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春爛漫、サクラ咲く~♪の昼下がりですね。こんにちは、ネーさです。
「こんにちわッ、テディちゃでスよッ」
桜の下でお花見中の御方もいれば、
お昼寝中の御方も、
読書中の御方も、きっとどこかにおられるでしょう。
本日も、そんな読書好きさんのために、
はいっ、御紹介いたしますのは、こちら~!
―― 蘭陽きらら舞 ――
著者は高橋克彦さん、’09年2月に発行されました。
『だましゑ歌麿』に始まる人気時代ミステリシリーズの最新作です。
「ふむふむッ!
このォおねえさんがァ、しゅやくさんッ、でスかァ?」
いえ、おねえさんではなくて、
おにいさんです。
「ふァ??」
表紙の綺麗なオネエ、っとと、おにいさんは、
蘭陽(らんよう)さん。
もともとは芝居小屋で役者さんをしておりましたから、
容貌端麗、
身のこなしは軽く、
ついでに喧嘩にも慣れてます。
「けんかはァだめでスよゥ!」
そうですね、喧嘩も揉め事も、
想い起こせば、
蘭陽さんの身にプラスには働かなかったようです。
12年も前になりましょうか、
芝居小屋で起きた事件に巻き込まれ、
蘭陽さん、廃業を言い渡されてしまったんです。
廃業とは、
役者さんの世界で居所を持てぬこと、
在籍していた小屋のみならず、
他の芝居小屋にも出演を許されなくなること。
いうなれば、追放令みたいなものですね。
蘭陽さんは、もう、役者とは名乗れません……
でも、心の内では。
役者魂が、今でも燃え盛っているんです。
「あちちィッ!」
事件から12年も経って、
ほとぼりも醒めたためか、
芝居の世界に戻ってみねぇか、と
誘ってくれる人が現れました。
なに、小屋主にゃ話をつけてやろう、
名前だって昔のとは変えちまえばいいさ――
嬉しさに、涙ぐむ蘭陽さん。
これでまた、あたしは舞台に立てる!
けれど迷いも生じます。
名を変えればいい、というもんじゃあない。
廃業は、事件のとばっちりを受けたんだってこと、
あたしは悪事にゃ何の係わりもないってことを、
はっきりさせられたら!
蘭陽さん、
後に北斎と号する絵師の春朗さんと、
12年前の事件を調べ直し始めますが……?
「むむゥ、さすぺんすふるゥ!」
表題作品『蘭陽きらら舞』と、
蘭陽さんの身辺に降り来る連作ミステリは、
捕物帖とはまた別種の江戸の《謎》物語です。
シリーズ未読の御方は、
先ずは第一作『だましゑ歌麿』からどうぞ!
浮世絵好きさんを魅惑する
骨太の長編ミステリです。
続く『おこう紅絵暦』、
『春朗合わせ鏡』も、
江戸ミステリ好きさんにおすすめですよ~!
「がんばれッ、やくしゃおにィさんッ!」