喫茶 輪

コーヒーカップの耳

トライあんぐる朗読会

2024-09-13 19:09:44 | アート・文化

楽しみにしていた朗読会に妻と行ってきました。

神戸御影の「にしむら珈琲」の「フレンドサロン」と名づけられた小じんまりしたイベント会場。

小倉啓子さんは「劇団神戸」の主宰者。

田辺聖子さんの「姥ひや酒」を朗読、というよりも見事に演じられました。

田辺さんのユーモアが会場に漂い、くすくす笑いが何度も起こりました。

 

ラジオパーソナリティーの奈津陽子さんは人形作家の石井美千子さんの随想「昭和の子どもたち」を。

最初に、「皆さんは昭和を何年生きられましたか?」で始まりました。「何年生まれ?」ではなく、この質問は新鮮。

頭の中で計算。そっか、45年かと思った次第。

昭和真っただ中の空気感を懐かしく味わわせていただき、わたしは切ない思いをしました。

そうか、そんなに長くわたしは生きてきたのかと思い知らされて。



三人目がラジオパーソナリティーの久保直子さん。

ドリアン助川さんの「クジラのお母さん」。

わたしは何度か読ませていただいている作品。しかし久保さんの朗読には参りました。

本を読んだ時も感動しましたが、彼女の語りにすっかり物語の世界に浸らされてしまって。

終盤では思わず目じりに涙が。

どうやら隣の妻も感涙している様子。

こんな風に語られたら、ドリさんもさぞ満足かも。

終って、久保さんもつい思いの堰が切れたのだろう、後ろを振り向きながら自ら目じりをぬぐっておられた。

驚いたのは、解説でわたしの名前を出されたこと。

ドリアンさんと繫いだ話をされたのだ。

これは思いがけないことで恥ずかしかった。

でも行って良かった。

 

帰りに「にしむら」でコーヒーを。

妻と二人で外でコーヒーを飲むのは久しぶり。

妻がケーキを注文。

一人分を二人で食べようとすると、ウェートレスさんが「フォークをもう一本持って来ましょうか?」と。

「いや、僕たち仲いいので大丈夫です」と言うと、いい笑顔をなさいました。

 

御影の山の手。

 

『コーヒーカップの耳』人生の甘いも酸いもここにあり。

 

 

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