朝、庭に出ると、バサバサっと飛び立つヒヨドリの気配。
よく見ると、巣立ったばかりの幼い雛鳥がおどけた目でこちらを見ている。
庭石の上に、じっとうずくまったまま動かない。
大変だ!
じっと、隠れて観察すること 5分・10分・30分。
ピーピー、ピーピー、鋭い鳴き声のあと、
バサバサと、二羽の親鳥が、何処からともなく舞い降りた。
口には、しっかりと餌をくわえている。
餌をもらう赤ちゃんヒヨドリ。
何べんも何べんも、餌を運んでくる。
親鳥に餌を催促する赤ちゃん。
たくさん食べて、元気になって、
さぁー、飛ぶぞ ! という気配を見せるひなどり。
その時
「大変だ、蛇がきたんだ ! 」 とお向かいさんの大声。
お向かいの木蓮の木に、ヒヨドリが巣を作って、一ヶ月、
赤ちゃんが孵ってからずっと、
蛇が、雛鳥をねらっていたのだという。
「その気配をいちはやく察して親鳥は、まだ巣立ちにはちょっと早い赤ちゃんを巣から追い出して、蛇から守ろうとしたんでしょうね」
私とお隣さんは、勝手にそう想像し、鳥の賢さを賞賛、朝から爽やかな気分になったのだった。
ひなどりは、少しずつ飛翔距離を伸ばして、親鳥と一緒にどこかへ姿を消した。
*写真は、クリックすると拡大します。ボケていますが、悪しからず。