昨夜、札幌駅直結のJRタワー展望室T38で、「そらのバレンタインコンサート」が開かれた。毎年恒例のイベントで、佐藤香織のピアノ、ベースは鈴木由一、そして佐々木慶一のドラムという「DAY BY DAY」のハウスバンドにシンガーの稲川由紀が加わってのミニライブである。ジャズと一面に広がる夜景、チョコレート片手に愛を語るには最高のシチュエーションかもしれない。
お約束の「My Funny Valentine」も演奏された。このバレンタインは人名で、バレンタイン・デイにちなんだものではないが、いつの間にかこの日の定番になった曲だ。1937年にロジャースとハートの名コンビがミュージカル「Babes in Arms」のために書いたもので、この作品は名曲の宝庫と呼ばれている。ジュディ・ガーランドの名唱が聴こえてくる「I Wish I Were In Love Again」をはじめ、ジョージ・ウォーリントンがカフェボヘミアで毎晩演奏していた「Johnny One Note」、タイトルからはふしだらな女をイメージさせるが、自分に正直な女を表現している「The Lady Is A Tramp」・・・
そして、「Where or When」、全て同じミュージカルの挿入歌だ。「My Funny Valentine」ほどではないが、ストリングスをバックに美しいメロディを際立たせたクリフォード・ブラウンや、甘いトーンながら刺激的なフレーズで魅了するジョニー・スミス、速いテンポでリズミカルに仕上げたエロール・ガーナー等、インストの録音も多い。面白さで群を抜いているのはヴァイヴ奏者3人の競演だ。テリー・ギブス、ヴィクター・フェルドマン、ラリー・バンカーという1957年の録音当時トップを走る3人が和気藹々とマレットを叩いている。バトルよりも調和を優先した同種楽器の組合せは楽しい。
展望室は最上階の38階にあり、地上160mだという。ほとんどが若いカップルで、ジャズより360度に広がる札幌の夜景を楽しみに来たと思われるが、演奏中は静かに耳を傾けていた。生のジャズ演奏に初めて接する方もいたであろう。いつかどこかで夜景を眺めたとき、このライブを思い出すかもしれない。その夜の演奏はジャズファンをも唸らせる素晴らしい内容だった。
敬称略
お約束の「My Funny Valentine」も演奏された。このバレンタインは人名で、バレンタイン・デイにちなんだものではないが、いつの間にかこの日の定番になった曲だ。1937年にロジャースとハートの名コンビがミュージカル「Babes in Arms」のために書いたもので、この作品は名曲の宝庫と呼ばれている。ジュディ・ガーランドの名唱が聴こえてくる「I Wish I Were In Love Again」をはじめ、ジョージ・ウォーリントンがカフェボヘミアで毎晩演奏していた「Johnny One Note」、タイトルからはふしだらな女をイメージさせるが、自分に正直な女を表現している「The Lady Is A Tramp」・・・
そして、「Where or When」、全て同じミュージカルの挿入歌だ。「My Funny Valentine」ほどではないが、ストリングスをバックに美しいメロディを際立たせたクリフォード・ブラウンや、甘いトーンながら刺激的なフレーズで魅了するジョニー・スミス、速いテンポでリズミカルに仕上げたエロール・ガーナー等、インストの録音も多い。面白さで群を抜いているのはヴァイヴ奏者3人の競演だ。テリー・ギブス、ヴィクター・フェルドマン、ラリー・バンカーという1957年の録音当時トップを走る3人が和気藹々とマレットを叩いている。バトルよりも調和を優先した同種楽器の組合せは楽しい。
展望室は最上階の38階にあり、地上160mだという。ほとんどが若いカップルで、ジャズより360度に広がる札幌の夜景を楽しみに来たと思われるが、演奏中は静かに耳を傾けていた。生のジャズ演奏に初めて接する方もいたであろう。いつかどこかで夜景を眺めたとき、このライブを思い出すかもしれない。その夜の演奏はジャズファンをも唸らせる素晴らしい内容だった。
敬称略
先週の「Little Girl Blue」に続いてロジャースとハートの名コンビのナンバー「Where or When」を取り上げました。今週はこの曲のお気に入りをインストでお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 Where or When Best 3
The Art Tatum - Ben Webster Quartet (Verve)
Clifford Brown / With Strings (EmArcy)
Erroll Garner/ Concert By The Sea (Columbia)
他にもソニー・ロリンズをはじめジョニー・スミス、ジミー・スミス、レッド・ガーランド、ウィントン・ケリー等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Sonny Rollins 6tet - Where or When [1992]
https://www.youtube.com/watch?v=BqU4PCD6fj4
このとき、ロリンズ62歳、巨人は年を取らない
岸ミツアキの「Magical Jazz Cafe」。
最近、ライブもとんとご無沙汰ですが。
岸ミツアキの「Magical Jazz Cafe」がありましたね。洒落たジャケットですし、選曲も内容も申し分ありません。岸さんは藤岡琢也さんを偲ぶ番組に出演しておりました。感動ものです。
千歳空港がパンク寸前と全国ニュース・・・
春節のお休みで、北海道が中国の方々から大人気の様子!
