フィル・スペクターがプロデュースしたことで当たったグループの一つにパリス・シスターズがいる。美人姉妹ヴォーカル・グループとして売り出すも、鳴かず飛ばずだったが、1961年の「I Love How You Love Me」でブレイクした。ラジオ番組「ザ・パンチ・パンチ・パンチ」の初代パーソナリティ「モコ・ビーバー・オリーブ」が、「わすれたいのに」という邦題でカバーしていたので、そちらの方が有名かも知れない。
そのシスターズの末っ子プリシラ・パリスがソロで出したのが「Priscilla Loves Billy」だ。雑誌で美女ジャケット特集を組むならトップページに掲載される垂涎物である。発売レーベルは阪神ファン御用達の「Happy Tiger Records」で、ジャケットは質感のあるエンボス紙を使っているため飾りにもなる仕掛けだ。「Just Friends」に始まり「He's Funny That Way」、「I Love You Porgy」、「My Man」・・・と続く。何とビリー・ホリデイ集だ。ところがタイトルをよく見ると「Billie」ではなく「Billy」になっている。このアバウトさゆえ熱心なビリー・ファンに無視されたアルバムだ。
さて内容は?これでアニタ・オデイのようなドスの利いた声だったら面白いのだが、可愛い顔からは甘い声しか出ない。歌い方はパリスなのにフランス人ではないが、アンニュイという表現が似合う。どの曲も同じようなゆったりとしたテンポで歌っているので金太郎飴状態だが、通して聴いても自然と耳に入る。よほどの失恋でもしない限りビリーを13曲続けて聴くのは難しいし、孤独感がひしひしと押し寄せるビリーの「Solitude」を聴いたら涙が出てくるが、パリスを聴くと身体が楽になるし元気も出てくる。癒しのパリスとでも名付けようか。
私生活では麻薬を常習したり、女優ラナ・クラークソンを射殺したりと問題のあるスペクターだが、音楽プロデューサーとしての才能は素晴らしい。多重録音で重厚な音にするウォール・オブ・サウンドはつとに有名だが、ステレオ録音が主流となってもモノラルにこだわり続けたところにスペクターの音楽に対する哲学や信念がみえる。未だにモノラル盤しか聴かないジャズファンは数多い。
そのシスターズの末っ子プリシラ・パリスがソロで出したのが「Priscilla Loves Billy」だ。雑誌で美女ジャケット特集を組むならトップページに掲載される垂涎物である。発売レーベルは阪神ファン御用達の「Happy Tiger Records」で、ジャケットは質感のあるエンボス紙を使っているため飾りにもなる仕掛けだ。「Just Friends」に始まり「He's Funny That Way」、「I Love You Porgy」、「My Man」・・・と続く。何とビリー・ホリデイ集だ。ところがタイトルをよく見ると「Billie」ではなく「Billy」になっている。このアバウトさゆえ熱心なビリー・ファンに無視されたアルバムだ。
さて内容は?これでアニタ・オデイのようなドスの利いた声だったら面白いのだが、可愛い顔からは甘い声しか出ない。歌い方はパリスなのにフランス人ではないが、アンニュイという表現が似合う。どの曲も同じようなゆったりとしたテンポで歌っているので金太郎飴状態だが、通して聴いても自然と耳に入る。よほどの失恋でもしない限りビリーを13曲続けて聴くのは難しいし、孤独感がひしひしと押し寄せるビリーの「Solitude」を聴いたら涙が出てくるが、パリスを聴くと身体が楽になるし元気も出てくる。癒しのパリスとでも名付けようか。
私生活では麻薬を常習したり、女優ラナ・クラークソンを射殺したりと問題のあるスペクターだが、音楽プロデューサーとしての才能は素晴らしい。多重録音で重厚な音にするウォール・オブ・サウンドはつとに有名だが、ステレオ録音が主流となってもモノラルにこだわり続けたところにスペクターの音楽に対する哲学や信念がみえる。未だにモノラル盤しか聴かないジャズファンは数多い。
タイトル通り、孤独の歌の代表といえる「ソリチュード」は、1934年にデューク・エリントンが僅か20分で作ったと言われている曲です。歌詞はあとから「Darn That Dream」や「Moonglow」で有名なエディ・デランジェが書きました。作詞者としてアーヴィン・ミルズもクレジットされておりますが、自分の名前も残そうと便乗したものです。ミルズはエリントン・バンドのマネージャーです。色々とマネジメント力を発揮しているようです。今週はこの曲のお気に入りをヴォーカルでお寄せください。インストは機を改めて話題にします。
管理人 Solitude Vocal Best 3
Billie Holiday / Solitude (Clef)
Helen Merrill / Music Makers (Owl)
Nina Simone / Sings Ellington (Colpix)
ビリーの10吋盤のタイトルは「Billie Holiday Sings」です。ヘレン・メリルはイタリアでも録音しております。他にもエラ・フィッツジェラルドをはじめカーメン・マクレイ、ローズマリ・クルーニー&ハイ・ローズ、ヘレン・ヒュームズ、アーネスティン・アンダーソン、サッチモ、トニー・ベネット等々、多くの名唱があります。
