初代内閣総理大臣である伊藤博文は、明治天皇から「女遊びもいい加減にしてはどうかね」と、じきじき苦言を呈されたほど芸者好きだったそうだ。塩田丸男著「言いわけ読本」(白水社刊)によると、「囲い者ではありません。公許の芸人を公然と招いているのです」と答えたという。公許の芸人とは芸者のことを言い繕った言葉であり、建前は芸を売る商売だから芸人には間違いない。この言いわけに明治天皇は納得なさったとのことだ。
こんな理屈の通った言いわけを出来なかったのはジミー・モンローである。妻のビリー・ホリデイに、シャツに口紅の跡があることを問い詰められ、しどろもどろで苦しい言いわけをした。この実際の出来事を元にしてビリー自身が作った歌が、「ドント・エクスプレイン」だ。♪Hush now, don't explain Just say you'll remain...の歌詞は、「一緒にいてくれるなら女を作ってもいい、私にはあなたしかいないの」という男に縋らなければ生きていけない女の弱さ、哀しさ、悔しさ、嘆きまでをも表している。それは生涯、男に裏切られ、男運に恵まれなかったビリーならではの痛いほどの女の叫びなのだろう。
実生活の男運を抜きにしても哀しいまでの女心は一度は歌いたい曲とみえて多くの女性シンガーが取り上げている。感情をグッと抑えて歌うのはノルウェー出身のインガー・マリエで、デビュー2作目ながら遅咲きということもあり十分なキャリアに裏付けられた貫禄だ。デビュー作「Make This Moment」でノルウェー独特の気品にあふれた歌声に注目された方もあろうが、この「By Myself」は一歩踏み込んだ大人のヴォーカルであり、それはワインを愉しみタバコを燻らすジャケットからも伝わってくる。この曲を取り上げるシンガーは皆同じだが、ビリーへの尊敬の念が込められており何れ劣らぬ名唱が並ぶ。
言いわけといえば被災地で、「知恵を出したところは助けるが、出さない奴は助けない」と言って、就任わずか9日目で辞任した暴言大臣は、九州生まれのB型で短絡的なところがあって・・・と釈明していた。引き際を忘れたどこぞの首相と比べると潔い辞任ではあるが、言いわけひとつにも知恵を出せず、女性誌みたいな統計学的論理で出身地や血液型を持ち出されては迷惑というものだ。小生もB型である。
こんな理屈の通った言いわけを出来なかったのはジミー・モンローである。妻のビリー・ホリデイに、シャツに口紅の跡があることを問い詰められ、しどろもどろで苦しい言いわけをした。この実際の出来事を元にしてビリー自身が作った歌が、「ドント・エクスプレイン」だ。♪Hush now, don't explain Just say you'll remain...の歌詞は、「一緒にいてくれるなら女を作ってもいい、私にはあなたしかいないの」という男に縋らなければ生きていけない女の弱さ、哀しさ、悔しさ、嘆きまでをも表している。それは生涯、男に裏切られ、男運に恵まれなかったビリーならではの痛いほどの女の叫びなのだろう。
実生活の男運を抜きにしても哀しいまでの女心は一度は歌いたい曲とみえて多くの女性シンガーが取り上げている。感情をグッと抑えて歌うのはノルウェー出身のインガー・マリエで、デビュー2作目ながら遅咲きということもあり十分なキャリアに裏付けられた貫禄だ。デビュー作「Make This Moment」でノルウェー独特の気品にあふれた歌声に注目された方もあろうが、この「By Myself」は一歩踏み込んだ大人のヴォーカルであり、それはワインを愉しみタバコを燻らすジャケットからも伝わってくる。この曲を取り上げるシンガーは皆同じだが、ビリーへの尊敬の念が込められており何れ劣らぬ名唱が並ぶ。
言いわけといえば被災地で、「知恵を出したところは助けるが、出さない奴は助けない」と言って、就任わずか9日目で辞任した暴言大臣は、九州生まれのB型で短絡的なところがあって・・・と釈明していた。引き際を忘れたどこぞの首相と比べると潔い辞任ではあるが、言いわけひとつにも知恵を出せず、女性誌みたいな統計学的論理で出身地や血液型を持ち出されては迷惑というものだ。小生もB型である。
Don't Explain Best 3
Helen Merrill with Clifford Brown (EmArcy)
Etta James / Mystery Lady (Private Music)
Lorez Alexandria / Early In The Morning (Argo)
やはりメリル強しでした。ブラウニーの参加も相俟ってキラリと光る名盤ですが、ユービーソーとともにこの曲も名唱といっていいでしょう。
他にも言い訳できない名唱が数多く挙がりました。今宵はお気に入りの歌に浸ってみましょう。
ジャズのミムラに訪れたことはありませんが、三村晃夫氏のジャズへの愛着は日頃から敬服しているところです。
ジャズとともに歩んだ人生、レコードを愛してやまない人生、安らかに。
関西のジャズマニアなら知らぬ人のいない、
大阪梅田のジャズ専門店「ジャズのミムラ」の店主、
三村晃夫氏が、29日未明急逝なさいました。
あまりのことに、未だに信じられません。
何かの冗談ではないか、と。
電車の中で突然倒れられ、病院に搬送されるも、
意識不明のまま息を引き取られた、とのことです。
急逝心不全ということですが、詳細は不明です。
僕も帰阪する際にはよく立ち寄らせて頂きましたが、
マニアックな品揃えと懇切丁寧な対応で、
大好きなお店でした。
残念でなりません!
