
緑色のオショロコマの謎
20XX年8月19日(日) 晴れ
この時期、オホーツクの川ではカラフトマスやサクラマスの遡上が活発になる。
特にこの Tyr川にはおびただしい数のサクラマスが遡上する。

アラスカではこれらマス類の産卵する卵を狙って大型のドリーバーデンが一緒に川を遡上するといわれ、これらのドリーバーデンたちはエッグイーターと呼ばれるようだ。
この川ではそのような傾向があるのかどうか不明だが、この時期には何故か緑色のオショロコマが大挙して現れる。




この色調のオショロコマは普段、この川の上流域ではまったく見かけず私たちは密かに海または下流域からエッグイーターとしてマス類を追って一緒に川を遡上してきたのではないかと想像している。しかし、その傍証は今のところまったく無い。
この日は朝9時に北見市を出発し、11時にはミドリオショロコマを釣り始めた。20-25cmの良型ミドリオショロコマが次々と釣れた。








少ないがヤマベも釣れる。






よく見ると川底の岩が場所によって、緑色のところがあり、この緑色を反映する形でミドリオショロコマの外観を呈している可能性も否定できない。魚類が体色を周囲の環境の色調に合わせる事は、たとえば海の魚ではよくある事だ。






期待していた銀ピカの遡上オショロコマ、大型のドリーバーデンはいなかったがミドリオショロコマを30匹ほど釣って撮影した。
撮影させていただいたオショロコマたちはいつも通りにすべて丁寧にリリースした。
日本広しと言えども遡上サクラマスを釣って罪に問われるのは何故か北海道だけだ(PS.本州でも一部河川では規制があるらしい。)。
このあたりはあまりにも遡上サクラマスが多いので、いつも密漁監視員がひそんでいる。
この時期の遡上サクラマスは滅多なことでは釣れないが万一、何かの間違いでサクラマスが針がかりしたらトラブルの原因となることもある。
実際にサクラマスの不可抗力ヒットはルアー釣り師の間ではさほど稀ではない事は周知の事実だ。
そこを目撃されたらサクラマス1匹で罰金30万円、しかも10日以内に納めなければならない。
全国の状況と比べればあまりにも理不尽な一方的な話だが北海道の法律では、そうなっているので仕方がない。
緑オショロコマの撮影はそんな意味の危険も一杯で、ちょっと緊張する。

