金塊じゃないんダよ。でもね……。

　「むひひ。きんぴかでしョ？」

　「でもこれはニセモノなのデすよ。
　　八王子東急スクエアというところで
　　福引ガラポンをしたら、くれまシた。
　　残念賞、なのでス」

　「中味は、ティッシュなのでス。
　　ふつーのティッシュでス」

　「そんでもイイのでス。
　　なんか、金運がよくなりそな、
　　そんな気がしまス」

　「おへやにかざっておくでスよ」
　
　　

ホーカ、パロディ世界の極地クマたち！

「ネーさ、『ホーカ』って何ですか？……あっ！」

　気付いたかね、テディちゃ。ふっふっふ。

「親せきだ！　ボクの親せきがいますー！」

　親戚ではありません。彼らは立派な勇気生物、
　いえ、地球人と同じ炭素系有機生物、人呼んで、
　　　　　《トーカのホーカ》
　つまりトーカ星に住むホーカ人、なのです。

　ＳＦ作家ポール・アンダーソンと
　ゴードン・Ｒ・ディクスンの共同著作

　　　　――地球人のお荷物――

　に登場する、クマ型の異星人です。
　ホーカは優れた知性の持主なのですが、
　地球文化にのめりこむ度が過ぎて、
　ひんぱんに暴走しちゃいます。
　その暴走ぶりが素晴らしいのです！
　今作は全六話、そして四話目の作品が
　『バスカヴィル家の宇宙犬』。
　いやもう、私見ではありますが、
　ホームズものパロとしては史上最高作！
　だと思われます。

「…宇宙犬……題名もなんかスゴイでスね」

　個人的には、三話目の作品である
　『進め、宇宙パトロール！』
　これも大好きです！傑作です！
　何度読んでも笑えます！

「でも、ボクみたいな、ムクムク毛玉の
　テディベア型宇宙人、っていうと……」

　もしや、スターウォーズに出てくる
　イウォークを思い浮かべましたか？
　まったく問題外ですね。
　ホーカシリーズ第一作は１９５１年に
　発表されました。
　どちらが先か、なんていうまでもありません。
　
「ボクの大先輩……イイなァ……」
　
　画像は私の所蔵する旧版です。現在は
　あまの　よしたか氏による表紙のものが
　流通しています。（可愛いです！）
　シリーズはこの後、
　〈くたばれスネイクス！〉
　〈がんばれチャーリー〉
　の二作に続きます。日本人には馴染みの
　薄いアメリカの詩のパロディなども
　出てくるのですが、めげては駄目です！
　読んで大いに笑いましょう！
　
「笑うカドには福が来ちゃいまスもんね！」