Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

Nikon Freak205. 危なっかしい文科系人間の商品開発

2018年11月07日 | diving

 ダイビング3日目の10月24日は、水の透明度が50mはあっただろうか。みよ!、このクリアな画像。photoshopで修正しても変わらない。いつもこれぐらいで撮影できれば申し分ないのだが、なかなかそうゆかないところが自然界。

 よくデジカメのプロモーションで、アウトドア派!、みたいに屋外に強い機材であることを訴求するCMに遭遇するが、それって地上だけの話でしょう。人間が関わってきた環境は、地上、水中、宇宙と3つに類型化できる。その一つだけを主張しても、何がアウトドアなんだかさと、笑ってしまう。宇宙には容易には行けないが、水中だったら40m迄は、なんとかゆける。その程度にお供できる小さく優れもの撮影機材がダイバーには必要なのだが、なぜか理解不能の機能がついて回る。

 その典型例がニコンW300の水深表示であり。潜った深度も時系列でグラフ化されて表示できるのだが、そんな遊び的機能はダイバーには必要なく、むしろ必要な情報は30mまで潜れる仕様だということは、エキジット前に水深5mでの安全停止と3分間のカウントダウンの表示が必須だ。まさか安全停止の3分間の時間のカウントも表示もしないのか?。そのあたりが、いかにも水中機材らしく装えば良いとするマーケティング発想のように思われ、それってニコンらしくない!。

 これってものすごく危険なことであり実際には、安全停止をしないで浮上し肺の過膨張破裂を起こして死に至る事故が発生している。それはダイビングで一番危険なことである。水深30mまで潜れる機材で水深表示をするのであれば、安全停止の表示と3分間のカウントダウンがなされて当然なのだが、それが見当たらない。であれば、そんな遊び的で中途半端な水深表示をするというのは、誤解を与え危険だからやめるべきだろう。もちろんダイバーはダイブコンピュータを持参しているので、撮影機材が特に水深表示をしなくてもよい。それに同様のダイビング器材であるオリンパスTG-5に水深表示はなかったと記憶している。それとも、私の勘違いだろうか!?。

 そのあたりの中途半端な仕様の稚拙な企画の商品が最近多いと思われる。マーケティング理論を振り回し、なんでもつくります、売れる商品にしますと、ユーザーを幻惑して商品を売りつければ成功です、という発想だ。実際商品プレビューサイトをみると、そうしたユーザーの幻惑された姿を多数見ることができる。といって他方でユーザーは、スポンサーにおべんちゃらの意識もあるから容易には消費行動に結びつかないのは幸いだが。

 私自信が実際の商品企画に携わりマーケティングに関するレフリー論文も書いてきた立場からいえば、マーケットの意向を尋ねることは必要だが、といってそれで商品開発をしてゆく安易な考え方が間違っているということだ。プロダクトデザインは、覚めた眼でマーケットを眺めつつ感性工学の知識を涵養するのだが、そんなところでマーケティング理論を振りかざしデザインのできない文科系人種がプロダクトの企画なんかしてもらっては大いに迷惑だ。日経MJを読むと、今その迷惑な商品開発が跋扈しているようにも思われる。

 モノ一つ、空間一つ、実際に手を動かしてデザインし(つまり設計)、工作マシンを動かし、現場で職人達を動かして、モノや空間をつくるといったデザインの現場の経験が、皆無の文科系人間の商品開発なんか危なっかしくて私はつきあいたくないですね。精々彼らは食材や家庭用洗剤ぐらいにとどまっていておくれ、といいたいですね。

 まあそんな話の概略をニコンのお問い合わせコーナーに送ったのだけど。

 

沖縄県慶良間諸島アリガーケーブル

Nikon W300,NIKKOR 5X OPTICAL ZOOM4.3-21.5mm、F2.8-4.9

ISO125,焦点距離4.3mm,露出補正0,f/2.8,1/200

コメント
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