ここのところ、仏像を彫りたいと思いたち、
その練習のつもりで、小箱に花の模様を彫り始めました。
その模様というのが、新羅時代 (奈良時代前期650年頃) のもので、
朝鮮半島で出土された瓦に彫られた、なかなかかわいいデザインなのです。
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(慶州臨海殿跡出土・発見された珠文帯縁複弁蓮華文)
書き写して彫り始め、さて、中心からマッチ棒のように突き出しているのは何? と気になったのです。
で、庭のシュウメイギクで調べてみました。(下の写真)
どうでしょう・・・、雄蕊を取り囲む雌蕊のようすも、それを取り巻く花弁のようすも、
なんと新羅の瓦の模様とそっくりではありませんか!
ウイキペディアによると、シュウメイギクは、古い時代に中国からやってきた帰化植物だとか。
それなら、当然新羅時代の朝鮮半島をも通過してきたでしょう。
そして、その間にも、たくさんの人に愛でられ、何かの模様になっていても不思議ではありません。
新羅の瓦職人が、じっと花を観察しながら図案を作っている様子が、目に浮かびました。
1500年以上も昔の瓦なのに、親しみがわいてきて、古代人と握手をしたような気になったのです。
遠い日に 仏とともに渡り来し 秋明菊の 花の明るき
*(ところが、仏像に使われる花はハスの花に限られ、寺院の瓦の模様も「蓮華文」とのこと、
シュウメイギクではなさそうなのです。残念!!)