2月に入り各球団、春季キャンプがスタートした。毎年のことだが暖かい沖縄県と宮崎県に集中している。各地とも広い球場と整った施設を備えているのでシーズンに向けて準備をする選手たちにとって最適の地といえる。贔屓のチームは毎年沖縄県名護市だったが、今年は沖縄入りする前にアメリカのアリゾナ州ピオリアをキャンプ地に選んだ。提携球団であるサンディエゴ・パドレスの施設を利用してトレーニングに励むという。
アリゾナ州といえばメキシコ国境近くのガルスで生まれたチャールズ・ミンガスがいる。以前にもマクリーンとモンテローズのホーン2本でビッグバンドの迫力を出したミンガス・ミュージックの極致「直立猿人」、ドルフィーとテッド・カーソンが怒れるベーシストの主張をダイレクトに表現した最高傑作「Mingus Presents Mingus」、またニューポート・ジャズフェスの在り方に疑問を呈した「Newport Rebels」を話題にした。今回は異色作だ。ミンガスのアルバムはどれも異色作と言われそうだが、何とタイトルの如くピアノを弾いているのだ。
ピアニスト以外でも一流のプレイヤーとなればピアノの素養もある。例えば録音中、喧嘩した挙句帰ったガーランドに代わって弾いたマイルスや、ギャングに脅されてドラムを叩かなかったらピアニストになっていたかもしれないブレイキーに、コンサートでピアノを弾きたがるマリガン、エヴァンスと勝負するブルックマイヤー、どっちが本職がわからないほどのテクニックを誇るヴィクター・フェルドマンにエディ・コスタ等、ピアノが上手いプレイヤーは多い。ただミンガスが凄いのはソロでアルバム全編弾いていることだ。よく歌うとか、スウィングする、というピアノではないが、下手ではないし、たどたどしさもない。
憧れのエリントンに学んだところもにおわせるが、作曲の延長ともいえる独創的なスタイルなのだ。ヴァーノン・デュークが作曲した名品「I Can't Get Started」を取り上げているのだが、このトラックをブラインド・クイズで出されたらモンクか、いやランディ・ウエストン?それともマル、まさかサン・ラか。間違いなく悩む。それで邦題は答えが出ないため「言い出しかねて」となる。
アリゾナ州といえばメキシコ国境近くのガルスで生まれたチャールズ・ミンガスがいる。以前にもマクリーンとモンテローズのホーン2本でビッグバンドの迫力を出したミンガス・ミュージックの極致「直立猿人」、ドルフィーとテッド・カーソンが怒れるベーシストの主張をダイレクトに表現した最高傑作「Mingus Presents Mingus」、またニューポート・ジャズフェスの在り方に疑問を呈した「Newport Rebels」を話題にした。今回は異色作だ。ミンガスのアルバムはどれも異色作と言われそうだが、何とタイトルの如くピアノを弾いているのだ。
ピアニスト以外でも一流のプレイヤーとなればピアノの素養もある。例えば録音中、喧嘩した挙句帰ったガーランドに代わって弾いたマイルスや、ギャングに脅されてドラムを叩かなかったらピアニストになっていたかもしれないブレイキーに、コンサートでピアノを弾きたがるマリガン、エヴァンスと勝負するブルックマイヤー、どっちが本職がわからないほどのテクニックを誇るヴィクター・フェルドマンにエディ・コスタ等、ピアノが上手いプレイヤーは多い。ただミンガスが凄いのはソロでアルバム全編弾いていることだ。よく歌うとか、スウィングする、というピアノではないが、下手ではないし、たどたどしさもない。
憧れのエリントンに学んだところもにおわせるが、作曲の延長ともいえる独創的なスタイルなのだ。ヴァーノン・デュークが作曲した名品「I Can't Get Started」を取り上げているのだが、このトラックをブラインド・クイズで出されたらモンクか、いやランディ・ウエストン?それともマル、まさかサン・ラか。間違いなく悩む。それで邦題は答えが出ないため「言い出しかねて」となる。
「言い出しかねて」という邦題が付いている「I Can't Get Started」は、1937年に公開されたレビュー「Ziegfeld Follies」のためにアイラ・ガーシュウィンとヴァーノン・デュークのコンビが書き下ろした曲です。レビューではボブ・ホープが歌いましたがヒットしなかったようです。トランぺッターのバニー・ベリガンが録音したものが人気を呼び、今も歌われ演奏されている息の長い曲です。
