遠藤雷太のうろうろブログ
何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。




2018/11/9

・別役実の二人芝居を2作品。それぞれ大体50分くらい。結構なボリューム。

・演目は『招待されなかった客』と『トイレはこちら』。どちらも観客へのアナウンスみたいなタイトルで、掲示物を見ると一瞬身構えてしまう。

・『招待されなかった客』は、魔女の家に、破門された聖職者が尋ねてくる話。

・なぜか、そこにソートンワイルダーの『わが町』の設定が乗っかっている。

・たしかにあそこ魔女の箱庭感あるけども。

・不条理は元々苦手なジャンルで、特に一作目の序盤は、どこをどう面白がっていいのか距離感がつかめず。

・なんとなく、自分自身が不条理的な笑いを求めてしまっていて、作品の魅力を掴み損なった感じ。

・よりロジカルな話だったと思うので、不条理というイメージ自体も余計な先入観だったような気がする。

・せっかく役者さんは二人とも丁寧な演技で、堅実にシーンを作り上げていたのに。反省。

・『トイレはこちら』は、人気のないところで女性が首をくくろうとするところに、トイレ案内を仕事にしようとする男が通りがかる話。

・このあらすじで間違いないはずなんだけど、自分で書いててもなんだかよくわからない。

・一作目より不条理感が強くて、ちょいちょい笑えるところもある。

・「あんた何を言っているんだ?」と双方に問いただしたくなるような、雑で飛躍した論理で口論する二人。

・毒を持って毒を制すというか、めんどくさいクレーマー同士をぶつけた感じ。

・共倒れ必至の会話で、聞いていてクラクラする。

・首つりの輪っかに包帯をあわせる、感心していいんだかよくわからない工夫。

・総じて別役作品は、決して正解のない世界に、実力も経験もある演劇人がどう挑むのか、どこまで遠くにいけるのか、その振る舞い方が見どころになるんだと思う。

・先に脚本読んでおいたほうが楽しいのかも。

・面白いか面白くないかジャッジして終わるような見方をしてしまうとつまらないので、もうちょっと前のめりの姿勢で見るべきだった。



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2018/11/8

・木賃宿とその周辺で暮らす貧乏人たちが、お互いに足を引っ張り合っているうちにわずかな希望すら掴み損ねる話。

・舞台は薄汚れたベッドにテーブル、散乱する布切れ。

・コンカリのスペースを広く使って、ゴミゴミした、原作イメージどおりの「どん底」。

・そんな舞台が見た目以上に真価を発揮するのは、乱闘シーン。

・わんわんズと言えば殺陣のイメージ。ことあるごとにロシア民謡が流れて大乱闘が始まる。

・それこそ殺陣の合間に「どん底」が入るような序盤。

・殺陣のシーン自体は他団体でもそこそこ見かけるようになってきたけど、迫力で頭ひとつ抜けている。

・人数が多い。広い場所のあちこちで沢山の人々が乱闘する。それも時代劇のように、絶対的な中心人物が一人いて、モブが順番に切られていくような秩序のあるものではない、乱闘としかいいようのない乱闘。

・それをこのスケールで作れるのはほんとにすごい。

・そんな大人数が一気に暴れるので、瓶や缶、布っ切れが散乱するし、落ちるし跳ねるしで大変。

・結構リスキーなことをしていると思うけど、反面効果は絶大で、演劇であんなにモノが乱雑に飛び交うのは初めて見たかも。

・どうやって安全確保しながら作っているんだろう。

・テーブルを使った立体的な動きもおもしろい。テーブルから跳び蹴りを放つ、蹴られた勢いでテーブル上にぶっ飛ばされる。迫力。

・長流3平さんがわんわんズの面々と同じノリで動いているのもすごい。

・四幕芝居の幕間にショートコントみたいな寸劇が入る。もじゃキングはあんなに僅かな尺のためにあんなにめんどくさそうな着替えをしたのか。

・お話部分に関しては、序盤で流れに乗り損ねてしまって集中し切れなかった。

・見せ方の問題と言うより、自分のコンディションの問題だったので、申し訳ない気持ちになる。

・どん底だからこそ見える本当の幸福とは…という話。たぶん。

・もう一度見たいけど時間なく、とても残念。



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