開場時間前に行ったのだが、すでに開場されていて615人定員の会場はほぼ満員だった。
もっと前で観るつもりが後ろの方になった。あれだけ人が押し寄せれば時間前の開場は致し方ないでしょう。開演前には立錐の余地ない満員。驚きました。これほどの盛況とは想像していなかった。
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チケットを千秋さんから頂いて行ったのだが、お会いできなかった。
しかし驚いた。
あまりにも素晴らしい歌声!
わたしと同い年とは思えない。スタンドマイクはない。上方に吊るされたマイクのみである。よく声が持つなあ!と思いながら聞いていた。
千秋さんとの縁は、北山冬一郎である。
今回、北山の歌を一曲歌われた。「紫陽花」である。
『紫陽花』 北山冬一郎 詩 團伊玖磨 曲
そのひとと めぐりも逢はず
そのひとと 語らふを得ず
あはれ けふも
紫陽花の花は咲くなり
七月の陽もくるめき
そのひとと めぐりも逢はず
紫陽花の花は咲くなり
見事だった。
これは動画。↓
http://www.youtube.com/watch?v=pnb9cysHbp4
遠くからのチャチなデジカメで収録したので画像は悪いが、雰囲気は伝わるのでは?
さて、幻の詩人北山冬一郎である。
宮崎修二朗翁が昔、接触しておられた。そのお話をもとに以前、『KOBECCO』にミニ評伝を書いた。
酔っぱらいで、ウソつきで、ええかっこしいで、借金まみれで、最後は放浪をし、煙のごとく世間から消えてしまった詩人の話。
その北山の詩の何遍かに團伊玖磨が曲をつけている。
それが今も色んなコンサートで歌われている。
しかし、歌手は北山がどんな人だったか知らなかった。
ということで、この千秋さんも自分が歌う歌の作詞者のことを知りたくなり、この拙ブログにたどり着かれたのだった。
そのようなご縁でチケットを戴いたというわけ。
千秋さんが歌われる「紫陽花」を聞きながら、不思議な感覚に襲われた。
素晴らしい歌声が会場を満たしている。
それを満員の聴衆が感動を持って聞いている。
しかし、この歌の作詞者はあの北山冬一郎である。
北山がこの光景を知ったらどうだろうか?と思う。
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行って良かった。
他のコーラスもレベルが高く良かった。
素晴らしいコンサートだった。
千秋さん、ありがとうございました。
そして、おめでとうございます。
『コーヒーカップの耳』