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皆さま、名作《だよね?》劇場へ、ようこそ~!
「ふァ?
だよねッてェ、なにィでスかァ、ネーさ??」
名作だわ!と確信してはおりますけれど、
心のどこかに0.1%の迷いがあるのですよ、テディちゃ。
いえ……やっぱり名作ですっ!
さあ、御紹介いたしましょう! こちらを、どうぞ~!!
―― もしかして時代劇 ――
著者は宮本昌孝さん、1988年に発行されました。
時代小説の大御所さんとして人気の宮本さん!なのですが、
この御本は……えーと、そのぅ……
ううーむ、言っちゃっていいのかしら?
「かくしごとはァ、いけないィのでスよッ、ネーさ!」
ええい、
言ってしまいましょう!
この御本は、SFですっ!
「ふァ??」
いえ、ほぼSFです、と訂正させて下さいませ。
「ほぼォ、でスかァ」
でも、時代小説と全く無関係、ではないんですよ。
表紙のイラストでお分かりでしょうか、
石川五右衛門さん、出てきます。
羽柴秀吉さんも、出てきます。
家康さんや、
若き日の石田三成さんだって、出てきます。
ですが、主人公さんは。
花の17歳、
『ミス花らっきょう』コンテストに挑戦中の、
津田美雪さんです!
「……はならッきょゥ……」(←何かの暗号か?と悩んでます)
『ミス花らっきょうコンテスト』は
福井県福井市が主催するミスコンテスト。
絶対にミス花やっきょうになるんだ!と
参加者の美雪さんは決意していました。
だって、優勝したら!
定評ある映画会社の新人オーディション本選出場権を
貰えるんだから~!
ええ、そうです。
美雪ちゃんは三歳にして
『ゲーノーカイのチョーテンにたちましゅ』
と周囲に宣言した
タレント志願、
いえ、大スター志願者だったのです♪
「が、がんばッてくださいィ、なのでスゥ」
美雪ちゃん、めでたくミスの栄冠に輝く!?!
そう思われた瞬間です。
事件が、否、事故が起こりました。
いわゆる、時空間的事故、というアレでしょうか。
「えッ? けがしちゃッたのッ?!?」
怪我はありません、でした。
けれども、ここは?
目を開けた美雪さんの瞳に映ったのは……
戦国時代の、日本。
「こ、こわいィッ!」
怖いです。
嘘だわ、と見て見ぬフリをしたいんです。
あたし、日本史すっごい苦手なのよねー。
過ぎたむかしのこと勉強して何になるのー?
もーワケわかんないわよこの世界ー。
あーアタマ痛いー。
「きもちはァ、わかるゥでスよゥ」
美雪ちゃんには、でも、頭を抱えているヒマもありません。
この世界での彼女は、
こともあろうに、お姫さま。
しかも、お姫さまとしてはAAA級の大物ランクです。
お名前を、茶々さまと申し上げたら……
わかりますよね。
「…………わわッ!」(←なんとなく気付きました)
いきなり戦国メジャーヒロインになってしまった
美雪ちゃんの運命は?
芸能界デビューの野望はどうなる?
日本史の花形さんたちも大挙出演!
SFだけどSFにとどまらない、
恋あり笑いありの冒険時代活劇です!
残念ながら現在は入手困難な状況にあるようですが、
図書館や古本屋さんで見かけたら、ぜひ!
歴史嫌いの御方も、
日本史がぐぐーっと身近になる快作ですよ!
「た、たいむゥすりッぷゥ、ッてェ……
おそろしィすぎるゥでス!」