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。
シダー・ウオルトンのピアノがなければこのアルバムもこれだけ深みを増さなかったでしょう。何気ないバックでもキラリと光るものがあります。来週はウオルトン参加のアルバムを話題にしましょう。
あまりに嬉しかったので、また出没してしまいました。
>ヴォーカル・ベストなアルバムです!ここに歌われた曲がお題になれば必ずこのアルバムを出すことでしょう
私の一番好きなヴォーカル盤でもあるので、賛同されている方がおられるともう嬉しくって!
シィダー・ウオルトンのピアノがまた最高に素敵で文句なしのアルバムです。
>25-25さん
25-25さんも不思議(意外に)と濃いヴォーカルが好みですね。God Bless The Child この曲もとても歌唱力がものを言うでしょう。
サリナを聴かれましたか。私も嫌いではありませんが、今回はパスしました。今年は他に食指が動くものがなく大通り公園ではハクエイ氏だけです。ライブだけだと4500円で済みますが、おつまみプレートにピザ、フライドチキン、飲み物といえばヱビス5杯にジャズ・ハイボール3杯、その他諸々、それからススキノ、こちらのほうが高かった。(笑)
北海道での招聘元のご説明ありがとうございます。50年という数字でみるとジャマイカは頑張っていますね。
トップにエタ・ジェイムズがきましたか。レディ・デイ集ではベストかもしれません。残念ながら生で聴いておりませんが、長生きしてほしいものです。ビヨンセが演じた「キャデラック・レコード」は封切当時、北見にいましたので観ておりません。何せ、北見の文化意識が著しく低い映画館では、「レイ」も上映されませんでした。アカデミー作品を上映しない映画館は早く閉めなさい、と抗議の電話をしたのは私です。(笑)
カーメンからは「For Lady Day」が挙がりましたか。ビリーを意識せず、意識するカーメンという感じです。ズートが参加しておりましたね。
ニーナ・フリーロンは良い意味でジャケで騙されました。ニーナはどのアルバムもジャケに一工夫がありますね。
「Frankly Speaking」は2フランクですが、やはりこれですね。フォスターは花の代わりにストッキングを入れてくれと言ったとか・・・享年82歳 合掌
杉本氏もしっかり聴きましたが、表情は暗かったですね。ポーカーフェイスなのかもしれませんが。
トライソニークのCDは発売錚々に買いましたよ。スペシャルサンクス欄に何方かの名前があると宣伝されておりましたので。(笑)
25-25 さんがご贔屓の赤松さんは聴いておりませんので聴きたいですね。
まだ先ですので近くなり予定が組めれば是非にと思っております。
SHIN さんもご一緒でしたらミニ・オフ会ですね。
大通り公園で私はサリナをジャズ・ハイボールを飲みながら聞いてました、変わらず小柄で可愛くて年齢を感じさせませんでした
先週のお話ですが、私の文章の拙さで申し訳ありません、ジャマイカについてはブレイキー初来日から数えて50年という数字との関連です、北海道でのジャズ(を中心とした)招聘業務資格を持つのはひとつしかなく(他は東京からの買取)ジャマイカ主催の外タレ公演も40周年のときのジョン・ヒックスくらいでしょうか…今回はQさんですね
Mystery Lady:song of Billie Holiday/Etta James(private music)
本名の綴りを逆さにした芸名とミネソタ・ファッツを父と信じるピーチ・ダイナマイト、私のヴォーカル・ベストなアルバムです!ここに歌われた曲がお題になれば必ずこのアルバムを出すことでしょう
レディ・デイにまつわるアルバムではダントツに圧倒的に素晴らしい出来でしょう!
