クローザーという仕事

最近は、私が“最後の一人（クローザー？）”になる日が多い。なぜならば、手術が順調に終わる日が多いからである。手術が予定通りに終わると、その後の清掃や洗浄、滅菌の準備まで順調に進められ、みんなが定時までに作業を一段落させることができるのだ。ただし、滅菌の開始から終了まで一時間以上かかり、一部の滅菌機については“滅菌後、速やかに取り出しておく”必要があり…　翌日も午前中から仕事の先輩たちが“ただ取り出す”ために帰宅が遅くなるのは大変…　だから、私のような出勤時刻が遅い人間が残るのは理に適っているのだ。

最後まで残るということは、退勤時に消灯や機械類の電源オフ、戸締りを確認することになるのだが…　洗浄室に関しては、滅菌室での作業を始める前に済ませている。洗浄室での作業が終わった時点で、洗浄終業チェック表の項目一つ一つに“Ｖ印”を入れながら確認…　洗浄室と外部（廊下）の間にある大きな自動扉についても、まずは扉のツマミを回して施錠、次に自動扉としての電源をオフ、最後に自分の手で扉を開けようと力を加えて「ガチッ」と施錠されていることを確認している。

昨日も、私でも出来る簡単な作業をしながら最後の滅菌が終わるのを待って…　「ピーーーッ」という滅菌機の終了音を聞いて器具類を取り出し…　作業が一段落した後に滅菌室の消灯、滅菌室と外部（廊下）の間にあるドアを内側から施錠、ロッカールームで着替えた後、事務室の消灯を確認してから廊下へ出た。事務室のオートロックの音を確認、念のためにドアノブを握って施錠を確認してから廊下を歩き出し…　隣接する洗浄室の前を通って“時間外通用口”の方へ向かった。

が、その時に「まぁ、念のため…」と思った私は、洗浄室の大きくて重い自動扉に手を掛けて「大丈夫だ」と確認して再び歩き出し…　んが！　「今、ちゃんと力を込めなかったよなぁ～　一応、もう一度…」と思いながら自動扉に手を掛けてグイッと…　なぜか開いたので「マジか！？」と驚いた。パッと思い浮かんだ可能性は二つ…　一つは“単純に私が忘れた”可能性である。が、自分で言うのも何だけれど、チェック表に記入しながら確認しているので考えにくい…

もう一つは“私が洗浄室のチェックを終えた後に、誰かがトイレへ行くなどの理由で解錠して、戻ってきた時に施錠するのを忘れてしまった”可能性である。実際、これまでに何度か“解錠して出て行く＆戻って来て施錠する”という光景を見たことがあり…　「そりゃ誰だって忘れることはあるよなぁ～　今後は必ずチェックするようにしなければ！」と思った。その他の可能性としては…　誰かが私を試したとか？　あるいは…　誰かが洗浄室に住んでたりして！？（いっそのこと、オマエが住んだらどうだ？）