Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編266. 後悔

2017年04月05日 | Kyoto city
 デュープしたスライドフィルムのデジタル画像をみていた。1980年後半から2000年の始め頃の画像である。この頃たくさんの仕事をして、これを追いかけるようにしてたくさん旅を重ね、そして多くの写真を撮った。
 そんなデジタル画像を見ていると、私って随分撮影が下手くそだとわかる。機材が傾いている、ピントが合っていない、ブレているなどなどだ。最も最悪なのは、プロユースの撮影機材をコロコロと変えていることだ。こうなると下手の真骨頂というほかない。
 もしあなたが上手に撮影したいと思ったら、10年ぐらいは一つのレンズそして一つの機材で撮影すること。当然複数のレンズ等に手をだしてはいけない。一眼レフなどもってのほかである。私はニコンでよい写真が撮れたためしがない。実に難しい機材だと思う。ただしスライド画像のデュープには唯一使える機材でもある。
 例えばヴィヴィアンマイヤーはローライフレックス1台だけで生涯撮影し続けた。フォトグラファーは意外に撮影機材が少ないことがわかる。撮影していて自分とフィーリングが合ったら、それを一生使い続けること。
 私の場合は、機材マニアという悪循環に落ちたのだから語る資格はないが、それでもこれは唯一フィルム機材として残しておきたいのが35mmの焦点距離を持ったコンタックスT3である。画像に透明感があり色の発色が私の感覚に合うし、レンズはカールツァイスだから大変優れものである。この機材だけ使っていればよかったと今は後悔している。デジタルデュープにしても画像の良さは失われない。
 これまで私は、日本の写真工業会に随分と散在し、カメラ立国ニッポンに貢献しちまった。そしてヘタクそな写真を大量生産しちまった。
 そうした優れものが登場してきた頃、皮肉にもデジタル化の時代に突入してしまった。コンタックスT3が活躍できる期間は意外に短かった。さて今の時代に10年は使い続けたいデジタル機材はあるのだろうか。
 自分のフィーリングに合った優れた機材を1つだけ長く使い続ける。それで写真の世界は十分なのだろう。
 となるとコンタックスT3を使い続ける道もある。スライド現像を依頼したときにデジタルデュープを一緒に頼めばよい。ただこの機材はもう修理できないのが悩ましいところである。

長崎県ハウステンボス
ContaxT3,ベルビア
コメント
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