Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし195. ルーチンワーク

2010年01月08日 | Kyoto city
 正月が開けると、税金の話がすぐにやってくる。日本の企業の多くが12月決算だから、年が明けると国税などの事業申告の時期が近づいてくる。
 昔の話だが、そういうときに最初に頭に浮かぶのが未整理の領収書である。経理から催促されて、机の中に放置してある領収書をかき集める。整理をさぼっていると、出金伝票付けからはじめなければならない。大小様々な規格の領収書、ズボンの中に入れっぱなしでしくゃしくゃになった領収書を伸ばして、費目毎、月毎に並べ直して、1枚1枚を台紙に貼り付けるという地味な作業が続く場合もあった。
 最悪の場合は、領収書を経理の女子事務員に渡して、「整理しておいて」、である。そうなると経理が、女子事務員をかき集めて整理に追われる。その仕事量は社員人数分だから、とんでもなく膨大で退屈なルーチンワークになる。ピツト糊で固まった指先を眺めながら、「あーっ、毎日こんな仕事ばっかりだったら、早くお嫁に行こう!」。そんな女子事務員のため息を思い出す。
 実は大学の先生も似たようなルーチンワークがある。外部からの研究資金などを獲得したら報告のために、同様のルーチンワークがある。それに企業のように経理部もないし事務員もいないので、ほとんど全ての作業を、自分でしなければならない。そうして数字を拾い帳簿に集め、といった具合に、何日か没頭しているときがある。
 そんなルーチンワークをしていると、企業でもくもくと作業をこなしている地味で忍耐強い経理の人種は、それ自体一つの才能だと思うときがある。
 グータラにすごした正月も七草をすぎると、突然冷ややかな現実がやってきたといつも思わされる頃だ。

京都市・八坂道,2010年1月7日撮影.
Fuji FinepixS5pro,Carl Zeiss Makro Planar T*, f2/100mm,ZF.
シャッター:1/250,絞りf11,ISO1000,カラーモードF2.
コメント
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