テディ・チャールズ。久しく忘れていた名前をジャズ誌の訃報欄で見た。本国ではその音楽性が高く評価されていたようだが、日本では人気がないヴァイヴ奏者である。ライオネル・ハンプトンとミルト・ジャクソンの二人が独走状態だったヴァイブ界で頭角を現すのは容易なことではないし、ゲイリー・バートンやボビー・ハッチャーソンでさえも名前が挙がるのは巨匠の次ページで、あとは余白に近い。
その片隅に名前があるのがチャールズで、唯一語られるアルバム「テンテット」はその後のジャズの方向を示唆したうえで重要な1枚と思われるが、これも大きな話題を呼んだことはなかった。傑作とか意欲作という褒め言葉の次に判を押したよう添えられるのは、「実験的」である。保守的なジャズを好む日本では、この「実験的」なジャズに拒否反応を起こす傾向にあり、ジミー・ジェフリーやドン・エリスが人気がないのもここにある。かく言う小生も忘れていたのだから偉そうなことは言えないが、「テンテット」こそ新しいハードバップの形で、その形が変化したのがフリージャズであり新主流の方向性でもあると思う。
久しぶりに不気味な縞の陰影のジャケットを取り出してみる。その実験的な作品を聴きかえしてみよう。改めてメンバーを確認するとアート・ファーマー、ジジ・グライス、マル・ウォルドロン、そして異色のJ.R.モンテローズ、更にチューバも入っている。メンバー構成だけでも実験的だし、更にギル・エバンスやジョージ・ラッセルという理論派のアレンジャーが並ぶ。さて内容は・・・ミンガスの「直立猿人」を思わせる・・・数十年前に初めて聴いたときの印象は変わらない。一言でいうなら「ハード・バップ型集団即興演奏」とでもいえば分かりやすいだろうか。録音された1956年という時代には早過ぎたのかもしれない。
76年発行の世界ジャズ人名辞典には、53年に立ち上げたバンド「ニュー・ディレクション」を64年に再結成したあと音楽とヨット・クラブ経営の両面で活動している、と記されている。ヨットはまっすぐ風上の方向に進めないが、チャールズはジャズの風上に向かって帆走した数少ないプレイヤーではなかろうか。人名辞典に、実験に成功したヴァイヴ奏者、享年84歳、と書き足しておこう。
その片隅に名前があるのがチャールズで、唯一語られるアルバム「テンテット」はその後のジャズの方向を示唆したうえで重要な1枚と思われるが、これも大きな話題を呼んだことはなかった。傑作とか意欲作という褒め言葉の次に判を押したよう添えられるのは、「実験的」である。保守的なジャズを好む日本では、この「実験的」なジャズに拒否反応を起こす傾向にあり、ジミー・ジェフリーやドン・エリスが人気がないのもここにある。かく言う小生も忘れていたのだから偉そうなことは言えないが、「テンテット」こそ新しいハードバップの形で、その形が変化したのがフリージャズであり新主流の方向性でもあると思う。
久しぶりに不気味な縞の陰影のジャケットを取り出してみる。その実験的な作品を聴きかえしてみよう。改めてメンバーを確認するとアート・ファーマー、ジジ・グライス、マル・ウォルドロン、そして異色のJ.R.モンテローズ、更にチューバも入っている。メンバー構成だけでも実験的だし、更にギル・エバンスやジョージ・ラッセルという理論派のアレンジャーが並ぶ。さて内容は・・・ミンガスの「直立猿人」を思わせる・・・数十年前に初めて聴いたときの印象は変わらない。一言でいうなら「ハード・バップ型集団即興演奏」とでもいえば分かりやすいだろうか。録音された1956年という時代には早過ぎたのかもしれない。
76年発行の世界ジャズ人名辞典には、53年に立ち上げたバンド「ニュー・ディレクション」を64年に再結成したあと音楽とヨット・クラブ経営の両面で活動している、と記されている。ヨットはまっすぐ風上の方向に進めないが、チャールズはジャズの風上に向かって帆走した数少ないプレイヤーではなかろうか。人名辞典に、実験に成功したヴァイヴ奏者、享年84歳、と書き足しておこう。
管理人 Teddy Charles Best 3
The Teddy Charles Tentet (Atlantic)
Coolin’(New Jazz)
Word From Bird (Atlantic)
あまり手持ちはありませんが、「オン・キャンパス」やライオネル・ハンプトンに捧げたアルバムも好い内容です。
ジュビリーの「Play Duke Ellington」は長らく探している1枚です。お持ちの方はご感想をお寄せください。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Teddy Charles Tentet - Vibrations
http://www.youtube.com/watch?v=owHvoPwociI
先週より早い更新ですね。
チャンジイ化がますます進行しているのでしょうか?(笑)
テディ・チャールズの存在を知ったのは、ワーデル・グレイ・メモリアルVol.1でした。
ワーデル・グレイを挙げたいです。
後の2枚は、店で考えます。
Teddy Charles と Walt Dickeron は、
「たまには、聴いてみるか」と棚から出して聴いて、
「ん、ん~~?」と首を捻りながら戻して、
また数年聴かなくなる・・・というパターンですね。
探して見たら、意外に持っていました。
「Teddy Charles Tentet」(Prestige)
「Collaboration West」(Prestige)
「New Directions」(Prestige)
「Adventures In California」(FSR)
「Vibe-Rant」(Blue Moon)
「Jazz In The Garden At The Museum of Modern Art」(Warwick)
「Salute To Hmp」(Bethlehem)
「On Campus」(Bethlehem)
しかし、どれも2~3回しか聴いていなくて、
今ひとつ印象に残っていない。
強いて挙げれば、
Collaboration West は、ショーティ・ロジャース、
ジミー・ジュフリー、シェリー・マンとの共演で、
なかなかいい内容だった記憶です。
ワーデル・グレイ盤に参加してたとは、初めて
気がつきました!
調べてみると、
「Adventures In california」(FSR)の
最初の4曲が、どうやらグレイ盤と同じ音源のようです。
テディが歌伴で参加していたものに、結構いいのが
あった記憶ですが、どれだったか思い出せない・・・。
マイルスのBlue Moods も、ありましたね!
Atlantic でしたね、失礼しました。
ワーデル・グレイとの4曲がありましたね。目立たないチャールズですが、このセッションのリーダーでして、古くはプレスティッジからチャールズ名義のEP盤で出ていたようです。こちらは53年の録音ですので、チャールズは僅か3年で大きく変わったといえます。
けっこうお持ちのようですが、「Play Duke Ellington」はなかったようですね。CD化もされていないようでして、オリジナルは滅多に見ませんし、出ても高値が付くようです。
Collaboration West はいい内容と思います。面白いのはメンバー構成からみるとこちらがアトランティックで、テンテットがプレスティッジと錯覚します。プレスティッジはアドリブ重視、アトランティックはアレンジ偏重が顕著に出たテディの2枚です。
テディが歌伴で参加していたのはメリー・アン・マッコールの「Detour To the Moon」です。タイトルの如く「月」をテーマにした曲を歌ったアルバムです。歌伴もさりげなく良いですね。このアルバムも話題にしたい1枚です。ネタがツキたときに。(笑)
これ、割と最近中古アナログで買いました。
まずまずの内容ですよね。
メアリー・アン・マッコールは、白人美形シンガーにしては
歌いっぷりがソウルフルでいいですね。
即決です。
Teddy Charles Tentet
Vibrations
Wardell Gray Memorial Vol.1
手持ちが少ない為、トホホの即決です。(笑)
テディ・チャールズは、出番が少ないですね。伴奏はジミー・レイニーの独壇場という感じです。