

秘境知床 地の果て、ヒグマの川に棲むオショロコマ
この渓流、ルシャ川は一見何の変哲もないだらだらした川だ。
ヒグマがサケを捕る光景を手軽に撮影出来る川として一時期、多数の観光客や写真家などが訪れてシーズンにはとてもにぎわっていた川だ。
この渓流で撮影されたヒグマの写真集もずいぶん出版された。
知床が世界遺産に登録され、その後は厳重な規制がかかるようになり今ではほとんど入域が困難になっている。
ある年の6月の終わりにこの渓流のオショロコマを撮影したことがあるので記録しておきたい。
♂♀ともに成魚の特徴は体色がやや暗緑色調であることだ。
背部虫食い紋理は細かい。赤点紋理や、♂成魚のヒレや腹部は赤色調を呈し黄色くなるものはいない。
しかし、すぐ隣のポンベツ川やテッパンベツ川の個体群ほどに鮮やかなものは少ない。
この川には川虫など水生昆虫がとても豊富で、魚体はよく肥えて立派な体躯の個体が多い。
人為がかかわらない自然度の高い渓流のオショロコマはいかにも健康的だ。







小石をつづった巣をまとったカワムシが歩いています。








水中で手早く撮影させていただいたオショロコマたちは、全て丁寧にもとの場所にリリースしました。