お題の「Where or When 」・・困って居ります、絞りきれずの優柔不断!
R・ロジャースの名曲だからでしょうねぇ・・・名盤が沢山! ピアノ弾き盤に良いのが有り、ラッパ&リード盤にもこれ又良いのが!
≪ピアノ部門≫
①Hod O'Brien /So That's How It Is(reservoir)
*H・オブライエン盤の中でも出色盤!
② Ralph Sharon Trio /The Magic Of Richard Rodgers(nelson records)
*R・シャロンのR・ロジャーズソングブック盤、これも素敵なアルバムです!
③Joe La Barberra /Jazz on Broadway(verticaljazz)
*太鼓叩きラ・バーバラのアルバムですがP・スミスのピアノがとても好い感じ!
≪ラッパとリード部門≫
①Art Tatum /Group Master Pieses vol.8(pablo)
*ベンおっさんテナーもテイタムのピアノも最高!
②Clifford Brown / With Strings (EmArcy)
*素晴らし曲を素晴らしく。天才ブラウン!
③Joe Venuti and Zoot Sims (ciaroscuro)
*気持ちの好いズートのテナーとJ・ベヌーテイの直線的バイオリン。ジャケットも中々宜しい!
≪惜しくも選外≫
・Red Mitchell(bethlehem):R・ミッチェルのベースでH・ホウズがブルースっぽく。
・Jon Burr / 3 for All(cymekob):ベース弾きのJ・バーの盤、サーr ・ローランド・ハナのピアノが中々で御座います!
・Erroll Garner/Concert By The Sea(colombia):超特急リズム。 スピード違反気味では!流石ガーナー!
・Red Garland /The Nearness Of You(jazzland):超スローで。ガーランドの珠玉のコロコロ・パッセージが聴けます!
中国の方々から北海道が大人気は結構なことですが、マナーの悪さに閉口しております。狸小路のゴミは彼らが捨てたものです。
ホッド・オブライエンがありましたね。変わらぬスタイルに惹かれます。
ラルフ・シャロンは短い演奏ながらツボを押さえておりますね。
ラ・バーバラというよりポール・スミスの印象が強い「Jazz on Broadway」も平均点を上回っております。エヴァンスより叩きやすい感じです。
ホーンは私がトップに挙げたテイタムとベンがきましたね。スピードといいベンの入るタイミングといい申し分ありません。
Clifford Brown / With Strings はストリングス物のベストです。
ミディアム・テンポで威力を発揮するズートもいいですね。
ガーナーは選外のようですが、私は歌詞を無視したこのスピードが好きです。1972年に来日したとき聴きましたが、速い曲での唸りは半端ないです。
それぞれ印象が変りますが、覚えやすいメロディーで。
スロー派の代表格はレッドガーランド。いいですね。
そして、ウィントンマルサリス。
愛聴盤、Standards & Balladsの中に入ってました。
おっしゃるようにどのテンポでも決まる曲ですね。立て板に水で一気に聴かせるのはガーナーですが、スローではガーランドが素晴らしいです。音と音の「間」の美学とはこれでしょう。
マルサリスもありましたね。買ったときに一度聴いたきりかもしれません。聴き直してみましょう。
「いつかどこかで」という日本語タイトルが気に入っています。歌詞が印象的なこともあり、ヴォーカルの曲だと思っていましたが、意外にインストも多かったです。①は決まりです。
①The Art Tatum - Ben Webster Quartet (Verve)
②Wynton Kelly / Piano Interpretations (Blue Note)
③Johnny Smith / Johnny Smith Quintet (Roost)
②と③はかなり好みが入っています。快活な②、ムーディーな③と対照的です。どちらも、昔からの愛聴盤です。
「いつかどこかで」という邦題は直訳ですが詩的ですね。元は歌物ですがメロディが印象的なこともあり意外とインストも多いようです。
テイタム=ウェブスターは私もトップに挙げましたが、これは実にいい。ジャズのエッセンスが詰まった演奏です。
そしてケリーが挙がりましたか。初リーダー作ですね。何とこのとき、19歳です。マイルス・コンボでの活躍が約束された閃きのあるフレーズが飛び出します。
ジョニー・スミスの甘い音色でメロディがより美しく輝くようです。
Where or When Best 3
The Art Tatum - Ben Webster Quartet (Verve)
Clifford Brown / With Strings (EmArcy)
Hod O'Brien / So That's How It Is (Reservoir)
多くの音源がありますので割れましたが、テイタム=ウェブスターが一番人気でした。そして、数あるストリングス物のなかでもトップにランクされるクリフォード・ブラウンも広く聴かれているようです。
他にもエロール・ガーナー、岸ミツアキ、ラルフ・シャロン、ズート・シムズ、ウィントン・マルサリス、ウィントン・ケリー、ジョニー・スミス等々、多くの名演が挙がりました。今宵はお気に入りのホエア・オア・ホエンをお楽しみください。