陶芸工房 朝

アトリエ便りです。どうぞよろしく。

旅の記憶ーホノルル美術館から

2019年01月29日 | 旅の記録

ハワイは、芸術の中心からは遠く離れていますが、

人種の多国籍、多民族性においては、他の国にはない特色を持っています。

そしてそれは、それぞれの民族の受け継いでいる文化遺産や芸術に対する理想を、共有することができるということです。

ハワイ原住民・アメリカ人・中国人・韓国人・日本人・フィリピン人・北欧人、

ここに住むすべての人々が、どの民族にも共通する芸術を通じて交流することで、

私たちの先祖が生み育ててきた、この国ならではの文化にも気づくことができることでしょう 。

 

1927年4月、ホノルル美術館の開館式でのアナ・ライス・クックの言葉です

 

 

オアフ島の宣教師の家に生まれ、実業家のクック氏と結婚したアナは、夫の事業が成功を収めると美術品の収集を始めます。

そして、その美術品のコレクションをもとに、自分の家だった場所に、伝統的なハワイ様式で美術館をつくります。

それが、現在のホノノルル美術館の始まりでした。

 

 

当時のハワイは、カメハメハ大王が統一ハワイ王朝を確立し、サトウキビの栽培で活況を呈していました。

サトウキビづくりのために、中国、朝鮮、フィリピン、日本  等々からたくさんの労働者が移住してきました。

(1943年のパール・ハーバー・真珠湾攻撃の20年近く前のことです。)

   今のハワイといえば、色とりどりの布をまとった観光客であふれ,人気店の前にはたくさんの人が列を作って並んでいます。

街中には乗り合い馬車のような観光バスが走っていて、たくさんの観光客の足になっています。

でも、よく考えればそれも、そんなに昔からのことではないのでしょう。

*

私はひとり、「レアレア(無料の観光バス)」に乗って、ロイヤルハワイアンセンターから美術館に向かいました。

公園や港やハワイの出雲神社なんて所も通って、ワイキキ海岸とは反対の山側まで走ると、そこにホノルル美術館がありました。

二頭の動物が出迎える、伝統的なハワイ様式の立派な建物です。

そこを入ると、まずカフェがあり(食事だけでもOK)そこでお茶を頂いたから、その先のギャラリーに向かいました。

 

*

 

 最初のギャラリーのドアを開けると、アジア美術コレクションの部屋が広がっていました。

 

 

近くの島々で使われていたものでしょうか、ユニークな民芸品の数々が目を引きます。

手の込んだ木彫りの作品は、どれも緻密な手仕事でできています。

芸術品というより何かの儀式か、装飾のためのものだったのでしょう、

どことなく原始的な稚拙さもあって、親しみを感じます。 

 

 

   

これは、上の写真4頭の馬の彫り物の一部分です。

 最近私の彫っている木彫と比べると、なんという緻密さでしょうか。

アジアの島々のレベルの高い木彫りの技術が、人々の暮らしの文化をも育んでいたのでしょう。

 

 

一つの国の展示が終わると、次の部屋が現れます。

そこでは、また新たに趣の違う文化が展開されます。

 

 

 

 

 

インドやタイやカンボジアです。

少しずつ、特色の違う仏像がならんでいます。どこかで出会ったことのあるような仏像たちです。

 部屋は国ごとに展示を変えながら、回廊のようにくねりながら次々に続きます。 

収集品の数の多さ、その選択眼の確かさ、素晴らしい展示空間   ただただ感嘆するばかりです。

 

 

カンボジア、ラオス、ベトナム、の彫刻や金属細工   

  

 

 

 

 

そして、部屋はさらに、中国、朝鮮、フィリピン、沖縄   日本   と続きます。

 

 

*

これらの「アジアコレクション」だけでも、2万余点の品々がが飾られています。

そのほとんどが、コレクターからの寄贈品である、ということも驚きです。

個人のコレクションから美術館が始まり、さらに多くのコレクターの寄贈品が集合体になって、

この美術館が成り立っていることがわかります。アメリカやヨーロッパではよくあるスタイルnあのだそうです。

この美術館の特色は、回廊式ギャラリーの外に,美しい中庭があることです。 

 

 

言い換えれば、いくつかの中庭を囲むようにギャラリがつながっていて、

次のエリアへの導入の役割を果たしています。ここでお茶を一服,ということでもあります。

 

 

