Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし197. 失われたサービス

2010年01月10日 | Kyoto city
 東海道新幹線の話を続けよう。国鉄時代最後の新幹線は、なかなかよかった。あのグリーンと食堂車のある二階建て車両があった時代である。
 グリーン車も料金が普通車と比べてそれほど違わず、利用しやすかった。グリーン車に乗るときはパーサーがドアのところで、出迎えてくれる。彼女達に、チケットを見せながら「ハンバーグ!」と言って席に座っているとお絞りを配る頃に、ハンバーグ定食を持ってきたという豪の者もいた。
 私も自由席に座れないときは、食堂車で朝飯を極めてゆっくり食べながら、二階からの風景を見て時間をつぶしたことがある。定食を1時間もかけて食べられたのでは、食堂車も営業があがったりだろう。
 二階建て付の新幹線は、サービスは良かったのだが、スピードが遅いのである。はたから見ていると「ドンガメ」とでも呼びたくなるような、重そうな車両を連結しているのであるから、スピードが出ないようだ。少し列車が遅れると、回復運転をするのだが、ほとんど効果がない。国鉄最後の時代で、あまりスピードアップするだけの意欲がなかったのだろう。
 今では、グリーン車も料金が高くなり、いつも空いている。つまり不人気なのだ。それに食堂車もなくなり、極めてビジネスライクなスタイルとなり、実につまらない。
 だから最近では新幹線に長く乗るときは、弁当持参である。京都駅の階段下には地元老舗を集めたお弁当屋があり、柿の葉寿司や鯖寿司もある。また東京駅から乗るときは、いつも崎陽軒のシュウマイ弁当を買い込んで乗ることが多い。言い換えれば、車内販売のお弁当は、高くて不味いのである。
 日本の鉄道で食堂車があるのは、寝台特急カシオペアとトワイライトエキスプレス位だろう。国鉄が民営化されて営業本意のJRとなり、鉄道を利用していても一番つまらなくなった点である。

京都市・二寧坂,2010年1月7日撮影.
Fuji FinepixS5pro,Carl Zeiss Makro Planar T*, f2/100mm,ZF.
シャッター:1/250,絞りf11,ISO320,カラーモードF2.
コメント
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