日本の話だがブルーノートで一番売れたレコードといえば「Cool Struttin'」だ。この超名盤、本国ではさっぱり売れなかったというから面白い。リリースされたのは1958年10月なので日本に入ってきたのは翌年だ。当時から営業していた「ちぐさ」や「ママ」、「イトウコーヒー」、「汀」、「KI-YO」等で連日かかったことで火が付いた。演奏内容といいジャケットといい、これほどジャズ喫茶の空間で映えるレコードは他にはないだろう。
では売れなかったレコードは?バーゲンセールの最終日にブルーノート・コーナーをのぞくとわかる。まず「The Three Sounds」だ。ジャケットで売れる「Moods」以外は残っている。「Alligator Bogaloo」や「Blacks And Blues」のファンク系も人気がない。そしてサム・リヴァース。「Fuchsia Swing Song」と「Contours」はフリー・ジャズや新主流派ファンに好評だが、問題は「A New Conception」だ。スタンダードを演奏したことで硬派のジャズファンからはコマーシャルだと酷評され、スタンダードを吹いたからといってリヴァースの咆哮に拒絶反応を示す人は手を出さない。
このアルバムが録音されたのは1966年なので丁度半世紀経ったことになる。「What A Difference A Day Made」を改めて聴いてみた。いきなり咆えるリヴァース節からやんわりとテーマに入っていくのだが、歌物とは思えない激しい展開にもっていく。今聴くとそれほど違和感はないが当時の解釈としては異質なものだったろう。前2作は64年にマイルス・バンドの一員として来日したご祝儀でそこそこ売れたものの、本国では売れない。そこで一般受けするジャケットでスタンダード集となった。ライオンの顔を立てつつ自身のスタイルを貫くギリギリのリヴァースがそこにいる。
ところで、このレコードがジャズファン以外に注目されたのをご存知だろうか。演奏内容ではない。オーストラリアにしか生息していないエミューのようなジャケットだ。モデルをよく見てほしい。誰かに似てはいないだろうか。66年頃といえば石原裕次郎と組んだ映画「二人の世界」や「夜霧よ今夜も有難う」が大ヒットしている。日活のポスターと一緒に飾っている浅丘ルリ子ファンがいるかもしれない。
では売れなかったレコードは?バーゲンセールの最終日にブルーノート・コーナーをのぞくとわかる。まず「The Three Sounds」だ。ジャケットで売れる「Moods」以外は残っている。「Alligator Bogaloo」や「Blacks And Blues」のファンク系も人気がない。そしてサム・リヴァース。「Fuchsia Swing Song」と「Contours」はフリー・ジャズや新主流派ファンに好評だが、問題は「A New Conception」だ。スタンダードを演奏したことで硬派のジャズファンからはコマーシャルだと酷評され、スタンダードを吹いたからといってリヴァースの咆哮に拒絶反応を示す人は手を出さない。
このアルバムが録音されたのは1966年なので丁度半世紀経ったことになる。「What A Difference A Day Made」を改めて聴いてみた。いきなり咆えるリヴァース節からやんわりとテーマに入っていくのだが、歌物とは思えない激しい展開にもっていく。今聴くとそれほど違和感はないが当時の解釈としては異質なものだったろう。前2作は64年にマイルス・バンドの一員として来日したご祝儀でそこそこ売れたものの、本国では売れない。そこで一般受けするジャケットでスタンダード集となった。ライオンの顔を立てつつ自身のスタイルを貫くギリギリのリヴァースがそこにいる。
ところで、このレコードがジャズファン以外に注目されたのをご存知だろうか。演奏内容ではない。オーストラリアにしか生息していないエミューのようなジャケットだ。モデルをよく見てほしい。誰かに似てはいないだろうか。66年頃といえば石原裕次郎と組んだ映画「二人の世界」や「夜霧よ今夜も有難う」が大ヒットしている。日活のポスターと一緒に飾っている浅丘ルリ子ファンがいるかもしれない。
