森に入るとなぜか心が和む。神経を研ぎ澄まし、生命の息吹を感じ取り、風にそよぐかすかな葉音に耳を傾ける。すると不思議に森との一体感を感じる。
杜々の森は人けの多い森ではあるが、手厚く守られてきたせいか名水を楽しみにするだけでなく、森にいる楽しみを与えてくれる森である。杉や様々な広葉樹の大木は、訪れたものを包み込む包容力も持っている。この森の湧水はそんな森に抱かれに来た者へのプレゼント。厳しい冬の積雪が少しずつ融け、地中にしみ込んだ水を森がじっくり絞り出したものである。訪れて二度おいしい。杜々の森はそんな所。下記は、現地にあった看板からのものだが、女人禁制の文字が...、今はそんなことを気にする必要はない。
栃尾市指定文化財 天然記念物 杜々の森
日本では古来「杜」は「もり」と読み、特に神社の森を意味して使われています。「杜々の森」も神の鎮座する森で、大正の頃までは女人禁制、樹木を伐採してはならない霊地として保護されてきました。 この杜々の森はホウ・ナラ・ブナ・ミズナラ等の広葉樹の古木と樹齢約四百年の杉が混生して原生林をなしており、県の自然環境保全地区に指定されています。 又、豊富な湧水は昭和六十年、「全国名水百選」の一つとして環境庁の指定を受けています。
昭和六十二年七月 栃尾市教育委員会
▼訪れた者は、柄杓があり、水がしたたり落ちているところで、森の湧き水を飲む。