シダやんのアレンジとバッキングのダイナミクス!のエモーション!
エタにはシダやん3部作プラス1の4枚ジャズ・セレクションなアルバムがありますがやはりこの1枚でしょうか、心と身体を揺さ振る1枚です
真駒内playboy jazzでのパワフルなブルースっぷりはまさにダイナマイトでした
最近ビヨンセが映画で彼女を演じていたのはご愛嬌で
アルツハイマー、現在は敗血症等で予断を許さない状態ですがAt lastにならないことを祈ります
For Lady Day vol.1/Carmen McRae(novus)
やはりカーメンは素晴らしい…ビリーとは全く違うアプローチで歌いますが(ビリーとは違う意味での女性の強さを感じます)圧倒的なビバップ育ちの技巧とモダンな情感の両立は孤高の存在です
Blueprint of A Lady:Sketches of Billie Holiday/Nnenna Freelon(concord)
私の大好きなニナ、彼女もこの曲を歌っていた、ただそれだけで満足です(笑)
次点に
Early in the morning/Lorez Alexandria(argo)
ロレスもやはり良いです、バックが素晴らしいアルバムですね!ラムゼイにこの曲のアレンジはカーク・スチュアート、悪いはずが無い(笑)
このアルバムを聞き返しながら他のいくつかの曲のアレンジとソロで急遽追悼することになりました
女性アーティストとしての気丈なアイデンティティーを築いた彼女達の歌を聞きながら
若い女性の魅力的で鮮やかなストッキング(レギンスやトレンカ)に目移りしても言い訳をしない事にしようと思った次第です
大好きなFrankly Speaking(concord)を改めて回しハードバッパーを想うことにします
Dukeさん
ハクエイはひとまわり大きくなっていましたか・・夜食の食べすぎで太ったとよく言ってましたが(笑)
カルタ君のタイコもいいですが、杉本君の5弦ベースによるクアラルンプールも絶妙技です。
途中で転調するとことシッカリのお聞きになりましたでしょうか・・・あれがキモです。
トライソニークのCDをご購入されましたでしょうか?ライナーノーツのスペシャルサンクス欄に光栄にも宇崎竜童、阿木耀子ご夫妻に並んで私の名も・・・ちょっとした自慢でして・・いずれハクエイ君にご馳走するハメになりそうです。(笑)
ハクエイ氏の話題が出ているので、便乗して
宣伝させていただきます!
★25-25プレゼンツ・ライブ第6弾!
「赤松敏弘meets ハクエイ・キム」
赤松敏弘(vib)
ハクエイ・キム(pf)
生沼邦夫(b)
小山太郎(ds)
会場: 関内「KAMOME」
http://www.yokohama-kamome.com/
日時:平成23年11月23日(勤労感謝の日)
開場 午後4時
開演 午後5時半
ヴァイブの雄、赤松敏弘さんと
ピアノの貴公子ハクエイ・キムさんの
夢の初共演です。
Shin さん、今度こそ!^^;
>Polly Gibbons - Moanin (2009)
これ、いいですね!
