バス運転士のち仕分け作業員のち病院の黒子 by松井昌司

2001年に自分でも予想外だったバス運転士になり、2019年に某物流拠点の仕分け作業員に転職、2023年に病院の黒子に…

車椅子の連続乗車に驚いていたら…

2016年06月21日 22時00分59秒 | バス運転士
雨の朝… 7~8時台はメチャクチャだったけれど、9時台の某運動場発・某総合駅行きは順調だった。その折り返し、10時過ぎの某総合駅発・某運動場行きも順調… 某病院前停から車椅子の男性を乗せたけれど、次のバス停を通過した時点で僅か1~2分遅れ… まだまだ順調と言える範囲だった。さらに、その次の某区役所停でも車椅子の男性が待っていたのだが、私は「それでも5分以内の遅れで済むだろうから~」と思っていた。

私は、バスを止めてパーキングブレーキ確認! スロープを設置しようと中扉のところへ… その時、車椅子の男性が「バスが道を間違えちゃって~」と言ったので驚いた。突然のことに、チンプンカンプンだった私は、「へぇ~ いつ頃ですか?」と尋ねた。すると、男性が「ついさっき、そこで…」と言ったので、「えっ!? そこで? 巡回バスですか?」と尋ねると、「いや、これと同じ系統のバスだったよ。その交差点を左へ曲がらなきゃいけないのに、真っ直ぐ行っちゃって…」と言ったのである。

どうやら、その男性は… この某区役所停でバスに乗ったのだが、そのバスが道を間違えてしまったので、すぐに降りて戻って来て、再びバスが来るのを待っていたようだ。さらに、道を間違えたバスは何処かへ行ってしまっ… 否、否、否、「営業所の指示に従って、路線復帰するためのルートを“回送”で走って行った」と男性が教えてくれたので、私は「ということは… この先のバス停が修羅場になるということなのか!?」と少しだけ不安になった。

とりあえず、私は目の前の交差点を… 「左折だな」「本当に左折だよな」「巡回バスは直進だけど、このバスは左折でいいんだよなぁ~!」と何度も確認して左折… すぐに次のバス停が見えたのだが… そこには、その時間にしては多くの人影があった。しかし、私は「この人たちは、道を間違えたバスを待っていたのか? もともと私のバスを待っていたのか? 人それぞれだからなぁ~」と思い、一人一人の顔色を窺いながら乗車扱いをしたのだが… 誰も何も言わなかったので分からなかった。

私は「どのタイミングで、どのように案内をすればいいのか?」と考えながら、次のバス停へ… すると、そこから乗った数名のオバサマ隊が「これは××分のバス?」「違うの?」「バスが来んのだけど…」と言ったので、「そのバスが道を間違えてしまったようで… そちらのお客様が、よく分かっていらっしゃるんですけど… 申し訳ございません」と簡単に説明&謝罪したところ、車椅子の男性が「このバスは定刻だけど、前のバスが間違えて~」とフォローしてくれて… オバサマ隊は「あら、そう…」「そんなことあるの?」「ねぇ…」と言いながら、何事もなかったかのように着席したのだった。

その先のバス停にも、いつもよりやや多めの乗客が待っていて… 怒ったような表情の人もいれば、笑顔で挨拶してくれる人もいたりして… 私には、どっちのバスを待っていたのか判別できなかった。が、ところどころで「このバスは…」「※※分のバスは…」と言ってくれる人がいたので、その度に「バスが道を間違えて~ すいません…」と簡単に説明&謝罪… そのせいなのか何なのか、渋滞も何もなかったのに、いつの間にかバスは10分くらい遅れていた。

そんなこんなで“終点までバス停3つ”となった時… 後方から1台のバスが来ていることに気が付き、「あれは… 回送じゃなさそうだなぁ… きっと、営業所前ターミナルから来たバスに違いない。私は、次の某センター停で2人の降車扱いをしなきゃいけないから、後ろで待たせることになるなぁ~ いや、ひょっとすると… 車椅子の人が降りていると気が付いて、手伝ってくれるかもしれないなぁ~」と思いながら、某センター停で止まって降車扱い… ボケな私は、後方から来ていたバスのことなどスッカリ忘れて、某センター停を発車した。

終点・某運動場に到着後、転回場へ移動… すると、ちょうど新人くんが休憩室へ入って行くところだった。私も、駐車スペースにバスを止めてから休憩室へ入ったのだが… そこで、新人くんが「やっちゃいました…」と言ったのを聞いて驚いた。そう、道を間違えたのは彼だったのだ。また、それと同時に私の中に浮かんだ「なぜ、バス2台分の人を乗せてきた私よりも先に到着しているのか?」という疑問をぶつけてみたところ、「あぁ、さっき… 某センター停で抜きましたから…」と言われて再び驚いた。いやいや… こりゃ、今後も多くの伝説を… このブログに“ネタ”を提供してくれそうだなぁ~ 期待しとるぞ! ハハハ…