翠達の夜勤は、程なく回ってきた。というかたまたま夜勤のなり手がいなかったので、翌日も夜勤だった・・・。それで深夜のおやつタイム。
・・・
晃子「優子さんって生まれも育ちも熊本?」
優子「私、天草の出身なんです。地元の病院で看護師をはじめた1年ぐらいかな。見合いして熊本の旦那のとこへ嫁いだわけ。」
翠「天草って美人の里じゃん。」
晃子「じゃ旦那も美人の奥さんもらって鼻が高かったわけだ。だって優子さん、今でもチャーミングだよね。エンジニアも目が高い!。でっ、先日の話の続き・・・」
優子「そのあとね熊本じゃ人目があるでしょう。だから広島であったの。」
晃子「それでぇー・・・」
優子「家には、女友達と一泊の旅に出るっていうので、まわりに口裏合わせてもらって、そんなつじつま合わせが大変だった。それがエンジニアと広島のホテルであって、そのままお部屋でまたすっごく燃えたの。何回も私が経験したことがないぐらい燃えたわ。私も子宮をとってから落ち込んでいたけど、こんなに燃えるなんて初めての経験だったもん。それで彼が言うには、『きっと僕らは、身体の相性がとてもいいんだよ。そんな人に僕も初めて出会った』っていってくれたの。多分二人のホディのでっこみ引っ込みが調度パズルのチップのようにかみ合う感じかな。それに考えることも一緒だし、こんなにピッタリと相性が合う人って私も初めてだったもん。」
晃子「いいなぁーー、心ゆくまで燃えるなんて・・。私の彼なんかセックスの最中にドクターコールだもんね。そんで出かけていって帰ってきてから続きだもん。でっ・・」
優子「そんとき、私、本気で駆け落ちしようと思ったもん。だから密かにためていた私の預金通帳をもって、家に帰らないつもりで彼とあったもん。」
翠「そんで・・・」
優子「私、貧乏でもいいから家を出たいっていったの?」
晃子「そしたら・・・」
優子「僕らが一緒になるには、こういう手続きがあって、弁護士にこんな風に相談してって・・・、ってすっごい段取りが早いの。」
翠「彼氏も本気だったのかなぁー?。」
優子「そんときは、お互いに本気だったかも・・・・。わたしそん時彼の胸の中ですっごい幸せだったもん。私見合い結婚だったから、そんな気分になったのは初めてだったしさ・・・」
晃子「でっ・・・」
優子「もちろん『君は綺麗じゃん』っていって朝まで何回もゆかせてくれたの。それって旦那でも経験したことなかったもん。だから私は自信がついちゃった。多分彼を一生愛せるっておもったもんね。」
翠「そんでぇー・・・」
優子「彼氏は、すっごい忙しい人なのね。だから朝の新幹線で東京に帰った」
晃子「そんでお終い?。」
優子「数日後、私女友達と阿蘇に遊びに行ったの。それで大観峰から彼氏に電話したの。そしたら彼氏は『仏陀の寝姿が目に浮かぶようだよ』だって。熊本のことをよく知っているのね。それで、彼氏は『今成田空港にいる。突然の仕事で、しばらくアメリカに呼ばれてゆかなきゃならなくなったって。だから、しばらく帰れない!。』だって。そんとき私も正気に戻ったの。主婦感覚というのかなぁー。それでもとの鞘に収まったよん。そのあとは旦那のインポのお世話係。アーア、うちの旦那もインポになって外の女に捨てられて、去勢された犬だな。可愛くもないよ。家で飼っているだけ。だから私も気分転換に違うところで仕事をしようと思って小樽に来たの。」
晃子「もし彼氏と一緒になれたら幸せだった!?。」
優子「だって一時は、家庭も家も捨てて彼氏の元に走ってゆきたいとおもったもん。きっとお互いに身体の相性がとても良かったんだ。彼とは、それっきりだな。でもそれが私の人生で最高の思い出。いまもその思い出を大切にして頑張っているもん。」
晃子「うらやましい!。燃えるような恋に乾杯!!。」
(*^▽^*)
優子「先日Amazonのサイトで彼の名前を入れたら、ちゃんと本が出てくるんだ。それで一冊買ってみたの。内容は専門的だから私なんか全然わからないけど、それでもいい仕事をしたなって感じた。彼は有名人ではないけど、それでも自分のいる場所で一番いい仕事をしようと頑張っているわけ。彼らしいなって思って励まされちゃった。」
翠「人間は一生に一度、本気で恋をするときがあるんだ!!。」
晃子「一緒になっていたら、もっと幸せだったかもねぇー。」
優子「そこで主婦のバランス感覚が働くなんて、主婦は悲しい生き物ね!!!。インポの旦那とつまんない暮らしをしながら、いつも心の支えになる思い出を胸に秘めてさ・・・。」
・・・・
まだまだ夜が明けない小樽である。
空気が冷たい。