陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

赤い実

2006年11月28日 | 野草

 あっという間に山野草がかれた。

_003_5 殺風景になった庭のところどころで、赤い実が目立つようになった。下向きに赤い実をたくさんつけているのがマンリョウ(万両)である。

_001_5 では、ほんの二つか三つちいさな赤い実をつける背の低い植物は何かというと、これが十両(ヤブコウジ)である。

万両、千両、十両。おかしなネーミングである。わが家の庭に自然に生えてきたのは万両と十両で、千両がない。どうして千両がないのか不思議である。千両は、上向きについていて、(よくクリスマスケーキの飾りについている赤い実)明らかに前者とは種類が違うようだ。

 庭の万両と十両は、小鳥の糞から発芽して大きくなった。

 本をしらべいみると、万両も十両も小鳥の大好物だとある。小鳥には、枯れ葉の中に見え隠れする、あの赤い小さな実が見えるのだろう。とすると、千両は、小鳥にとって食べにくい状態なのか、あるいは同じ赤い実でも味が悪いか、などと余計なことを考えてしまった。


白化粧掛け分け壷

2006年11月27日 | 作品紹介

Photo_8 Tさんの作品。

白化粧の掛け分けをした作品です。

 なかなかいい感じにならず、三回目の焼成で、やっといい雰囲気が出ました。

焼き物は、焼成を重ねることでいろいろと表情が変わりますが、必ずしも焼き重ねることがよい結果に繋がるとは限りません。

焼成の目標を何処におくか、それによって違ってきます。


窯あけ

2006年11月26日 | 作品紹介

 窯を開けました。

                                                                                                          同じSさんの作品ですが、表情が違います。Photo_6

どんな釉薬をかけるか、酸化焼成にするか還元焼成か、

そのバリエーションの違いが、楽しめる作品になりました。

Photo_7  

 穴窯や登り窯の場合は、容積が大きいので、数ヶ月から

Photo_9 半年作りためておいた作品をまとめて焼きます。だから一年に数回しか焚かないし、窯開けも数回しかありません。それに比べると、容積の小さい私の窯は、一月に何回という具合に焼けますから、悪いところを改良することもできるし、手軽に試行錯誤を繰り返すこともできて、そういう意味ではとても便利な窯だと言う事ができます。

写真はクリックすると拡大します。


緋だすき大皿

2006年11月23日 | 作品紹介

_002_4  備前焼きなどでおなじみの緋だすき。

 薪窯では、乾燥した器に藁を撒きつけて簡単に作ることができる。ところが、クリーンな電気窯でこれを作るのは、なかなか難しい。

 今回、Tさんがこれに挑戦。吹き付けの釉薬と調和した面白い緋だすきの大皿が完成した。


植木鉢

2006年11月19日 | 作品紹介

 「谷津山の会」が、「イヘントに出展するための植木鉢」が欲しいとのこと、製作を引き受けた。会員のみんなと、30個近い植木鉢を作って焼成し完成、なかなかの出来である。

Photo_5  さっそく庭にこぼれたお茶の実から出てきた小さな苗を植えてみた。写真を参照。

 山野草のないこの季節、かややどんぐりの実生の苗を山から採ってきて、上から苔をかぶせておくと、味わいのある鉢になる。


アメリカからのお客様

2006年11月17日 | 日記・エッセイ・コラム

 先日、アメリカから、珍しい客人がみえた。終戦後間もなく、わが家(実家)にやってきて、家族ぐるみで親しくなったアメリカ人である。

 1945年、終戦後の日本には、たくさんのアメリカ兵がやってきた。いわゆる「進駐軍」である。進駐軍はチョコレートやキャンデーやチューインガムを持っていて、子どもたちは、半ばおそれながらも好奇の目で近づいたものだった。

20061014_045  そんな進駐軍の一人だった18才の少年が、わが家にやってくるようになったのは、兄が旧制の中学生で、英語が少し話せたことと、母が、息子と同じぐらいの少年を可愛がったからだ。たびたび家に来るようになって、家族ぐるみの付き合いになった。彼も、母を「日本のおかあさん」と呼んで親しんだ。その後、アメリカに帰ってからも文通が続き、彼は大学に入り技術者になったと聞いた。

 あれから60年。少年は80歳になった。

 「もう一度日本に行きたい。日本のお母さんに会いたい」、そんな手紙があって、彼は先日、日本にやってきた。 残念ながら母は亡くなっているので、墓参りをすませて、私たち家族は60年ぶりのウエルカムパーティを開いたのだ。かつての少年と少女は、かなりのオールドボーイとオールドガールなのだが、60年の年月をタイムスリップして、楽しいひとときになった。

 いろいろな国家の事情は別にして、人と人とは、ごくごく当たり前に心を通わすことができるのだと、亡き母を懐かしみながら、感慨を新たにした次第。

 


縄文土器

2006年11月12日 | 陶芸教室

 陶芸教室のSさんが、縄文土器を作りたいと、縄文模様のための道具を幾つか作ってきた。

_008_3  竹の棒にタコ糸を網目にむすびつけたもので、竹の棒をくるくる転がすと、面白いように縄文模様が刻まれる。「なるほど、縄文人はこんな道具を使っていたのか」と、改めて驚かされた。

 その縄文模様がすっかり気に入ってしまって、すぐさま縄文土器に挑戦となった。 縄文の執拗なまでの過装飾も、実はかなり計算された美意識に基づいていることが分る。

  しばらくは、病み付きになりそうだ。、


ルシー・リーのボタン

2006年11月11日 | 作品紹介

1  ルーシー・リーは、戦後の貧しい時代、内職にボタンを焼いた。多分、陶芸どころではなかったのだろう。

 

4_1  最近になって、そのルーシー・リーのボタンに目をつけたのは、ミヤケイッセイだと聞いた。彼の作品に、ルーシー・リーのボタン(コピー)を使った。

3   そんなことが関係してか知らないが、今、陶芸でボタンを焼くことがはやっている。でも、やってみると、たかが1~2センチのボタンを作るのに、茶碗一個を挽く以上の労力がかかる。しかも、なかなか難しい。

さて、ここからどんなボタンがうまれるか  !

写真は、現在試作中のボタン。ルーシー・リーのボタンとは全く別物。


リンドウ

2006年11月10日 | 野草

 11月も中旬に入ろうというのに、暖かでのどかな小春日和。

 久しぶりに庭にでてみると、庭のあちこちに落ち葉の吹き溜まりができている。先日の強風で、木々がいっせいに葉を落としたのだろう。しばらく留守にすると、いちばん荒れるのが「庭」だ。小半日をかけて落ち葉をかき集め、庭掃除。

20061110_017_2  朝晩の冷え込みで、花はほとんど終わってしまった。 そんな中に、咲いていた可憐な一輪、竜胆(リンドウ)だ。

20061110_018  リンドウにもいろいろあって、最近では、園芸種の花をいっぱいにつける背の高いリンドウが一般的だが、わたしは、たれた茎の先に釣鐘型の花をつける、このリンドウが好きだ。