も「蓮華文」とのこと、

シュウメイギクではなさそうなのです。残念!!)


秋の宝石-2 (イワシャジン)

2018年10月19日 | 日記・エッセイ・コラム

秋の宝石ー2   イワシャジン 

 

イワシャジンを見ると、私は、なぜか高貴でうつくしい女人を想い浮かべるのです。

そう思い込むまでにはいくつかの理由があって、

その第一が、源氏物語に登場する「むらさきの君」です。

やんちゃで利発な少女「若むらさき」が、知的で美しい女性「むらさきの君」成長していく、

その象徴を「むらさき色」に感じていました。

*

もう一つ、こちらは万葉集、有名な  額田王と大海人皇子 の相聞歌、 

 あかねさす  むらさき野いき  標野ゆき   野守はみずや   君が袖ふる 

むらさきの   にほえる妹を 憎くあらば  人妻ゆえに   恋ひめやも

この歌の壮大なシチュエーションを、

紫色の花の咲く野に馬を走らせる大海人皇子が、走りながら白い衣の袖をひらりと振って

額田王に合図を送っている、とロマンチックに想像していたのです。

あかねさす紫野も    色(赤むらさき色)   の花の咲く野と思っていたのです。

ところが、後になって「紫草」の花は白い花だと知ってがっかり、困惑したのでした。

 

貴人の秘めたる恋の色は、やっぱり「むらさき」でなけらばいけません。

 

 

亡き母の   晴れの日の色 イワシャジン

 

 

 

 

 

 

 

 

 


アサギマダラとフジバカマ

2018年10月14日 | 日記・エッセイ・コラム

雨上がりの空に、うっすらとお日様、そして爽やかな秋の風

そうだ、これこそ  アサギマダラ日和だ!

そう思って庭に出ると、翔んでました  翔んでました!

昨年より10日遅い、アサギマダラの飛来です。

 

 

写真を撮っていて、ふと思い出したのです、

去年行った 丸子の里(静岡市葵区)の藤袴畑のことを・・。

 

で、車で20分程走ってみると、

案の定  そこには数頭のアサギマダラが飛翔していました。

 

 

そこで見つけたのが、このアサギマダラです。

マーキングしたアサギマダを発見したのは、初めてのこと!

 

 

 KEU 84

10 13

 

よく見ると、マーキングは、昨日つけられたばかりの近隣のものでした。 

でも、昨年ここでマーキングしたアサギマダラは、

34日をかけて鹿児島県屋久島まで行きそこで発見された、

という記事が近くに書かれていました。

この蝶の旅は、これから始まるのでしょう。

 

2018.10.14  13時   丸子にて

 渡り蝶 旅の一夜の 花野かな

 


ルリタテハとホトトギス

2018年10月12日 | 日記・エッセイ・コラム

 

9月25日 

庭のホトトギスの茎に一匹の蛹を見つけました。

それまで、ホトトギスの葉を食べてしまうトゲトゲの毛虫をよく見かけたのですが、

その毛虫の蛹に違いありません。

さて、どんな蝶が出てくるのか・・・、

観察することにしました。

 

10月1日  

 朝夕 観察すること一週間あまり、

体の真ん中に目らしきものが、キラリと光るものが 現れました。

怪獣のような風体です。

 

 

10月5日10時20分

   

蝶の誕生です。 

  いつまで待っても、お尻からぶらさがったままだった蛹が、

ついに、脱皮したのです。

 

 

 

大きな蝶です。

ギザギザ模様の羽根から「タテハ蝶だ!」とわかりました。

が、なかなか羽根を開きません。

観察を始めてから2週間あまり、

二度の颱風にもびくともしなかった「蛹」が

ルリタテハ になったのです。

 

ルリタテハ

 写真・ウイキペディアより

 

 

10月12日  

あっという間に飛び去ったルリタテハのことなど忘れたように、

今、

ホトトギスは、満開です。

ホトトギスがルリタテハの食草だということを、私は、今回初めて知ったのでした。 

 

 瑠璃色の  蝶育てたり  ホトトギス