喫茶 輪

コーヒーカップの耳

赤井宏之詩集『待ち合わせ』

2018-03-07 12:55:44 | 
お贈り頂いてから少し時が経つ。読まねばならない本がたくさんあったので、気にはなりながらページを開かせて頂くのが遅くなってしまいました。
赤井宏之詩集『待ち合わせ』

なぜわたしに?著者の赤井氏をわたしは知らない。
発行所が「編集工房ノア」ということは、涸沢さんのお考えによるものだろう。
ありがとうございます。

先ず「あとがき」を。
←クリック

奥付を見ると、元高校教員をなさっておられた人ですね。

全部を読ませて頂いて感じたのは、手慣れておられるなあ、でした。
何気ない書きぶりだが、なかなかどうして、かなりの筆力をお持ちの様子。失礼!偉そうな書き方になりましたがお許しを。
どの作品にもしっかりとした動機があるのがわかります。決して漫然とは書いておられない。心を大切にしておられるのでしょう。文は読みやすく、一見初心者?と思わせられるぐらいだが、「深いことをわかりやすい文章で」を心がけておられるのでしょう。詩でそれを成し遂げるのは易しくはないと思います。
いくつかの作品を紹介しましょう。


「本日の通信簿」です。←クリック
実はこの詩の少し前に「授業評価」という作品があります。生徒から「授業はわかりやすいですか?」「黒板の字は読みやすいですか?」など、アンケートを取り、教師は生徒から評価を受けることになっているらしい。公立高校がこんなことになってるなんて、驚きでした。これを受けての「本日の通信簿」です。終連、《僕の授業中の声はあなたの眠りを妨げるほど/大きくはなかったでしょうか?》痛烈な皮肉ですが、ユーモアにくるまれていて嫌みがありません。わたしは爽快でもありました。ただ、読む人によっては多少は心に刺さるでしょうか。

「許容範囲」 
高校教師の”立場”からの視線がわたしには新鮮でした。終連、お見事。

「肩」 
なんでもないようなことを淡々と、しかし、少しずれた位置からの視線が面白いです。そのずれに共感ができて、ある種の快感を受けますね。


「絵本」 
この詩は大好きです。物語性があって、温かみがあって。

「ナースボタン」 
これも素晴らしい。
登場人物が活き活きとしています。方言が生きてます。わたしは声を上げて笑ってしまいました。
そうか、涸沢さんがわたしにこの詩集を送るように手配してくださった理由がわかった。
著者の赤井氏がこのような詩を書く人だからなのだ。
はい、わたしは大いに喜びました。
涸沢さん、赤井さん、いい詩集をありがとうございました。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 西宮市長選挙 | トップ |  »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
『待ち合わせ』 (akaru)
2018-03-08 09:49:21
赤井様
こちらこそありがとうございました。
読んで楽しい詩集にはあまり出会えませんのでうれしかったです。今後共のご活躍をお祈りいたします。
返信する
ありがとうございます。 (赤井宏之)
2018-03-08 08:59:38
何度も何度も読み返しています。夕刊、朝刊後回しです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事