「屋根の上のヴァイオリン弾き」で有名なジェリー・ボックが、1956年に発表した曲に「Too Close for Comfort」がある。58年のミュージカル「ミスター・ワンダフル」でサミー・デイヴィスJr.が歌って話題を呼んだ。ヴォーカル・ナンバーとして知られるが、インストに不思議な録音が多い。まず、アート・ペッパーだ。オープンリールのテープのみで販売された幻のオメガ・セッションである。今ではレコード化され幻ではなくなったが・・・
次にジェリー・マリガンとスタン・ゲッツのヴァーヴお得意の組み合わせがある。この録音では楽器を交換しているのだ。ノーマン・グランツ氏には申し訳ないがライブならともかくレコードで聴いたところでこの仕掛けは面白くも何ともない。そして極めつけはウォーン・マーシュのアトランティック盤だ。マーシュというとレニー・トリスターノの門下生という位置付けから格調高いクール、平たく言うとスウィングしないというレッテルが貼られていたが、このアルバムは1957年当時のマイルスのリズム・セクションだったポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズが参加していることからアンチ・トリスターノ派からも支持されている。
アルバムトップはこの曲だ。ピアノのロニー・ボールの短いイントロから、かすかにテナーが聴こえるのでこのままメロディに入るのかと思うと、何とここでチェンバースのソロが始まる。これが結構長い。チェンバースが一息付いたところでようやくマーシュが出てくる。トリスターノ派らしく思わぬフレーズが出てきて驚くが、展開はススリリングだ。構築されたソロも佳境を迎え、いよいよテーマに戻るというところで何とフェードアウトするのだ。エンディングでミスがあったのか、テープが切れたのか、理由はわからないが尻切れトンボとはいえ収録に値するソロには違いない。
ペッパーといえば1972年にリリースされた「The Way It Was」で、ペッパー本人がライナーノーツを執筆している。このアルバムにはマーシュとのセッションも収録されていて、ライナーでマーシュが使用するスケール、ノート、フレイジング、タイム、その全てが好きだとべた褒めしていた。そして、マイルスのように常に正しい音を選び演奏すると。ミーツ・ザ・リズム・セクションで目指したものがわかったような気がする。
次にジェリー・マリガンとスタン・ゲッツのヴァーヴお得意の組み合わせがある。この録音では楽器を交換しているのだ。ノーマン・グランツ氏には申し訳ないがライブならともかくレコードで聴いたところでこの仕掛けは面白くも何ともない。そして極めつけはウォーン・マーシュのアトランティック盤だ。マーシュというとレニー・トリスターノの門下生という位置付けから格調高いクール、平たく言うとスウィングしないというレッテルが貼られていたが、このアルバムは1957年当時のマイルスのリズム・セクションだったポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズが参加していることからアンチ・トリスターノ派からも支持されている。
アルバムトップはこの曲だ。ピアノのロニー・ボールの短いイントロから、かすかにテナーが聴こえるのでこのままメロディに入るのかと思うと、何とここでチェンバースのソロが始まる。これが結構長い。チェンバースが一息付いたところでようやくマーシュが出てくる。トリスターノ派らしく思わぬフレーズが出てきて驚くが、展開はススリリングだ。構築されたソロも佳境を迎え、いよいよテーマに戻るというところで何とフェードアウトするのだ。エンディングでミスがあったのか、テープが切れたのか、理由はわからないが尻切れトンボとはいえ収録に値するソロには違いない。
ペッパーといえば1972年にリリースされた「The Way It Was」で、ペッパー本人がライナーノーツを執筆している。このアルバムにはマーシュとのセッションも収録されていて、ライナーでマーシュが使用するスケール、ノート、フレイジング、タイム、その全てが好きだとべた褒めしていた。そして、マイルスのように常に正しい音を選び演奏すると。ミーツ・ザ・リズム・セクションで目指したものがわかったような気がする。
「トゥー・クロース・フォア・コンフォート」は、メリハリのあるメロディですのでソロからビッグバンドまで、どのような編成でも面白い展開になります。今週はこの曲のお気に入りをインストでお寄せください。
管理人 Too Close for Comfort Best 3
Art Pepper / The Art Of Pepper (Omega Sessions)
Jutta Hipp With Zoot Sims (Blue Note)
Mal Waldron / Mal 4 (New Jazz)
ジャケット・ベスト
Marty Paich / Broadway Bit (Warner Bros)
次点
Curtis Counce / You Get More Bounce (Contemporary)
共に演奏内容も申し分ありません。
他にもカール・パーキンスをはじめミルト・ジャクソン、クリスチャン・マクブラド等々、多くの名演があります。
Art Pepper. Too close for comfort.
