喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「名筆」

2014-08-14 17:27:13 | アート・文化

明石の書家、六車明峰氏よりいつも機関誌「名筆」をお送り頂く。
「名筆」の編集は現在、六車氏が任されておられる。
初めはご苦労があったようだが、次第に慣れて来られた。
今回は7,8月号を。
表紙を飾るのはいつも、お亡くなりになった村上翔雲師の書。
Cimg2415
当然ながら格調高いですね。
今回、わたしが注目したのは、7月号のこのページ。

Img697
右は翔雲師の書だが、10×14センチの小品。だが、ちっとも小さく感じない。
左はわたしも知る詩人、伊勢田史郎さんの詩を会長の井元祥山氏が書作品にされたもの。
伊勢田さん、最近音沙汰がないですがお元気でしょうか?主宰しておられた「階段」が終刊になってしまってから音信がない。お元気にしておられればいいが。

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「心配」

2014-08-14 10:35:11 | 

先に上げた手づくり詩集「つきひ」の中にこんなのがあった。

  「心配」

娘が拾ってきた子猫を

妻がそれはそれは可愛がっている

自分の布団におしっこされた時も

叱るどころか 

自分が砂場に連れて行ってやらなかったからと

可哀そうなことをした とまで言う始末

それはそれでいいのだけれど

子猫でさえこんなだから

もしも将来

孫が生まれでもしたら。

         (1990年5月)

「もしも将来」なんて書いている。孫が出来るなんて全く現実感を持ってなかったんですね、この頃。しかし今、5人もの孫がいる。家内は、この時恐れたようなことになっている。

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生活詩

2014-08-14 10:24:01 | 日記

わたしは長年、主に生活詩を書いてきた。
しかし出した詩集は、そうではなかった。
無数の生活詩は本にはなっていない。
しかしこんなのがある。Cimg2412
「つきひ」と題した手づくり詩集である。
ボールペンでの直筆である。
読みだしたら面白い。
最初の一篇。

 

    「今日が終わって」

 

夕刻より妻は公民館へ出かけている

 

二人の子どもは もう二階へ上がって寝ている

 

衣服が脱いだままの姿で散らかっている

 

冷蔵庫がかすかに地虫のような声を立てている

 

ストーブにかけられたやかんが

 

ちんちんと

 

独り言をつぶやいている

 

その上に吊るされた日めくりごよみが

 

かさかさとささやいている

 

時おり明日の日付が顔を出す。

 

          (1981年1月)

ちっとも気取ってなくて、初心者にしてはよく書けているような。

これに載っている最も新しい一篇。


「恒子」

季代がいなくなって

淋しがっていると

「わたしがおってもあかんの?」

と言う

何を言うか!

「もしもお前までが

 おらんようになったら

 俺は生きとれん」

と言うと 大笑いする

笑いごとではないのに

ホント。

    (2004年11月)


読んでいたら、過ごしてきた家族の月日が面白く、止められない。
因みに「つきひ」は一字一字が家族四人の名前の頭文字。四人なのに三字というのは、二人が同じだから。

コメント (2)
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昔の詩

2014-08-14 10:04:17 | 

古いものを触っていたら、昔書いた詩がいっぱい。

Cimg2413

神戸新聞の投稿欄に、足立先生が選者をしておられた頃からだから、もう無数にある。
その中から一篇。

  「墓地にて」

わたしと妻は よく伸びた草を抜いている

その草を湿すほどの小雨が 静かに降っている

二人の子らは 傍らで額を着け合い

地面の一点を見つめている

「ほら蟻が!」兄が叫ぶ

「むしさんをひっぱっとる!」妹が目を離さずに訴える

「穴に引っ張り込むぞ!」

「むしさんあばれてるよ、かわいそう」

そして妻は

「助けてあげなさい」と子らに声をかける

しかしわたしは

「放っておきなさい!蟻さんが困る」



石塔は

先ほど妹がさしかけた赤い傘を

静かに乗せたまま

黙っている。

         (1981年8月)


詩を書き始めて間もなく、技術的にはまだまだだが、その時の家族の気息は伝わっているかと。
これへの足立先生の評
~「墓地にて」は、墓参りの一景をさらりと叙しながら、生きてゆくことの機微をも語り、しかも赤い傘を乗せた石塔で結んで過不足のない佳作。~

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早朝の墓参

2014-08-14 09:48:24 | 日記

今朝起きぬけに家内と墓参りに行って来た。
昨日はお花立てに行ったのだった。
今日が本当のお盆のお参り。
早朝は小雨が降っていたが、やがて止んでので、それっとばかりに。
行くと墓地は静かだった。毎年だったら余程早く行っても、すでにご近所の人たちが多くお参りに来ておられるのに。今年は多分わたしたちが一番乗り。しかし、お年寄りが順に亡くなられて、昔のように早朝にお参りされる人が減ってきたというのもあるかもしれない。
さて、昨日、花立ての中の小石を取り出すことが出来ななったのだが、今日は道具を持って行っていたので出しました。

Cimg2407

何年ぶりで出てきたのでしょうか?左右の花立てから小石が7個。もうこれはkohの仕業と決定。

Cimg2408_2
何年か前にkohを連れてわたしと二人で墓掃除に行ったことがある。その時に違いない。わたしが見てない時に、ポットン、ポットンと放り込んでいたのだろう。
すると今のkohは随分と成長したものだ。
帰りに参道の垣根にあった、蔦の葉がきれいだったので。Cimg2409

 

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