大阪の詩人、平原比呂子さんからお贈り頂いた。
131人が参加のアンソロジーである。
正直言って、わたし、今けっこう忙しいので全てを読みこむことはできません。パラパラとページを繰りながら気になったものに目を通すといった感じ。
平原さん、ゴメンナサイ。
それでも、知った人の作品はきっちりと読ませて頂きます。
青木はるみ、石村勇二、香山雅代、佐藤勝太、中尾彰秀、永井ますみ、肌瀬とみ子、福岡公子、横田英子さんなど。と言っても、直接お会いしたことのある人は、このうち半分ほどです。
さて、平原さんの作品。
「白昼夢のような」です。
広々とした情景を的確に描写してゆき、そこに大きなドラマを展開させてゆく。
そのドラマの縁に、療養中のご主人と自分との二人を置く。
夫への労りはあからさまには書かれていないが、読む者に自ずから伝わってくる。
スケールの大きな舞台。細かな心が行き渡った、しみじみとしたいい詩でした。
滋賀県の詩人、森哲弥さんから詩集『幻境棲息少年』という詩集をお送り頂いた。
2000年に出された『幻想思考理科室』は第51回H氏賞を受けておられて、実力のある詩人だ。
カバー折り返しにある森さんの写真。
少し障害をお持ちなのだが、一度奥様と共に「輪」にお越し下さったことがある。
わたしの詩集『コーヒーカップの耳』が新聞に紹介されたのを見られて、ご自分の詩集『幻想思考理科室』とトレードしませんか?との提案を頂いてお知り合いになったのだった。
このお写真は近影だろうが、お元気そうで良かった。
さて『幻境棲息少年』
この人は、詩集『物・もの・思惟』で見せたように、鋭い機知による短詩の分野でも名手であるが、小説も書かれるだけあってドラマ性のある広大重厚な長編空想詩にも独特の冴えを見せ、読む者をぐいぐいと引っ張ってゆく力がある。
広い知識と深い人間観察の裏付けがあるからだろう。
ここには間違いなく、森さんが作りあげた世界がある。
「岩漿従貫鉄道」にははっきりとそれが伺える。”空想小説詩”とでも言えばいいのか、この長編詩をわたしは、楽しく、また怪しく堪能させて頂いた。
詩集のタイトルに「少年」という言葉が使われているが、わたしと同年の森さんは、間違いなく少年の心を持ち続けておられる博識の詩人である。とてもわたしでは足許にも及べない。
このわたしのブログを読まれた方は「なんと持ちあげてるのだろう?」とおっしゃるかもしれないが、おべんちゃらでもなんでもなく、森さんは本当にスゴイ詩人ですよ。