オショロコマの森ブログ5

渓流の宝石オショロコマを軸に北海道の渓流魚たちと自然を美麗画像で紹介します、

北海道の渓流から消えゆくカワマスの運命

2013-04-07 17:08:15 | カワマス
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20XX-11-26 曇り
カワマスとオショロコマの雑交 F1個体、ニジマス、黒オショロコマ、カワマスの4種類のトラウトが棲んでいるクレッソンの繁茂する道東湿原の渓流。

北海道の東部のN川水系支流にはクレッソンの繁茂する湿原の渓流がいくつかあり、クレッソンはニジマスとともにそれらの水系に移入された経緯があるので、そこには大抵ニジマスも生息している。

この渓流にはかってニジマスの他にカワマスも放流された。

現在、この渓流ではオショロコマとの交雑で純粋なカワマスはほとんど消えてしまった。

時々 、F1 雑種と思われる個体が発見されることによってカワマス放流の名残りを留めているに過ぎない。F1がいることは少ないながら純系カワマスも命脈を保っていることを示唆している。

一方、この湿原の渓流独特の黒いオショロコマは少なくとも外見的には純粋なオショロコマの形質を良く保っている。

米国の事例のように放流カワマスが交雑で在来のトラウトを全滅させたような状況は北海道では今のところ顕著ではない。

むしろ交雑で純粋なカワマスが消えてゆくパターンが主体と思われる。

総じて北海道におけるカワマスの現状調査は十分とは言えないというよりほとんど行われていないが、ここN川水系以外ではかって空知川水系でアメマスとカワマスの雑交が確認されたことがある。

しかし現在の現地の状況から見ると今はどうなっているのかは再調査を要する。(PS: その後の私たちの調査では空知川水系での当該水域ではカワマスなど棲むような環境は、すでに完全に消え去っていた。
 
今日は、12時から午後3時まで釣ってカワマスとオショロコマの 雑交F1個体を2匹、ニジマス4匹、黒いオショロコマ10匹を釣って撮影した。



ニジマスも少ないが確実に棲息している。





現在、この渓流の主役は再びオショロコマになってきている。








渓流の川面は繁殖したクレッソンでびっしり覆い尽くされてきている。










少ないながらカワマス×オショロコマの雑交F1 が2匹みられた。







今回は純粋なカワマスと思われる個体は釣れなかった。

恐らくDNA解析をすればこの黒いオショロコマからカワマスの遺伝子がみつかる可能性は高い。

この時期はクレッソンが川面を覆い尽くすように繁茂しているのできわめて釣りにくい。

水量はいつもより多めだが水温は13度くらいであまり冷たくはなかった。

川底は砂地から細かな砂礫状で強い流れで水深があり足場が崩れてゆくので歩きにくく、すぐ濁る。

この渓流で釣りをするには、イライラは禁物、かなりの忍耐が必要だ。

この日も撮影させていただいた渓流魚たちは全て丁寧にもとの場所にリリースしました。

今後も定期的にこの渓流の推移を撮影してゆこうと思う。




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