「ネーさ、ついにおねつがでて、びょういんへ…。
しっかりするのでスよぅ」
参りました。
こんなに体調壊したのは何年ぶりだろう…で、
熱冷ましの気持ちで開いたのが、
―― 水の名前 ――
内山りゅう著、平凡社より’07年2月発行の、
美麗な水辺の写真と
水にまつわる古今の言葉を解説した一冊です。
「あ、おたまじゃくし!
けいりゅうのしゃしんも!」
……ええ、オタマちゃんや河川の写真は
よいのですが……うう、コワイ……。
「え? ナニ? なんなのでスか?」
山奥の池や沼、滝など眺めていると、
すこしばかり背筋がゾゾっといたします。
夜叉ヶ池の世界なのでございます。
水木先生の世界なのでござりまするよ。
「か、かんがえすぎ、ネーさ…」
かつてグリンペンの底無し沼も
代々のバスカヴィル家当主を
悩ませたものでした。
魔犬の遠吠えが響き、
村人たちを震え上がらせます。
葦の陰には脱走犯が身を潜め、
謎の人物がワトソン博士を脅かします。
かくのごとく、暗く草生い茂る池や沼は
人間に悪為すものなのでございますよ。
「ひゃあ、ネーさが、なんかへん、でスぅ」
あー、じめじめしたのより、
やっぱ明るい笑える話を読みたいなー。
ぶー。