https://www.youtube.com/watch?v=uafKryzJbWo
軽快で舞いあがってほしい曲です。この曲をまず知ったのは、メル・トーメの唄だったのですが、そこにも伴奏で参加していたペッパーの演奏がなんといってもいいですね。
①Art Pepper / The Art Of Pepper (Omega Sessions)
②Zoot Sims / Zoot Sims In Paris (United Artists)
③Mal Waldron / MAL 4 (Prestige)
②は、ズート・シムズの素晴らしいスインガーぶりが発揮されているパリのライブにしてみました。ユタ・ヒップもズートなのですが。③は、ピアノトリオでマル・ウォルドロンです。そういうわけで、dukeさんとほとんど同じです。
他に挙がっていないものでは、Bob Keene(Del-FI)がありました。僕が知らないだけかもしれませんが、最近は、あまり取り上げられないのでしょうか。
暖かい日でした・・・「雨水」そして「春節」が過ぎ関東は春!
御題「 Too Close for Comfort 」を聴き返して見ました!
①Marty Paich / Broadway Bit (Warner Bros)
*ジャケットだけじゃ有りません。メンバー良し!アレンジ良し!A・ペッパーのソロの何とも好い事!
②Jutta Hipp With Zoot Sims (Blue Note)
* こいつか?「Zoot Sims In Paris 」か?迷いましたが・・ジャケットで!
③Eddie 'Lockjaw' Davis with Shirley Scott/
'Jaws' (prestige)
*ブヒブヒ系テナー吹きのロックジョーとスコット姐さんのアルバム。ご想像通りの出来上がりアルバムです!この組み合わせ何故かお好み!
同率③Oscar Peterson/Another Day(MPS)
*MPSのピーターソン盤です。MPS時代のピーターソンは檻から出たライオンの如く、手が付けられない程の凄さ「百獣の王」!
ジャケのナンバー②はdukeさんに同意、Curtis Counce / You Get More Bounceに1票です。
ヴォーカルではメル・トーメが声質や唱法がピッタリのように思います。ペッパー・ズート・マルの選出ですが、語呂がいいですね。ジャズ喫茶では3枚セットでかけることがありますので、この組み合わせも良いかもしれません。
ペッパーのオメガは群を抜いておりますね。カール・パーキンスはこの曲が好きなようでして自身のアルバムでも録音しております。どちらもいいソロです。
ズート・シムズはパリのライブが挙がりましたか。ワンホーンでミディアム・テンポ、ズートの本領発揮です。アンリ・ルノーも快調ですね。
マルは私も挙げましたが、明るい曲をここまでブルージーにしたのは見事です。
ボブ・キーンは聴いておりません。クラでも面白い演奏になるでしょう。
今日はこちらも暖かったです。開幕戦のチケットも入手しましたので春近しです。
トップにマーティ・ペイチの踊り子がきましたか。洗練されたアレンジはさすがです。ジャケで語られる1枚ですが、じっくり聴くとなかなかのものです。
そして私も挙げたズートとヒップ、このレコードを最後にジャズ界を去るヒップだけに特別な感情が移入されているように思います。白人の組み合わせが珍しいブルーノート盤です。
ロックジョーとスコット嬢(ここ笑うところです)の組み合わせもコテコテですが、たまに聴きたくなります。
MPS時代のピーターソンはおっしゃるように暴れまくっておりますね。自分のピアノがこんなに良い音だったと知ったのがこのMPSの録音でしたので、一段と力が入ったのでしょう。