「縁は異なもの」という邦題が付いている「What A Difference A Day Made」は、1934年にメキシコ人の女性作曲家マリア・グレベールが作った曲です。ダイナ・ワシントンのヴォーカルで有名ですが、今週はインストでお気に入りをお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。「Made」が「Makes」になっているタイトルもありますが同じ曲です。ダイナのアルバムタイトルが「What a Diff'rence a Day Makes!」だったことから混同しているのかもしれません。
管理人 What A Difference A Day Made Best 3
Sonny Rollins / Plus 3 (Milestone)
Wynton Kelly / Full View (Milestone)
Lorraine Geller / At The Piano (Dot)
ヴォーカルに比べると多くの録音はありませんが、他にもチェット・ベイカーをはじめハンク・クロフォード、マルグリュー・ミラー等の名演があります。
夜霧よ今夜も有難う
https://www.youtube.com/watch?v=teOcfTqOHkA
ムード・アクションと呼ばれる映画です
縁は不思議なものだな、と思うことが多々あります。
グラッペリ&ケッセル「ジャンゴの想い出」(ブラックライオン)
この4曲目が「縁は異なもの」ですが、その前3曲目が「言い出しかねて」・・・乙なものです。
グラッペリ&ケッセルのジャンゴがありましたね。改めてラインハルトの偉大さを感じます。ジョン・ルイスが書いた「Django」が美しいのもうなずけます。
前の曲が「言い出しかねて」とは面白い。来週は「More Than You Know」か?一度話題にしていますので、それはありません(笑)
ダイナ・ワシントンをはじめヴォーカルは多数ありましたが、インストは数えるほどしかありませんでした。ポップスのイメージが強いせいでしょうか。それでも、3つ挙げてみました。ロリンズは持っていないので、断然ケリーです。
Wynton Kelly / Full View (Milestone)
Eric Alexander / In Europe (Criss Cross)
Lorraine Geller / At The Piano (Dot)
ウィントン・ケリーのバラードは、音色が美しく、くつろぎも感じられるので大好きです。比較的新しいものから、エリック・アレキサンダーがオルガントリオをバックに録音したものを挙げました。テンポ早めで、新しめのハードバップ演奏で、すかっと聴けます。
挙がっていないものでは、ボブ・ゴードン「Meets Mr.Gordon」がまずまずで、ベニー・グッドマン「Happy Session」、バド・シャンク「I'll Take Romance」なんていうのもありました。
ポップス・ナンバーとはいえダイナが歌っておりますので、インストもそれなりに録音があると思ったのですが、意外に少ないですね。
トップにケリーがきましたか。66年の録音ということもあり落ち着いた感じです。ロン・マクルーアの初期のベースも貴重です。
エリック・アレキサンダーは聴いておりません。オルガントリオがバックとは珍しいですね。試聴しましたが、イメージはエスター・フィリップスのヴァージョンでしょうか。
ロレイン・ゲラーはジャケットよし、内容よしです。これが遺作とは残念です。
ボブ・ゴードンもありましたね。バリトンではチョッと重い感じがします。グッドマンとバド・シャンクはまずまずの好演です。
ロリンズのこのトラックはトミー・フラナガンが参加しておりますので聴きごたえがあります。
What A Difference A Day Made Best 3
Wynton Kelly / Full View (Milestone)
Sonny Rollins / Plus 3 (Milestone)
Lorraine Geller / At The Piano (Dot)
多くの投票はいただけませんでしたが、ケリーが広く聴かれているようです。ロリンズはトミー・フラナガンの好サポートもありロリンズ節が炸裂しております。ロレイン・ゲラーは上品な1枚です。他にもグラッペリ&ケッセル、エリック・アレキサンダーが挙がりましたが、それぞれ個性際立つ名演ばかりです。
今宵はお気に入りの「縁は異なもの」をお楽しみください。