今週はこの曲のお気に入りをインストでお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 I Can't Get Started Best 3
Sonny Rollins / Night At The Village Vanguard (Blue Note)
Clifford Brown - Max Roach / In Concert (GNP)
Bud Powell / In Paris (Reprise)
他にもチャーリー・パーカーをはじめレスター・ヤング、ソニー・スティット、ブッカー・アーヴィン、リー・コニッツ&ウォーン・マッシュ、サド・ジョーンズ、ブルー・ミッチェル、ジョー・パス、セダー・ウォルトン、アンドレ・プレヴィン等々、多くの名演があります。
エリントンもあったと思い聴き直したらレイ・ナンスのヴォーカルが入っておりました。トランペットにヴァイオリン、そしてヴォーカル、全て一流です。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
I CAN'T GET STARTED - Bunny Berigan 1937
https://www.youtube.com/watch?v=z2BuWDhuT2I
写真はありませんが、おそらくトランペットをダラーンと下げて歌ったのでしょう。絵になります。
Maynard Ferguson & Al Hirt - I Can't Get Started
https://www.youtube.com/watch?v=PDgGNOjIj-E
トランぺッターは歌うのが好きなのかファーガソンも歌っております。若いころのようにハイノートはヒットしませんが味があります。それにしてもバックが凄い。
大好きなミンガスネタでしたので、朝から喰い付きましたよ(笑)
ミンガスはこの曲が大好きだったのだと思います、何度も録音しています。
名演は数多くありますが、今回はミンガスでまとめてみました。
1.Jazz Portraits(UA)
ジョン・ハンディーのアルトは名演だと思います、ミンガスのぶっといベースソロも素晴らしいです。
2.Mingus Three(Jubilee)
馬さんのピアノとミンガスのベースの絡み、最高です。
Paul Blay/Introducing(Debut)
ブレイのデビュー盤ですが、これにしたって、ミンガスがこの曲やれって言ったと思っています(笑)
ミンガスのピアノも良いですね、本職です!
余談ですが、このレコードにローランド・カークス・メッセージと言う曲がありますね。
ミンガスはライナーでもカークを尊敬しているという様なことも書いてあると思いますが、彼らに確執があったのでしょうかねぇ?
てなわけで、同じものを1位に。ちょっとだけひねって、同じ内容のものですが、僕が聴いたレコードの方のタイトルで(笑)
1.ミンガス・ワンダーランド(UA) 54さんとまったく同じ感想です。ジョン・ハンディの畢生(ひっせい)の名演だと思います。強くて重いくっきりしたアルトの音色で、迷いなく奏でる「言い出しかねて」のメロディ。そのアルト吹奏に感じ入った・・・と思われるミンガスのベースソロも絶品です。
2.ロリンズ/ヴィレッジ・ヴァンガード
~文句なし!男の純情!ロリンズっ!(笑)
3.ジョン・ルイス/グランド・エンカウンター
~実はあまり好きではなかったジョン・ルイス・・・この人のピアノを初めて「ちょっといいな」と思ったのが、このルイスのピアノソロ。華麗さとは対極のポツン・ポツンと鳴るピアノ。
ミンガス絡みのベストありがとうございます。ミンガスの3枚ときいてワンダーランドとジュビリー盤は直ぐに思い出しまたが、ポール・ブレイを出してくるとはさすがですね。ミンガスにこの曲を知っているか言われて、「無礼な」と言ったとか言わないとかですね(笑)
Jazz Portraits はジョン・ハンディに尽きます。ハンディといえばスパニッシュ・レディしか評価されませんが、ミンガス時代のパワーや「In The Vernacular」の「I'll Close My Eyes」でみせた歌心を聴いてほしいですね。
