陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

冬が来る前に!

2023年11月12日 | 日記・エッセイ・コラム

日が短くなりました。朝の6時でも薄暗いのに、夕方5時にはもう夕闇、冬の訪れも間近かです。

こんな季節になって、ようやく一頭のアサギマダラがやってきました。はたして渡りが成功できるか心配です。

 

2023年11月12日午後3時撮影、於・家の庭  

渡り蝶何やら淋し秋も暮れ

朝晩の気温もめっきり下がって , あっという間に山や庭の木々が葉を落と始めました。ヒメシャラもヤマボウシもエゴの木もツリバナもサルスベリも葉を落とし、あたりは一斉に晩秋の風情です。山添いの我が家は落ち葉でいっぱい、掃いても掃いてもまた溜まります。最近はその枯葉を集めて畑に埋めるのですが、それもすぐに枯葉の山!

山の樹々の中でも最も早く葉を落とすのは桜、花で散り葉で散り一年の半分は裸です。木の下は明るく日当たりがよいからか、春には紫陽花が、夏には草木が、今はツワブキが咲いています。

 

ありたけのひかりあつめて石蕗黄なり  細木芒角星

さくらの木の下から、青い空を仰ぐように伸び上がったツワブキの花です。

お転婆の少女のごとく石蕗の咲く

さあ秋を楽しもう! 冬の来る前に! 


アサギマダラ日和

2023年11月06日 | 日記・エッセイ・コラム

今年も「日展」の季節になりました。日展の入選通知は速達郵便で送られてきます。その通知を受け取るまでの数日間は何とも気持ちが落ち着か

ず、空を仰いでは幸運を祈るばかりです。

 

 晴れた青い空・・・満開を迎えたフジバカマの花と香り・・・

    空からヒラヒラと舞い降りてくる数頭のアサギマダラ・・・

そんな秋の日を「アサギマダラ日和」と名付けて、私は「日展入選通知」と重ねていました。アサギマダラが入選通知を運んでくる・・・と。

ところが、今年はどうした訳かフジバカマが満開になってもアサギマダラは飛んでこないのです。もしかしたら「私の所にだけ来ないのかもしれない・・」ふと不安になってフジバカマの植えられている農園まで車を走らせてみましたが、ここにもアサギマダラの姿はありませんでした。これは多分異常な気象(猛暑)のせいなのだ、と胸をなでおろしたのでしたが、結局、我が家の庭にアサギマダラは飛来しませんでした。でも、入選通知の方はちゃんと届きました。

 

2023年・改組第10回日展は11月3日に始まりました。館内はこの日のために各地から集まった人々でいっぱいです。

今年は春から体調を崩し不調と酷暑と戦いながらの作陶でした。テーマはストラヴィンスキーの「春の祭典」と決めていたのですが、なかなか思うに任せず表現不足の「春の祭典」になりました。

 

澄み渡る秋の空の下、国立新美術館のテラスを優しい風が通り過ぎていきます。なにげないおしゃべりをしながら、この解放されたひと時が何物にも勝る喜びなのだと、ふと気付きます。そして「来年もまたがんばろー」と思うのです。