カーティス・カウンスもまずまずの内容です。
アートのアルト、ズートのテナー、ゲッツのバリトンの3枚を選定しました。
Art Pepper / The Art Of Pepper
Jutta Hipp With Zoot Sims
Mulligan Meets Getz
この企画、マリガンのアイディアだと書いてあるようですが、いずれにしても失敗だと思います。が、この曲を聴きなおしました、ゲッツのバリトンが実に素晴らしいのですね。 まーマリガンのテナーは・・ですが(笑)
このレコードはB面を聴けば良いのです。
贔屓が過ぎるかも知れませんが、ゲッツのバリトンが聴けるという意味では貴重かもしれないと思っております。
色々言われ低ますが、松坂頑張れ!(笑)
こんばんは。
私のこの曲との出会いは、ベイシーオーケストラをバックにした、エラとジョーウリアムスのデュエットでした。
それにしても、いつもアートペッパーが上位に登場しますね。
今回も、まずはアートペッパーに二票。
アルバム的には、踊り子ファンなのでこれが一位ですが、これでもフィーチャーされているのは、ペッパーのアルトでした。
もう一枚は、ウォーレンバシェのコンコルドの初リーダーアルバムJillian。この手の曲はモダンスイング系の演奏にも良く合います。
番外ですが、フィルウッズが比較的最近、Groovin' to Marty Paichという、アートペッパープラスイレブンのカバーアルバムを出していますが、その中で踊り子のこの曲もやってます。
アルト、テナー、バリトンと順序良くホーンが3本並びましたね。ペッパーは文句なしの名演です。次いでヒップとズートも好演です。美女のピアノをバックにズートも気持ちよさそうです。
マリガン、ゲッツは楽器交換で度々話題になりますが、内容はともかくとしてゲッツのバリトンは貴重ですね。これで人としてグッドマンなら最高なのですがぁ。(笑)来週はゲッツ絡みの曲を話題にしましょう。
松坂は結果を出さない限りあれこれ言われるでしょう。松坂をはじめ松坂世代は正念場になる年だと思います。日ハムでは木佐貫洋がおりますので活躍してほしいですね。そうそう、日ハム戦でデッドボールを装った巨人の加藤健も松坂世代でした。あの事件があってからは札幌ドームに来れないようです。
開幕戦のチケットは入手できました。2日間で完売しましたので、今期の期待は大きいのでしょう。
来週は黒岩静枝さんの九州ツアーです。3/2(月)中津市、3/3(火)北九州市、3/4(水)福岡市ですのでお時間があればどうぞ。
エラとジョーのデュエットがありましたね。メリハリのある曲ですので、ベイシーが得意とするナンバーでしょう。
ペッパーに二票きましたか。踊り子はジャケットで売ろうというレコードですが、内容もしっかりしております。ジャケ買いした方は二度楽しめるアルバムです。踊り子といい、お風呂といい本物のエロスとはこれですね。
ウォーレン・バシェは初リーダーアルバムながら貫禄がありますし、趣味の良い選曲です。ペッパー・アダムスに似たようなタイトルのアルバムがありましたね。
フィル・ウッズのゴージャスなビッグバンドも楽しめる1枚です。若いころのキレはありませんが、気持ちよさそうに吹いております。「Bernie's Tune」のアレンジは面白いですね。
今週のお題もペッパーが頭の中に鳴り響く。
でも、あえて、、、「インテンシティ」を。
ズートも何回も録音していますね。
ここはあえて「ゴーズ・トゥ・ジャズヴィル」。
ところで、手持ちのドーン盤を探していたら、
「サヴォイでストンプ」を発掘。
ディック・ガルシア「ア・メッセージ・フロム・ガルシア」
最初に頭に浮かんだ「ギター+アルト」はコレだったか。。