そして Mingus Three、ベースがのっけからグングンきます。馬さんはペッパーやビル・パーキンスとの共演とは一味も二味も違う恐怖(笑)や興奮を覚えたことでしょう。
ミンガスとカークの間には確執とまではいわないものの音楽上でぶつかり合いはあったようです。ジョン・クルース著の「ローランド・カーク伝」に詳しく書かれております。ともに天才ですので意見の衝突は当然と言えます。
トップにミンガス・ワンダーランドがきましたか。今のところトップですね。
>こんなのを挙げるとは・・・M54さんとbassclef さんの2票だとは思いますが(笑)
ハンディここにありという名演です。ミンガス・グループ出身者は曲者ばかりで、その強烈な個性のため好みが割れますが、ハンディは日本人好みの音色とフレーズ作りをする人に思えます。
そしてロリンズ、私にとってはこの曲のスタンダードです。歌物に絶対必要な歌心とスタンダードというメロディの解釈、またその表現方法、すべての点で満足させてくれます。
ジョン・ルイスのグランド・エンカウンターがありましたね。トリオのせいか忘れておりました。bassclef さんもルイスは好みではないようですが、私が知っている札幌の数店のジャズバーのマスターもそのようです。一番通う店のマスターに騙されたと思ってこのレコードを買え、と勧めました。聴きどころは「Love Me or Leave Me」のビル・パーキンスが入ってくる瞬間です。聴かずに死ねるかこの一瞬です。
この曲は、メロディーが素晴らしく、だれが演奏してもそれなりによいですが、思い入れがあるアルバムでの演奏中心に聴いてみました。ということになれば圧倒的にロリンズです。
①Sonny Rollins / Night At The Village Vanguard (Blue Note)
②Charlie Parker / Night and Day (Verve)
③Bud Powell / In Paris (Repise)
豪放で次々と旋律を繰り出していくロリンズは魅力的です。パーカーは、ビッグバンドのバックですが、音色、フレーズともに傑出している気がしました。この曲は、本来バラードでなくて、明るめの楽しい演奏でもいい気がしますが、バラード扱いの一番手に挙げたいパウエルの演奏です。
他にもたくさんありました。意外とクラリネットの音色がこの曲にあっていて、バディ・デフランコ(「Cokking The Blues」)あたりも面白く聴きました。
ヴァーノン・デュークの曲では「パリの四月」や「ニューヨークの秋」といった季節を切り取ったメロディーも素晴らしいのですが、ベストはこの曲と思います。おっしゃるように誰が演奏してもそれらしくなる、という名曲の鉄則を踏まえております。
トップにロリンズがきましたね。これでミンガス・ワンダーランドがきたら、これから私のベストは後出しにしようかと思いました(笑)この曲を最初に聴いたのがロリンズで、この先も聴くのがロリンズです。
そしてパーカー、アンサンブルから抜け出てくるアルトは美しいですね。
パウエルは私も挙げましたが、ピアノ物では群を抜いております。エリントンのプロデュースが大きいのでしょうが、パウエルも好調です。
デフランコもありましたね。ソニー・クラークが参加しているので、このレコードでデフランコを知った方も多いと思われますが、モダンなクラリネットです。
I Can't Get Started Best 3
Sonny Rollins / Night At The Village Vanguard (Blue Note)
Charles Mingus / Jazz Portraits : Mingus in Wonderland (UA)
Bud Powell / In Paris (Repise)
ロリンズとミンガスが人気でした。ミンガス盤のジョン・ハンディは強烈です。ピアノ物ではパウエルが突出しております。
他にもブラウン・ローチ、ミンガス・スリー、ポール・ブレイ、ジョン・ルイス、パーカー等が挙がりました。それぞれ個性際立つ名演ばかりです。
今宵はお気に入りの「言い出しかねて」をお楽しみください。