出久根達郎さんの新著『本の身の上ばなし』(ちくま文庫・2024年9月10日発行)です。
うれしいなあ!出久根さんの新著が出たんだ。
と言ってもこれは「日本経済新聞」に2019年10月から2020年10月まで土曜日に掲載されたものとのこと。
先ず取りあえず最初の一篇を読んでみる。
これがもう、面白い。
俳優高倉健は名文家だったという。
次のページ。 上手い紹介の仕方ですねえ。さすが出久根さん。「先が読みたくなりますが、それは高倉の著書『あなたに褒められたくて』で楽しんで下さい。」だって。こんな風に書かれたら、この本を読まないわけにはいきません。
そして次のページ。 この話を読み始めてすぐにわたしは、「読んだことがある」と気づいた。それはこのページの終わりの方にある田辺聖子さんの『姥ざかり花の旅笠』。何年か前に私は読んでいる。
この最終行。「うっかり言い忘れる所だった。高倉健は宅子の直系の子孫である。」これを最終行に持ってくる技。出久根さんの独壇場ですね。
ああ、あとを読み進めるのが大いに楽しみ。