Marianne Faithfull - Solitude – 2008
https://www.youtube.com/watch?v=Nf_j3bUd94I
ミック・ジャガーの恋人、ドスが利いていますね。
I LOVE HOW YOU LOVE ME ~ The Paris Sisters (1961)
https://www.youtube.com/watch?v=lwGSKea-lGw
パリス・シスターズのアルバムを集めたことがあって、オールディーズとして、かつて公開していたホームページに掲載していました。夢見るような歌唱はいいですね。タイガースファンの登場には驚きました。Happy Tigerをそこまでは考えませんでしたから(笑)。本論ですが、気に入ったものがあまりありませんが、
①Nina Simone / Sings Ellington (Colpix)
②Carol Sloane / Sophisticated lady (Trio)
③Ernetine Anderson / Live From Concord to London (Concord)
ニーナ・シモンは。普通に歌っていますが、声にブルーな感じがあってよいかと。キャロル・スローンは、日本のトリオ録音のエリントン集で、Solituceはローランド・ハナだけの伴奏です。快心の一作だろうと思います。アーネスティン・アンダーソンは、エリントンメドレーの最初に歌うだけですが、円熟した声と歌いまわしで、もっと続けてほしかった。ビリーやカーメンは、声の質に親しめないので選外にしました。
パリス・シスターズのアルバムを蒐集されておりましたか。「I Love How You Love Me」の他には知りませんが、女性コーラスはうっとりします。女性コーラスといえば札幌のラ・ヴィアン・ローズというグループが今年の第17回神戸新開地ジャズヴォーカル・クィーン・コンテストに応募します。先日課題曲「ス・ワンダフル」と自由曲「ルート66」を録音してエントリーしました。テープ審査が3月下旬にあり、選ばれた10人がステージに立ちます。満を持しての応募ですので、私も応援しております。
「Happy Tiger Records」はジャズファンには馴染みのないレーベルですが、ベイシーのリリースもあるようです。タイガースファンが買うかどうかはわかりませんが、珍しいレーベルです。
さて本題。ビリーを外されるのは予想通りでしたが、ニーナ・シモンがトップにきましたか。私も挙げましたが雰囲気があります。何を歌ってもこの人の歌になるから不思議です。
そしてキャロル・スローンの日本録音もありましたね。落ち着きのある、というか余裕の歌唱です。ダウンビート誌に批評を書くほどの才媛だけあり知的です。
アーネスティン・アンダーソンは過小評価されている一人ですので、大きい歌を聴いてほしいですね。
少しのヴァージョンしか知らないので、少ない選択肢からの選出です。
Marlene / Softly, As In A Morning Sunrise(CBS SONY)
Chris Connor / 201 Vocal Standards From A to Z
マリーンは室蘭ジャズクルーズで生で歌声を聴いた事がありますが、圧巻でした。
アルバム中の「ソリチュード」についても、メリハリの付け方がさすがだなと思います。
先に挙がっている、キャロル・スローンとアーネスティン・アンダーソンは、他のアルバムは持っているのですが、この曲の入ったアルバムは持っていないので、とっても聴いてみたいです。
ニーナ・シモンも前からカッコいいなと思いながらアルバムは1枚も持っておらず、かなり気になります。
マリーンもありましたか。このアルバムは聴いたことがありますよ。ビッグバンドをバックにスタンダードを歌っていたと思います。上手いシンガーですね。室蘭ジャズクルーズは閉幕しましたが、いい企画でした。
クリス・コナーは「Three Pearls」からの音源ですね。このアルバムは買い逃したままです。
ミンクのキャロルと呼ばれているキャロル・スローンと、ジェット機ジャケットのアーネスティン・アンダーソンはCDで出ております。
ニーナ・シモンは数多くのアルバムがあります。輸入盤で「Seven Classic Albums」というのがありますので、これをお薦めします。評価の高いアルバム7枚を収録しております。HMVで1500円前後です。
来週からドームでオープン戦が始まりますね。1日の巨人戦は行きます。
Solitude Vocal Best 3
Nina Simone / Sings Ellington (Colpix)
Billie Holiday / Solitude (Clef)
Carol Sloane / Sophisticated lady (Trio)
曲調をうまくつかんでいるニーナ・シモンとビリーは双璧です。他にもヘレン・メリル、アーネスティン・アンダーソン、マリーン、クリス・コナー等が挙がりました。それぞれコントロールの利いた歌唱が見事です。