2018/11/10
・青年が沖縄でおばあちゃんに出会い、その生い立ちを聞くことで彼自身のルーツをさかのぼっていく話。
・舞台中央にガジュマルの樹を模した布のオブジェ。広げたりねじったり「絞め殺しの樹」とも言われているそうだけど、たしかに雰囲気がある出来。
・「妖怪音楽×妖怪演劇」とあるように、音楽パートと演劇パートが結構きっちり分かれている。
・モノノケユースケさんの歌声はどれも優しくて、生演奏で楽曲が始まると毎度毎度聞き入ってしまう。
・音楽と演劇の対バン形式と強引に言えなくもないけど、ミュージシャンがまともに機能したら、演劇はなかなかに分が悪い。特に会話劇はたいへん。
・楽器を演奏している人の仕草はいちいち錬度が高く、機能美として完成しているから、中途半端な役者の存在感では太刀打ちできなかったりする。
・音楽が専門の人が見ると、見方が変わるのかな。
・歌や演奏の最中、役者さんは変に言葉や動きを足すより、静かにたたずんでいるほうが、よっぽど物語が見えてくるという不思議。
・そこにさらに映像あわせると、ミュージックビデオ感が強くなってよりかっこいい。
・基本的には音楽と演劇パートが分かれているけど、うまく重なったところは引き込まれるし、ちょいちょい擦れ違ってたところもあったような。
・そういうシーンがあっても、歌でなんとなくまとまった印象になるのはずるい。
・本作に限らず、生演奏の楽曲に演劇を合わせる場合は、言葉の情報量少なくしたほうが見やすいのかも。
・なので、最後のダンスシーンは最初のほうで見たかった。クライマックスだけでは勿体ない。
・妖怪演劇なので沖縄の妖怪が色々出てくる。
・相撲っぽい動きをする妖怪の、後転から再突撃までの動きがスムーズすぎておもしろい。
・ガジュマルの樹に宿る妖怪キジムナーと、若い頃のおばあちゃんの交流が、実質的な話の軸になっている。
・超自然的な妖怪と戦争や基地問題といった超現実的な社会問題を重ねていく試みだった。
・舞台上でほんとにチェーンソー鳴らしている作品見たのは初めてかも。大日本プロレス以来(舞台じゃない)。