

20XX年6月9日。 知床半島、巨大オショロコマの渓流。
昨年からなんとかこの渓流に入ろうとしたが、種々の理由で断念してきた。今日は、思い切って断固、この渓流を攻めることにしたのだった。
最初は上流から急斜面を下って川に到達したが、下流域に向かうにはさらに崖のような急斜面を降りなければならない。
とうとう滑落する恐怖心に負けて引き返した。
このとき斜面の下に見えた、大きなたまりに巨大なオショロコマとおぼしき魚影がいくつも見えたので急にファイトが湧いてきた。
予定を変更し海岸にでて、しばらく海岸を歩いてこの渓流の河口に出た。河口から川をさかのぼって釣り場に到達する作戦に切り替えた。

海岸の河口から背の高いフキの密生する沢をどんどんつめて渓流をさかのぼりなんとか釣り場にたどりついた。

視界が悪いので熊がいたら相当まずいことになると思ったが杞憂であった。
いくつかの理由で人が入ることのない渓流には一般的に大きなオショロコマがいる。
振り込んだとたん、さきほど上流から見えた大きなオショロコマが細い渓流竿を満月のように引き絞る。
30cmから34cmまでの尺以上の大型オショロコマが次々と、合計7匹もかかった。





この他にも20匹ほどが釣れたがいずれも良型の個体であった。









一方、とある理由でこの渓流の水はお世辞にもきれいとは言えず川底は水量が少ないせいかヘドロ状の沈殿があり、すぐ濁るので撮影に困難が予想された。
撮影しようとすると大きなオショロコマが尾びれを一振りしただけで水がひどく濁ってしまい撮影不能だ。
苦肉の策で川底にフキの葉を敷いて、魚が暴れても川底の沈殿が舞い上がらないようにして撮影してみた。
これは正解で、なんとかきれいな大型オショロコマを撮影することが出来た。
本当はそのままの川底を背景にすべきだがこの際、仕方がなかった。
オショロコマたちは水中で手早く撮影して、いつも通りすべて丁寧に川にもどした。
北見への帰路、斜里岳がきれいに見えた。


いつもの、ローソンでの定番の夕食。