God Bless The Child の印象が強かったんですけど、
聴き直してみると、お題の曲もなかなかでした。
やはりヘレン・メリルがきましたか。おっしゃるようにブラウンの参加がなければこの曲にしても、このアルバムにしてもこれだけ聴かれることはなかったでしょう。これでトップ決定でしょうか。
そして、ジューン・クリスティ、ビッグバンドをバックに歌うクリスティはビッグバンド・シンガーらしいスケールの大きさがありますが、小編成のコンボをバックにしても変わらぬ迫力があります。
ロレツはどれも素晴らしいアルバムばかりですが、こちらも素敵です。
パット・モリッシーもありましたね。コケティッシュな声は男を惑わす魅力がありますが、日本ではパットした人気がありませんね。(笑)
トライソニークで幕を開け、テイク・ファイヴ、クアラルンプールをはさみ、コールマンのバード・フードでしめた90分1本ステージでしたが、満席のお客さんは満足そうでした。ドラムのカルタ氏は初めて聴きましたが、カタル良いドラマーです。
トライソニークのCDはサイン会もあるとのことで、売れ行きが良く、ひととき実入りが良かったことでしょう。
「心から愛する」とは裏切られも悔やまない愛であり、「生涯愛する」とは叶わない恋です。
ホリデイの曲でいうと前者はラヴァーマン、後者はヴェリー・ソート・オブ・ユーでしょうか。この曲はフォーエバー・ヤングでも使われておりました。(笑)
生で聴いたことはありませんので容姿はわかりませんが、魅力的なのでしょう。モーニンといえば昭和の時代にテレビで歌っていたザ・ピーナッツを思い出します。
私の名前を出してお近づきになっても良いのですが、あまり見返りは期待しないでください。
トライソニークで名前は売れたけど貧乏になったと嘆いています、大隅トリオにいた時の方が仕事多く実入りも良かったと・・・(笑)
この曲は、ヘレン・メリルで有名ですが、クリフォード・ブラウンの功績も大きいでしょうか。むしろインスト物の方が、自由にやれていいかもしれません。
①Helen Merrill with Clifford Brown (EmArcy)
②June Christy / The Intimate Miss Christy(Capitol)
③Lorez Alexandria / Early In The Morning (Argo)
①はこれしかないです。②は愛聴盤で、アル・ヴィオラ(g)の伴奏も素敵です。今までに挙がっていないものでは、I'm Pat Morrissey (Mercury)もありましたが、この歌に関しては平板で、ここにあげるほどではありませんでした。
・・・心から愛した男はフレディー・グリーンですが、生涯愛した男はレスター・ヤングとか。・・・
「心から愛する」と「生涯愛する」の違いについてご教授頂けると幸甚に思います。(笑)
つまり、心から・・と生涯・・・は別物で、ある時期同居することも有りうると?
恋愛歴豊富なDuke師範の高邁なご理論を具体的におお聞かせください。
「心から愛する」を表現するに的確な歌は、また「生涯愛する」を表現するに的確な歌は何か・・・?
忘れ物で再度の登場です。もう一人この曲で印象に強く残っているのがこのR&Bのこの人!
とても若くて可愛い容姿ですが、ひとたび歌いだすとルックスで騙されていると気がつきました。歌唱力もあるし声が私好みで落ち着いていて素敵、掘り出しものの一枚です。
Polly Gibbons - Moanin (2009)
何かと言い訳が多い昨今ですが、言い訳できないのがジャズであります。そんなジャズを暑い中楽しみましょう。
ワンツーが私と同じとはあっさり白状しましたね。ため息が漏れても、仮面がまくれても言い訳できないわけでして。(笑)
ケイコ・リーも歌ってましたね。昨年ライブを聴きましたが今風でした。エレキを入れないほうがいいと思うのですがねぇ。
今は聴かなくてもいつか箱から出すときがあると思い、ビリーのボックスセットを若い頃買いました。今は重宝しております。心から愛した男はフレディー・グリーンですが、生涯愛した男はレスター・ヤングとか。恋多き女です。
「レフト・アローン」も話題にしたい曲ですが、続けてでは暗くなりますので、次はライトの話題にしましょう。(笑)
こちらも夏らしくなりました。サッポロ・ジャズとヱビスで短い夏を楽しんでおります。
トップにエタ・ジェイムズが挙がりましたか。数あるビリー追悼盤ですが、ビリーとエタ自身のドラッグ中毒に重ねるような陰影の表現は見事です。
モーリー・ジョンソンソのこの曲は残念ながら聴いておりませんが、ソリチュードを歌ったアルバムは聴いたことがあります。ブルースフィーリングにあふれておりますね。
そして下馬評ではトップのメリルが挙がりましたね。ヴォーカルファンもジャズファンも納得の1枚です。
ビリー・ホリデイは素晴らしいシンガーと言われながらも日本では大きく好みが別れます。やはり重さや暗さの印象が強いせいでしょう。私は若い頃から聴いておりますが、それとてコンボがバックのものが中心でした。ある程度の歳になってからストリングスがバックでも、すんなり入るようになりました。札幌に「ソリチュード」というジャズバーがありますが、マスターに言わせると落ち込んだときこそビリーが効くそうです。
