あっという間に山野草がかれた。
殺風景になった庭のところどころで、赤い実が目立つようになった。下向きに赤い実をたくさんつけているのがマンリョウ(万両)である。
では、ほんの二つか三つちいさな赤い実をつける背の低い植物は何かというと、これが十両(ヤブコウジ)である。
万両、千両、十両。おかしなネーミングである。わが家の庭に自然に生えてきたのは万両と十両で、千両がない。どうして千両がないのか不思議である。千両は、上向きについていて、(よくクリスマスケーキの飾りについている赤い実)明らかに前者とは種類が違うようだ。
庭の万両と十両は、小鳥の糞から発芽して大きくなった。
本をしらべいみると、万両も十両も小鳥の大好物だとある。小鳥には、枯れ葉の中に見え隠れする、あの赤い小さな実が見えるのだろう。とすると、千両は、小鳥にとって食べにくい状態なのか、あるいは同じ赤い実でも味が悪いか、などと余計なことを考えてしまった。