十月・神無月。
いつものお蕎麦屋さんに行ったら庭の壺いっぱいにススキとコスモスが活けられていた。あっという間にもう秋だ!
コスモスの揺れ返すとき色乱れ 稲畑汀子
昔の暦では、十月のことを神名月と言った。日本中の神さまが神社から抜け出し出雲に集まる月だから、出雲は神有月、地方では神名月。そんなイメージも、徐々に気温が下がり日暮れが早まる季節のうつろいあってのこと。ところが昨今の気候ときたら、いきなり35度の夏から15度の秋だ。地球変動か地球温暖化か知らないが確かに何かが異常だ。
そんなことを想いながら庭に出た。
ところが、よく見ると夏の間にすっかり枯れかけていた草花が新しい芽を吹き、葉を出し、花を咲かせているではないか。草花ばかりではない、木も虫も鳥もメダカもちゃんと生きている。なんという逞しい生命力。驚くばかりの自然の対応力。
何本かは枯れてしまったが生き延びたフジバカマが花芽をつけている。
アサギマダラが来る10月下旬には,花が咲き香るだろう。
去年のことふと思い出す藤袴
ホトトギスも大部枯れて去年の半分程になったが葉裏には毛虫(ルリタテハの幼虫)が育っている。
夏の終わりを惜しむように鳴いていたツクツクボウシがいつの間にかいなくなり、代わって秋の虫の音が聞こえてくる。
強烈な太陽の下では顔を出さなかった山野の花たちが咲き始め、新米が獲れてご飯が美味しくなった。栗ご飯もむかごご飯も秋の味だ。
そういえば、麻機沼の蓮根が出始めた。蓮根は天ぷらもいいが、擦ってボールにして油で揚げて甘酢あんかけで食べるのもおいしい。
命あるものの命の連動、命の共感。
ホトトギス葉裏に蝶を住まわせて