ヴィンパパオの陶芸工房
空き地に屋根と囲いがついているだけなのも、
暑いタイならではのこと。
広い敷地のあちこちに場所を決めて、いろいろな仕事が分業で行われている。
ここでも、轆轤の達人と出会った。
こともなげに大壷をひいているようにみえるが、左についている竹の棒で、高さを測り、正確に同じものをひく。
ここで使われている轆轤は、古タイヤを応用したものだ。どこでもタイヤが大活躍。見事にタイヤが轆轤に転身している。
拡大してみてください。すべてが手作りの道具ですが、轆轤のの腕はどの人も大したもの。
赤いいベンガラを塗ってから、その上に、
次々とナイフで花を彫っていく。
ここで使う粘土を作っている所。
これを土練機に土を放り込んで、精錬し使いやすように棒状にする。
焼成は薪とガスの両方でやっている。
ただし、 薪は、温度を上げるだけに使っている感じの雑木である。
タイの焼き物の主流は、どうやら屋外で使う大きな壷や鉢の類らしい。その他に、寺院で使う祭器のようなものも多い。
日本でよく見かけるガーデニング用の水瓶や植木鉢もここで作られている。それらはすべてハンドメイドである。行程を機械化するより人件費の方が安いのだろう。30年ほど前、私がやっていた穴窯の雰囲気を思い出した。もう、日本ではあまりみられなくなった光景である。
職人は、素晴らしい技術を持っているが、それが磨かれることなく消費されていく感じ。手仕事は、生活そのものなのだ。