Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし201. 人気大よ世

2010年01月14日 | Kyoto city
 関東では、年末に行われる浅草酉の市で熊手というのが定番アイテムだが、関西ではゑべっさんでこの真っ赤な傘の「人気大よ世」が定番アイテムである。この界隈の飲食店に入れば、大方飾ってある。
 巷では、一月十日がゑべっさんの誕生日だから、この日にお祭りが行われるとか、ゑべっさんは耳が遠いので社殿の腰壁を叩いて「お願いしまっせ」とはやし立てるとか、何かと言い伝え的なストーリーのあるところが面白い。この時期空いた頃合いを見計らって、舞子さん達もやってくるあたりが、花街の神社だ。
 昼間宮川町あたりを歩いていると、舞妓さんの普段の和服姿に遭遇する。やはりティーエージャーだから、寒くて頬が赤らんでいたりと、まあ田舎の高校生のようだ。最近舞妓さんのなり手を全国的に手配をするわけであるから、田舎の子が多いのも事実である。年末には里帰りしてしまうので、京都におりません、という場合もあるだろう。
 なんかやんかといって、「商売繁盛笹もってこい」の商いの神様だというのがいういかにも都の催事だ。これが田舎の神様だと「五穀豊穣、子孫繁栄」となる。五穀とは、日本人の主食である米・麦・粟・豆・黍である。子孫繁栄とは、田舎では人間の頭数が、五穀の生産性を高める上では欠かせない労働力なので、大いに夜ごと励み子孫繁栄につなげてくれという意味だ。だから田舎に行くと金精様がやたらと多い。誰の子でもいいからたくさんこしらえて、働き手を増やしておくれという発想が、いかにも田舎暮らしを反映させている。
 こうした信仰する神様の違いが、農本社会と都市社会の大きな相違点の一つだといえば、解りやすいか。

京都市・恵比須神社,2010年1月9日撮影.
Fuji FinepixS5pro,AF-S Nikkor 16-85mmG,f3.5-5.6D.
シャッター:1/250,絞りf5,46mm,ISO200,カラーモードF2.
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