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『浪花女的読書案内』を読む②

2019-04-16 13:59:29 | 『浪花女的読書案内』
『浪花女的読書案内』を読む②です。


まず最初に登場は山崎豊子。
←二段階クリックで。
こう始まります。
《どうも大阪の女は評判がよろしくない。いわく、がさつだ、がめつい、厚かましい。いわゆる「大阪のおばちゃん」のイメージ一色。しかし、大阪にも美人はいるし、おっとりした人もいる。もっと大阪の女性を豊かに語る言葉はないか、と文学書などひもといてみると、そこには思いがけず豊潤な浪花女の姿が登場する。まずは山崎豊子の「女の勲章」を開いてみよう。》

残念ながらわたし「女の勲章」は未読です。最初に読んだ山崎豊子の小説は「白い巨塔」でした。
それに関連して、余談ですが。
「白い巨塔」の舞台、大阪大学医学部に丁度その時おられた心臓外科医を取材したことがあります。小説では仮名でしたが実名で語って下さいました。取材の後で、「そのことは絶対に書かないでくださいよ」と言われましたが。

「女の勲章」の主人公、デザイナーの上田安子ですが、モデルにされて心痛めたとのこと。しかし上田はこう書いていると。
「私にも生涯忘れられないほどいやなこともありましたが、しかし、遠い昔のことで忘却のかなたに消え去りました。そして、晴れ晴れとした現在に感謝しています」
そして石野さんはこうまとめておられる。
《この堂々たる前向き人生。(略)上田は平成8年に90歳で亡くなるまで、関西ファッション界の草分けとして長く活躍した。これはまさに、船場生まれの自負を新校舎のステンドグラスに紋章をかたどって「女の勲章」にした主人公そのままではないか。一方の山崎豊子も盗作問題などのトラブルを乗り越え、話題作を次々発表して、ブルドーザーの如く自分の道を突き進んだ。大阪生まれの二人の女性の誇り高き負けじ魂。まずはこれを言挙げしておこう。》

これは一度「女の勲章」を読まなくてはなりません。
(つづく)


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