これは、日本館の正面の仏像です。

日本館には、狩野派の絵画や絵巻もの、桃山時代の「洛中洛外図」や女性の装束なども展示されています。

*

ここまでのアジアコレクションを見るだけでも、小半日はかかりました。

さらに、ヨーロッパやアメリカのエリヤをみるとなると、もう一日が必要です。

私は、一日目をアジアコレクションの見学に当て、次の日,もう一度ここを訪れることにしたのでした。

そこには、ギリシャ、アッシリア、エジプト アフリカ  等々、古代の作品から、

現代アメリカ、現代ヨーロッパの美術まで、1万5千点ものコレクションが網羅されてるのでした。

もちろん、ピカソやマチスやセザンヌやゴッホ にも出会えました。

ハワイは、若い男女が波乗りを楽しみ、遊びに興じるところ・・、

そんな印象を払拭してしまうような、奥行きの深い素敵な美術館でした。

太平洋の真ん中のハワイという地域の力強い文化の構成、

素敵なものに出会った時の、あの何とも言えない心地よさで、私は再びレアレアに乗ったのでした。

 

 

 

 


パソコンがうまく動きません

2019年01月25日 | 日記

旅の記憶―ホノルル美術館より

 

あっという間に2019年の1月が終わりそうです。

旅の記録を書かなくてはと焦っているのですが、パソコンがうまく操作できません。

   これまで使っていたウインドウズ8.1から、ウインドウズ10に切り替えようとしているのですが・・・・。

                なかなかうまくいきません。しばらくのご猶予をお願いします。

 


旅の記憶ー1

2019年01月20日 | 旅行記

ベッドの中で目をつむっているのに、確かな感覚として感じるのだ。

 

ちょっと飛び上がって、地球の上を半周飛んで、着地したら、そこは夏の海だった。

 

                                  ワイキキ海岸

 

青い海の近くには、色とりどりの布をまとっただけのサンダルばきの人たちが、ぞろぞろと海辺を歩いている。

何をしているのかよくわからないが、当然のようにそこにいて、当然のようにそこを歩いている。

 

 

カラカウア大道り(写真はウイキペディアより)  

 

ああ、ここは、いつもの世界ではないんだっけ、別の世界だったよね! 

同じ今の、同じ地球の表と裏というだけなのに、なんだかタイムスリップみたいだ。

 

ホノルル 美術館で、インドネシアの古代人の作った木馬と出会った。

なんともかわいい美しい木馬だ。

 

ホノルル美術館のアジア棟の一室 

 

動物の骨か牙のようなものを削って三角形にして、花の模様を木馬の胴体にうめている。

ちょっと長めの胴体がバランスの良い美しさを保つのにはどうしたらいいのかと、

あれこれ考えながら試したんだろうな、そんな気がする。 

 

 

「しっぽの上げ方は、どの角度が一番いいだろうね」

「そう、その曲線がいいね、そのバランス!  その模様!   とっても素敵だよ!」

ずっと昔、これを作った人と出会って、こんな会話をしているような気がしてくる。

ずっとずっと昔の私の祖先のそのまた昔の遺伝子が、私の中でかすかに疼いて、そう思わせる。

 

私にとっての旅は、距離の長さだけでなくて、時間を遡ることでもあるようだ。


ホノルル美術館からアロハ

2019年01月06日 | 旅の記録


今年のお正月は、娘家族と暖かなハワイで過ごしています。

 


ホノルル美術館に行ってきました。

ここには、世界各国から集められた
すばらさしいコレクションの数々が展示されていて、一日いても飽きることがありません。





詳しい情報は、帰国してからまた書きますね。


平成30年の除夜の鐘です。

2019年01月01日 | 日記・エッセイ・コラム

近くの清水寺から除夜の鐘がきこえてきます。

平成の年号が迎える最後の夜の鐘です。

 

 

中国宋(そう)代から始まったとされる除夜の鐘。

凡夫(ぼんぷ)の煩悩(ぼんのう)を108種とし、その消滅を祈念するといわれるものです。

心を纏縛(てんばく)して修行を妨げるもの、

無慚(むざん)・無愧(むき)・嫉(しつ)・慳(けん)・悔(げ)・睡眠(すいめん)・掉挙(じょうこ)(こんちん)・忿(ふん)・覆(ぶく)

これらの10種と人々を迷いに結縛(けちばく)する98結からなる108の煩悩、そっこから心を解き放すのだそうです。

 

                                                                                 静岡市葵区音羽町の清水寺鐘楼

 

災いの多かった2018年(平成30年)、次の時代が安らかで平和なものでありますように。

浜の寺山の寺より除夜の鐘    きくちつねこ