ジャズ喫茶世代にはメリルのこのアルバムは耳ダコですが、ブラウニーの絶妙なソロもあり何度聴いても飽きることがありません。メリルのベスト・アルバムと言っていいでしょう。
証拠は掴んだ、いい訳無用、さっさと白状しろ、という訳で・・
Helen Merrill with Clifford Brown (EmArcy)
Carmen McRae / Woman Talk (Mainstream)
この二つには異存はなし。
三番が・・・考えた末に、ニーナシモンにするか・・・ケイコ・リーなどという裏技もあるのだが・・・
しかし「まんまるクミさん」の言う通り、私も40過ぎるまでレディはあまりうけつけませんでした、何しろ暗くて・・重くて・・ダイアナ・ロスのビリー・ホリデイ物語を観てなおさら・・。
しかし、フレディー・グリーンが最後の恋人でこの二人最後まで結構いい雰囲気でやっていたと聴き、良かったなぁ・・と・・そしたら聴けるようになりました。
じゃあ、次回は「レフト・アローン」かなと先読み予想など・・暑さで頭が狂い気味です。
暑い日々が続いておりますね、エビスで夏バテなんて吹っ飛ばしておられる事でしょう。
さて、今回の御題で一番最初に頭に浮かぶのがこの人:
Etta James - Mystery Lady: Songs of Billie Holiday です。甘いも苦いもどんな人生もありのままに受け入れてきた人だから歌えるその哀愁おびた歌声は心を打ちます。私にとって Etta のこの歌唱力は絶品だと思います。
Molly Johnson - Molly Johnson カナダの歌姫です。Billie と Janis Joplin を足して割ったようなブルースとジャズが融合したスタイルを持つ彼女は私のお気に入り、Billie のようにねっとり感がなく悲惨さもないから素直に詩が聞けるというのがツボです。また彼女の個性が光っています。
Clifford Brown with Helen Merril 彼女の乾いた声質が重くなるのを防いでいるのが気に入っています。淡々と歌う Helen に Clifford のトランペットが実に素敵な効果をもたらし素晴らしいと思います。
実際私は40歳を過ぎるまで Billie Holiday がまともに聴けませんでした。彼女の良さがまったく分かりませんでした。ただただ重すぎるというか、あの重さが気分を落ち込ませてしまう要素が大きすぎましたけど。中年になりうんと超えた辺りから急に彼女の歌が違和感なく聴けるようになったのです。不思議ですね、いったいこれはどうした事でしょうか?私には彼女の歌を消化するには年月が必要だったのでしょうね。
今週は、苦手のヴォーカル。
せめて1枚だけでも挙げておきます。
Helen Merrill with Clifford Brown
ヘレン・メリルは、(味はあるが)決して上手い歌い手だとは思いませんが、枯れた音色で吹くブラウニーの参加により名演になったのだと思います。
あの若さで、好サポートが出来るブラウニーは非凡だと思います。若くして亡くなったのが、残念です。
私はメリルをすぐに思いつきましたが、ロレツでしたか。Early In The Morning ですね。ラムゼイ・ルイスが入っていましたが、落ち着いた演奏です。
ジューン・クリスティは、「Intimate Miss Christy」に収録されております。このアルバムでは、「It Never Entered My Mind」がベストトラックと思いますが、こちらもなかなかのものです。コンボがバックですのでビッグバンドとは違い、しっとりした感じですね。
ビリー追悼盤にはオール・オブ・ミーと並んで外せないこの曲ですが、メリー・コクランは聴かせますね。江國香織さんが好きなシンガーとか。
これを忘れちゃ、いけませんわ。
「Mary Coughlan Sings Billy Holiday」
ビリー追悼盤の中では、イチオシに
ハートを揺さぶられるアルバムですね。
正直、そんなに好きな曲じゃないんですが・・・、
すぐ思いつくのは、ロレツのArgo 盤ですね。
あと、シーラのSteeplechase盤、ダコタのCapitol盤もいい。
ジューン・クリスティも歌ってませんでしたっけ?
ちょっと探してみます。
アビー、ニーナのはちょっと苦手です。
ロージーは好きだけど、ビリーへのTribute 盤は
あんまり好みじゃないですね。
ビリー・ホリデイの自作自唱曲ドント・エクスプレインは多くのシンガーが取り上げております。ビリーならではの女心に共感するとともに、ビリーほどではなくても一度や二度はある苦い男の想いに重ねるのでしょうか。名唱が揃っております。ビリーは別格ですので、ビリー以外のお気に入りをお寄せください。インストは別の機会に話題にします。
管理人 Don't Explain Best 3
Helen Merrill with Clifford Brown (EmArcy)
Carmen McRae / Woman Talk (Mainstream)
Abbey Lincoln / Thats Him (Riverside)
他にもニーナ・シモン、ダコタ・ステイトン、シーラ・ジョーダン、ローズマリー・クルーニー等々、多くのヴァージョンがありますので誰が挙がるのか楽しみです。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。