Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

京都暮らし207. 大変壮観な成人式

2010年01月20日 | Kyoto city
 全国の成人式のなかには、酒を飲んだ若者が壇上にあがって騒ぐなど荒れる場面がしばしば登場し、マスコミの格好の話題になっている。もちろんどこか勘違いしている人達のなせる業なのだが、私の立場から見ると、成人式という式典自体がつまらないのだろう。
 二十歳になった成人だけが参加できる三十三間堂の通し矢もれっきとした成人式なのである。昔ならば元服式に該当するのだろう。だが、ここにはそんな退屈な気配はみじんもない。投射場には、正装した二十歳の若者12人が整然と一堂に並び、120m先の直径1mの的を目がけて二矢を投射する競技であり、気合いが入っている。断然心構えが違う。それにみんな初段の有段者である。
 そんなことを考えていたら、「和の段位というのは、甘いからなぁー」という意見もあり少し笑える。それこそ段位を厳しくしたら、出られなくなっちゃうと、一斉にブーイングの嵐になるのかも知れない。
 そういう気合いの入った凛々しい若者が2000人も集まれば、いやでも境内は華やぐ。大学単位で来ている人達は、通し矢が終われば、京都のどこかで宴会なのかもしれない。だから、境内で各大学が陣取っているキャンプあたりは、どこか華やいだ空気が漂っている。これこそ成人式に相応しい時間だと、うらやましげに私は眺めている。
 いつ来ても、このときの境内はいい雰囲気だ。そして投射を待って立ち並ぶ矢を持った二十歳の若者達の姿は凛々しい。通し矢は、大変壮観な成人式なのである。

京都市・三十三間堂,2010年1月17日撮影.
EOS Kiss Digatal,EF16-35mm,f2.8,
シャッター:1/320,絞りf8,焦点距離16mm,ISO400.
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする