Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし192. 顔を覚えるテンポ

2010年01月05日 | Tokyo city
 東京で生まれ育ったせいか、東京の街の風景にすぐに見慣れてしまう心地よさがある。そして撮影機材を構えると、東京の風景は退屈でつまらないと思うのである。
 そう思っても一千万人以上の住民が、このつまらない街に暮らしている。街はつまらなくても、仕事があり、大量の情報が集散し、そして様々なチャンスに恵まれ、生活に便利だといったスケールメリットというか、人々の活力的要素などが大いにあるところが、東京の魅力なのだろうけど。
 だが東京は、人が多すぎる故なのだろうか、見ず知らずの人の顔を覚えるという資質が放棄したように乏しい。むしろ覚えなくて済む気楽さを享受しているかのようだ。
 京都は、老舗が多いのか、規模が小さいのか、お店に出かけても見知らぬ人の顔をよく覚えている。「ああっ、さっきもきはった方、2度も足はこんでもろてすんませねぇー!」、飲み屋に2~3回も行けば「いつも毎度おおきに、じゃ熱燗ですね!」といった具合に、よくお客の顔や好みを覚えていてくれるお店が多い。そんなお店で領収書を頼むと、何も言わなくても、ちゃんと名前を書いてくれたりもする。
 もちろん何回通っても一向に顔を覚えないアルバイト店員だけのお店、特に観光ガイドに出ているお店が多いのだが、そんな店は京都にもある。そういうところは、次第に足が遠のいてゆく。私の基準だと3回通って顔を覚えないようなお店には、ゆかないことにしている。
 要は京都は、顔を覚えてお馴染みになるテンポが早いのである。そのあたりのフィーリングの違いが東京と京都にはあるということだ。

東京都巣鴨地蔵通り,撮影日2010年1月2日.
GF-1,G f1.7/20mm,×2倍,ASPH.
シャッター1/500,絞りf1.7,ISO100.フィルムモード:ダイナミック.
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