翠と晃子さんとお腹が少し目立ちだしたコウさんが深夜の夜勤のお茶タイムに集まってきた。
晃子「時々産婦人科の狸爺のところを手伝いにゆくじゃん。でっ、よく来る患者さんとしたしくなって、私秘密の話を知ってるんだ」
コウさん「なにそれ、狸爺のところならたくさん秘密があるよねぇー。未嫡子の出産をよくやっているしさ・・・」
晃子「札幌の女が時々狸爺のところにやってくるのよ。でっ職業は科学技術の翻訳の仕事なんだって。なんでも国立大学の理工学部出身だから頭がいいのよね。」
翠「狸爺と関係ありそうなのは子宮だよねぇー」
晃子「そう!、それも借り腹!!!」
コウさん「やっぱ、それかぁー」
翠「借り腹が商売?」
晃子「そう、これまでに5人出産したんだって。歳は30代かな」
翠「やっぱ、借り腹でも子供を作りたいカップルがいるんだ!」
晃子「それがねぇー、奥さんの体の不調とか、子供が作れない体質とか、まあいろいろ事情はあるのよね。結構金持ちの夫婦が多くて、前金で1人1,000万円、そのあと成功報酬だって・・。」
コウさん「女の商売としては、いいよねぇー・・・」
翠「でっ、受精は?」
晃子「もちろん人工授精よね。旦那の精子を入れてつくるわけ。でもヒットさせるタイミングが難しいらしいの。彼女は痛いし面倒だから生の方がラクチンなんだけど・・、といってた。でも生も1回やったんだって」
翠「その1回って外国人?」
晃子「あったりー。ビザの関係で日本に長くいられないから、生で排卵日に1回やったらヒットなの。そんで10か月後に出産するじゃん。生まれたら本国へ送るわけにもいかないから、彼が取りに来るんだって。法律の手続きが有るからね」
翠「狸爺は、未嫡子の扱いに慣れているからなぁー」
晃子「なんでもお腹を貸してくれる女性の秘密リストが頭の中にあるらしいよ。人工授精の相談もあって、最後は借り腹だなぁーというケースもあるの。もちろん狸爺は斡旋はしないけど翻訳者に相談はするらしいの。そんで翻訳者が夫婦にコンタクトして、受精の相談に狸爺のところにやってくるわけ。それで狸爺も、毎回翻訳者が未嫡子の相談にやってくるから顔見知りになるじゃん。そんで未嫡子さんですね。わかりましたで決着」
コウさん「翻訳者は子供の顔はみないの?」
晃子「生まれた姿は確認するけど、すぐにカップルが引き照りに来て別の病院へ搬送されるんだって。まあ産んだからもっていってね、だよ。それで彼女は翻訳の仕事に戻るんだって。翻訳だと妊娠していても家で仕事が出来るからね。彼女が狸爺のところにきたのは、今お腹が空いているから大丈夫よという検診なんだってさ・・・。精子の提供者に提出するんだってさ。また孕むらしいよ。」
コウさん「じゃ彼女はそれで大金を手にしたんだ・・・」
晃子「その大金を、アメリカの企業に投資しているんだって。だから今は1億以上の資産にふくらんだんだって・・・」
翠「うわー・・っ、金持ち相手の借腹っていい商売よねぇー・・・」
晃子「彼女は少子化時代に5人産んだから、日本に貢献はしたな(*^▽^*)。でねえ翻訳の仕事は、何れchatGTPに置き換えられるから、これからは投資で食べてゆくんだって。」
コウさん「まあ賢い人ねぇー。子供は語学堪能な人間に成長するのか・・、今の事態にあったりー・・だよね」
・・・
小樽の真夜中の空も晴れ渡り、満天の星が見えている。